ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

JR東海からすると、葛西某に無役になってもらいお引き取り願うことは現状無理なんだろう

2020-05-31 00:00:00 | 社会時評

先日JR東日本の元社長・会長の松田昌士が亡くなりました。記事を。

>松田昌士氏が死去 JR東日本元社長

2020/5/25 12:37
 
JR東日本の元社長の松田昌士(まつだ・まさたけ)氏が5月19日午後1時58分、肝臓がんのため死去した。84歳だった。連絡先は同社総務・法務戦略部。お別れの会を行うが日取りなどは未定。

井手正敬氏(JR西日本元社長)や葛西敬之氏(JR東海名誉会長)とともに「国鉄改革3人組」と呼ばれ、国鉄の分割・民営化の立役者の一人となった。北海道出身。北大大学院を修了後、1961年に日本国有鉄道に入社。企画部門を中心に歩み、多額の長期債務で経営が行き詰まった国鉄の再建を担った。

87年4月に民営化で発足したJR東日本の常務に就任。93年に社長に昇格し、経営の効率化や省人化を進めた。商業施設など非鉄道事業も強化し、JR東の経営基盤を安定させた。政府が保有株を手放す完全民営化にも道筋をつけ、会長時代の2002年に実現した。

経営改革の手腕が評価され、小泉内閣による日本道路公団(当時)などの民営化のあり方を検討する第三者機関「道路関係四公団民営化推進委員会」の委員も務めた。08年11月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。

記事にもあるように、松田、井手正敬葛西某というのは、国鉄の分割民営化を成し遂げた3人衆みたいな扱いをされています。上の引用記事にもあるように、彼らは時の政権からも高く評価をされている(いた)わけですが、昨今JR北海道、JR四国、あるいはJR九州もそうですが、経営がまことによろしくない事態になっています。先日も別の記事でこの点は指摘しました。

レンタカーのハーツまでが経営破綻するとは、きわめて深刻な事態だ(タイ国際航空ほか航空会社ほかも)

そう考えると、国鉄の分割民営化なんてのは、仮に分割民営化するにしても、北海道、四国、九州を分離してしまっては、まったくもって経営が立ち行かなくなるのは目に見えていたんじゃないのと思います。しかしその措置の最高責任者だった中曽根康弘も昨年死んじゃったしね(苦笑)。どっちみち特にJR北海道、四国は、再国有化するかJR東日本、西日本と合併して経営統合するしか道はないのではないか。国鉄の分割民営化というのもひところはやたら称賛されましたが、組合つぶしという問題なども当然批判されるべきですが、経営という観点だけでもそんなに褒められたものではない。

それでですよ、JR東海の葛西某という人物は、いまだにJR東海取締役名誉会長なる肩書です(呆れ)。

あのー、国鉄がJRになったのが1987年で、それからすでに今年で33年です。葛西某は95年に社長です。彼がJR東海のオーナーであるならともかく、まあこういっちゃなんですが、かつての国営企業(公社)で今日でも高度の公益性を保ち、また現実に日本の大動脈である東海道新幹線を保有・管理・運行をしている企業のトップが、このように万年同一人物というのは変でしょ(苦笑)、いくらなんでも。今年彼は、80歳です。JR東海レベルの、しかもオーナー企業でない会社で、80歳になる年まで取締役の肩書がある例って、あんまりないんじゃないんですかね。いや、そうでもないのか? ふつうはさすがに「顧問」「相談役」ていどの肩書になり、取締役からは外れるんじゃないんですかね。

いや、さすがにJR東海でも、(若手)幹部の中には、「あの人迷惑だ」「いいかげん引退してほしい」という声もあるのでしょう。たぶん少なくはないのではないかと(勝手に)考えます。おそらくそう考える役員クラスもいるでしょう。

来月23日に葛西某は「取締役」の肩書が外れるとのことですから、そうすると実質はいざ知らず形式的にはほんとの名誉職になるんですかね。どうだかわかりませんが、葛西某は会社を退く意思がないようですから、彼は終身名誉会長なのでしょうね、おそらく。それもどうかです。

ちなみに先日亡くなった松田は1936年の早生まれで大学院を出て61年国鉄入社、93年にJR東日本社長就任、2000年に会長就任、退任が2006年です。井出が1935年生まれの59年国鉄入社、JR西日本社長就任が1992年、会長就任が97年、2003年の退任です。葛西某は、1940年生まれで63年国鉄入社、95年にJR東海社長就任、2004年に会長、14年に代表取締役名誉会長ですからね。松田が社長就任から会長退任が13年、井手が14年ですが、葛西某は社長から会長退任が19年、代表権のある副社長就任が90年ですから30年代表兼があったわけです。これはいくら何でも長すぎるでしょう。

余談ですが、上の3人の経歴を比較しても、葛西某は国鉄でも格の違うエリートだった感がありますね。もちろん東京大学の法学部出身で国鉄に入社した人間なんていくらでもいますが、やはり優秀さが際立っていたのでしょう。ところで前にこんな記事を書きました。2014年の記事です

現段階では現実性がない、またJR東海トップの安倍晋三との関係に注目したい

この記事でご紹介した米国のリニアモーターカーの話がその後どうなったのか当方知りませんが、そこでも指摘したようにこの話は明らかに安倍晋三と葛西某との密接な関係があればこそです。この計画は現実性の低い話ですが、日本のリニアモーターカーの件などもやはり葛西某のおかげで動いているという側面が大きいのでしょうから、JR東海としても彼にお引き取り願うというわけにはいかないんですかね? 行かないんでしょうが、たぶんですが葛西某が死ぬか認知症のたぐいとかで会社から名前がなくなったら、途端にJR東海内部あるいは近い筋から「あの人は老害だった」「もっと早く引退すべきだった」「過去の実績は認めるが、いくらなんでも長すぎた」といった声が飛ぶんでしょうね、きっと。個人的にはその日を楽しみにします(笑)。いまだって流れていないわけでもないでしょう。

安倍晋三もさすがに昨今いろいろ政治的にも忙しいことが多すぎて、ひところほどは葛西某ともつきあえないでしょうが、葛西某は、産経新聞の「正論大賞」なんてものすらももらっている(2013年)人物です。まともな人間なら産経新聞なんかとつきあったりしませんが、財界人でこんなものをもらった人間は、葛西某以外は現段階後にも先にもいません(受賞者の名簿をみたかぎりいないと思います。間違っていたらこのくだりは訂正します)。たいていの財界人は、こと中国に対しては友好的ナチ度を路しますが、葛西某はJR東海というドメスティックな大企業のトップですから、Wikipediaにも

>財界を代表する「親米保守」の論客である。

なんて書かれるくらいの態度もとれるわけです。現実には中国人だって大勢新幹線他を利用するし、新幹線の車両輸出や技術関係とかでもいろいろ中国と仲良くしておくことが会社の利益につながるわけですが、葛西某は会社の利益になっても中国とかかわりあいたくないんでしょうね、きっと。それもどうかです。昨今の中国の世界経済における存在の増大を考えれば、そのような態度は時代錯誤もはなはだしいとしか言いようがないでしょう。

葛西某も非常に優秀な人間なのでしょうが、それにしたってねえ、引き際を彼は間違えたんじゃないんですかね。世間一般でも、私のような彼に悪意のある人間でなくても、「あの人は長すぎる」という意見は多いはず。ご当人ン非常に権力欲が強く、また自分に自信もあるのでしょうが、それって最終的にはいろいろな面でマイナスになるかと思います。安倍晋三だって、現状自民党総裁3選になって自分の首相の任期をのばしたことがよかったとはとても言えないのが現状でしょう。葛西某からすれば(いくら彼が安倍と緊密な間柄とはいえ)「あんな馬鹿とおれを一緒にするな」というでしょうし、また確かにそれはそうでしょうが、おそらく葛西某がほんとにJR東海を去るときは、喜ぶ人間が少なくとも葛西某が想像するよりはずっと多いんじゃないんですかね。そしてそれは、「老害」といったことばかりでなく、必ずしも彼の能力や実績とは直接関係ない人間関係の部分でそうなるのではないか。

という記事を書いた後で、こんな記事を目にしました。

>リニア水問題 JR東海社長「27年開業難しく」
(2020/5/30 07:54)
 JR東海の金子慎社長は29日の定例記者会見で、リニア中央新幹線について「南アルプストンネルの静岡工区の準備工事が6月中に再開できないと2027年中の開業は難しくなる」と述べた。
 金子社長は開業の延期を避けるため、改めて川勝平太知事と早期に面会したい意向を示し「事情を直接説明して理解を得たい」と訴えた。6月中に工事再開できなかった場合、ただちに開業延期を発表するかとの記者の質問には「知事と会ってもいない段階での話は控えたい」と答えた。
 国土交通省の専門家会議での自身の発言については「関係の皆さまの不信を招くことになった。地元との信頼関係を大切に真摯(しんし)に対応し、問題解決が進むようにしたい」と謝罪し、撤回した。発言に抗議していた流域市町と利水関係者へも、川勝知事へと同様に謝罪、撤回する文書を送ると表明した。川勝知事は金子社長の対応を評価し、面会を前向きに検討する意向を示している。
 同社によると、準備工事はトンネル本体工事の前に行うヤード整備や、非常用トンネル、導水路トンネルの入り口付近の樹木伐採や整地を指す。地権者との約束で県の同意が必要になっているという。県の担当者は「再開する準備工事が何を指すのか、JR東海から直接説明を聞かないと具体的によく分からない」としている。県側はトンネル本体工事に直結する工事は現時点で認めない方針。

こういう状況だとやっぱり葛西某は「自分が頑張らなければ」と考えるし、JR東海内部でも「やっぱり葛西さんが頼りだ」なーんてことになるんでしょうねえ(苦笑)。

なおこの記事は、bogus-simotukareさんのこちらの記事からヒントをもらいました。感謝を申し上げます。

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コロナウイルス騒動における(現段階)最後の旅行(関西・東海方面の旅)(Day3-4)(8)

2020-05-30 00:00:00 | 旅(国内)

車に乗って名古屋へ向かいます。途中SAで適宜休みます。

営業は大丈夫でしょうか? ネットの情報によるとやっていやってはいるみたいですね。

するとすごい虹がかかっているのを観ました。これはすごい。

ちゃんと環がつながっているのがすごいですね。

さらに名古屋へ向かいます。相当下の方まで輪が見えます。

もう少し虹の写真を。

ずいぶん長い時間虹が観られました。あるいは、雨が西→東に移り、それで次々に虹がでたってことなんですかね?

米原近辺では雪が見られました。

名古屋に近づきます。

夕日がきれいでした。

高速道路から一般道に移動します。

あつた蓬莱軒です。かなり昔熱田神宮近くの店舗で食べたことはありますが、本店は初めてです。

名前を告げて、指定された時間に店舗に入ります。

こちらに来たら、ひつまぶしですよね。

店の中です。いい雰囲気です。

よせばいいものをですが、白焼きもいただきます。鰻の白焼きを食べたのは、たぶん人生2回目です。最初に食べたのは、札幌と小樽に行ったとき、札幌のデパートの中の鰻屋ででした。しかし今にしてみると、その件記事にしていないな。

玄関です。おいしいので、コロナ騒動が落ち着いたら是非どうぞ。

本日のホテルへ向かいます。提携先の駐車場に車をとめます。名古屋四季劇場が近くにありました。

月がきれいです。泊るのは、写真にもある東横INN名古屋名駅南です。

このような部屋です。だいぶ以前にこのチェーンのホテルに2回くらいだったか泊ったことはありますが、それからこのチェーンには泊ったことがなく、まだ記事にはしてませんが、昨年末~今年初めの韓国紀行の際に2回泊りました。その時会員カードを作成したので、今回も利用したわけです。韓国の旅行については、また後日。

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不定期連載:普通自動二輪免許取得記(7)(第一段階みきわめ→良好!)

2020-05-29 00:00:00 | 自動二輪免許取得(普通自動二輪編)

みきわめの日、教習所で配車手続きをします。そして同時に次なる予約を入れました。みきわめが今日OKなら明日第二段階のシミュレーター授業を受けられるが、今日NGならシミュレーターは不可だといいます。当然な話ではあります。控え所へ行きます。プロテクターほかをつけますが、ヘルメットとブーツは私にフィットするサイズがありません。前の時間の人が外したものを付けることとします。ヘルメットとブーツを着用しますが、ブーツはともかくヘルメットは汗だくだったので、けっきょくXLのでかいものを着用となりました。お手洗いに行き気を落ち着かます。それでは教習です。教官じゃなくて指導員が、前回みきわめがダメだったのは何が問題でしたと聞いてきたので、総合的にダメだったと正直なことを話します。

ところで前の記事で、白人女性と話をしたということを書きまして、その後彼女を見かけることはなかったということを書きましたが、この教習の日付けの日記を読み返すと(この一連の免許取得記は、教習の直後に書いたメモに基づく日記を、ですます体の文章にして、また公けに書くべきことでないことを削除して、説明が必要な部分とわかりにくい部分を書き加えるという形で記事にしています)、この日にこの女性を見かけていましたね。話はしていないと思いますが(まったく記憶にないし、話していればその内容を日記に書いているはず)、やはり人間の記憶力というのも当てにはならんなと思います。私は、かなり記憶力はいい人間ですが、それでも英単語、数学や物理の公式、フランス語の動詞の活用、歴史の年号などは、なかなか覚えるのは大変です。好きなことならいくらだって覚えますが、そうでないことはなかなかそうはいきません。

余談が過ぎました。教習の話に戻ります。

まず肩慣らしで3周ほど外周を回ります。そのあと卒検の際のコースを走ります。S字カーブはまあまあ。スラロームはまあまあ。一本橋はうまくいかず、坂道発進は大きく吹かすが何とかできました、クランクはうまくいかないというところです。それでクランクを集中して行います。指導員から、フロントブレーキを利用していることと、視線が近くなっていることを指摘されます。クランクをする際には、フロント(前輪)ブレーキ(自転車についているブレーキと同じく右ハンドルの下にあるレバー。左側のハンドルにあるのはクラッチ)を使ってはならず、また視線も遠くにやるというのは鉄則です。それを気を付けていたら、なるほど、だいぶスムーズに曲がれるようになりました。ほんのわずかなところなのだなとあらためて思います。計8回くらいしたか? やはりこういうのは、数をこなしてさまざまなアをドバイスを受けて上達するのでしょう。繰り返ししないと自分の弱点がわからないし、それではじめていろいろ有益なアドバイスを受けられるというものです。

そのあとスラロームと一本橋をやったら、スラロームはいいので、では一本橋を集中的にということになりましたが、やはり苦戦します。前回はラスト2回できたのですがね。すぐふらつきます。指導員から、脚がよくないので、つま先をバイクにくっつけて、それでニーグリップをしっかりし、さらにハンドルでうまくさばくよう話がありました。それでやってみると、ようやくだいぶ安定してきました。なんとか一本橋を通過できるようになり、3回か4回通過できるようになったでしょうか。ある程度技量がアップしてきたのだと思います。そうしたら雨がぽつーらぽつーら降ってきました。やばいなと思いましたが、なんとか本格的な降りになるというところまでは崩れる前に教習が終わりました。遺憾ながらみきわめは次回も。が、次回でなんとか終わりにしたいものです。

では3回目のみきわめです。配車手続きをします。指導員ははじめて担当してくれる人でした。まあ誰が来ても同じだと腹をくくるしかありません。雨が降りそうなので、いちおうプロテクターをつけますが、雨合羽の着用は避けられないかなと覚悟します。指導員の人はなかなかの好男子でした。やはり雨合羽を着たほうがいいというのでそうします。が、まさに運動選手の減量時のように汗だくになることとなりました。今回のバイクは、教習の際に私が使用することの多いバイクでした。教習用のバイクはたくさんありますが、同じバイクを使用することが、他人はわかりませんが、私の場合はわりと多かったように思います。

まずはウォーミングアップ走行。外周を3周ほど走ります。最初にスラローム、一本橋から始めます、スラロームはまあまあですが、一本橋はいただけません。すぐ落ちます。8の字はうまくできました。クランクは、前回の指導員の言うように、遠くを見ることによりうまくいきました。坂道発進は、ブオーンと大きくふかしてしまいましたが、なんとか発信できました。こういうのを経験すると、やはり四輪のマニュアル車の経験が大変活きていると思います。

ひととおり終わった後、エンストに関する注意(ややクラッチの切りが悪い)とか、サードで発進しようとしたことなどが指摘されました。これなどは、やっぱり緊張しているのが悪いのかなあと思います。それでいよいよ本日の教習の本番・真打の一本橋の本格的な教習になります。これを何とかすることが、今日のみきわめ成功のカギです。何回かやるがうまくいきません。それで、もっと勢いよくスタートしていいということを言われます。私も、ニーグリップをしっかりします。ただまっすぐバイクを、橋(コンクリートの平均台様のもりあがったもの)に向けたのはいいといわれました。これもネットでもらった情報です。それで何回かの失敗の後、指導員の人が私を後ろに乗せて、走行中頭が動いていないことを示します。それでちゃんと一本橋ができるのだから、この人たちの技術のすごさには感服しました。さらに、足を付いて、それでやってみらたらどうかと勧められてそうしたら、なんとかちゃんとできました。これを2回だか3回やります。今にしてみるとイメージトレーニングなのだと思います。そうしたら指導員は、橋の前で止まらなくていいからどんどんやってみてくれといわれた。そうしたらうまくできました。指導員がほめてくれます。またやったらうまくできました。後になって考えてみると、精神的に勢いがついたので、それでスムーズに橋に乗れたのだと思います。それで今度は、ちゃんと停まってやってみます。するとうまくいきます。2度目もうまくいきました。指導員からほめてもらえました。3回目はうまくいきませんでしたが、だいぶわかってきたような気がします。指導員も「開眼したようですね」といってくれました。リアブレーキを使ってスピードを抑えるようにもなれました。指導員も満足そうな顔です。

「どうやらみきわめは大丈夫そうだな」と私もひと安心。前々回、前回のみきわめは、正直だめで仕方ないと思っていましたが、今日はぜひ成功したいと思っていたので、我ながらうれしく思います。今日だめだったらそうとうへこんだと思います。そうならなくて幸いでした。指導員からも「ありがとうございます」といわれました。変な話ですが、彼も、今日はぜひ私に合格してもらいたいと考えていたのでしょう。それにしても大型で一本橋10秒というのはほんと驚異だと思います。ちょっと現状自分には想像できません。そしてそれは、私が大型自動二輪免許を取得する際、骨身にしみて理解することとなります。詳細は、この連載が終わった後の大型自動二輪免許取得記でごってり書かせていただきます。

控え所にもどります。バイクを車庫にいれようとしたら、いやそれはしなくて結構ですといってもらえました。無事みきわめ良好をもらえます。指導員に礼を言います。事務の窓口で「ついにみきわめをもらえました」といったら、よかったですねと事務の人にも言ってもらえました。この日ばかりは意気揚々と帰宅します。

(つづく)

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(同じことを何度でも書くと)ご当人死刑になってもかまわないようだからこれはどうしようもない(京都アニメーションの放火殺人事件)

2020-05-28 00:00:00 | 社会時評

昨日(5月27日)流れたニュースを。

>青葉容疑者、逮捕状読み上げまで「36人死亡」知らず…謝罪の言葉なし
2020/05/27 15:57

 京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件で、京都府警は27日、やけどの治療で入院していた無職青葉真司容疑者(42)(さいたま市見沼区)を、死亡した36人全員に対する殺人や負傷者ら34人への殺人未遂、現住建造物等放火などの容疑で逮捕した。青葉容疑者はまだ治療中で、自力で起き上がれない状態だが、医師の意見などから、取り調べに耐えられると判断した。調べに「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と容疑を認めているという。
   
 「間違いありません」。入院先の病室で寝たまま、京都府警の捜査員から逮捕を告げられた青葉容疑者は落ち着いた様子で容疑を認めたが、犠牲者への謝罪の言葉はなかったという。

 青葉容疑者は事件で生死の境をさまよう大やけどを負った。府警は、青葉容疑者の体調や、新型コロナウイルスの感染拡大の状況などを見極めながら、逮捕時期を慎重に探ってきた。

 事件直後に身柄を確保された青葉容疑者は、最も程度がひどい「3度」の熱傷を負い、医療関係者によると、その時点での生存の可能性は数%だったという。繰り返し皮膚移植を受け、1か月近くたって意識を取り戻し、命の危機を脱した。しかし、現在も自力で体を起こしたり、食事したりできない状態で、発熱を繰り返すなど容体も安定していない。車いすにも長時間座ることができないという。

 この状態で府警が逮捕に踏み切ったのは、青葉容疑者がメディアや人づてに事件の情報に触れれば、記憶に混同が起き、事実をねじ曲げて自分に有利なことを言う可能性があるからだ。

 府警は、年明けから逮捕への検討を重ねてきたが、発熱を繰り返し、新型コロナウイルスの感染拡大で、青葉容疑者を移送することにリスクが生じる状況となり、逮捕は何度も先送りとなった。

 捜査関係者によると、青葉容疑者はこの日、逮捕状を読み上げられるまで36人が死亡したという被害の全容を知らずにいたという。初めて結果の重大さを認識したことで、精神状態に影響する可能性がある。府警は、担当医師らの意見を基に逮捕可能と判断した。

 刑事訴訟法では、警察は容疑者を逮捕後、送検するまで最大48時間身柄を拘束することができるが、今回は青葉容疑者の体調を考慮し、検察官が署に出向く形で逮捕の約3時間半後に送検された。今後は、警察署ではなく、医療体制が整った刑事施設に移し、捜査員が出向いて取り調べる方針だ。ベッドに寝かせたまま、録音・録画をして行われる見込みで、時間は通常より制限されることになる。

 府警は青葉容疑者の心身両面の状態を見極めながら、異例の捜査を迫られることになる。

この事件については、私もいくつか記事を書いています。

大阪教育大学付属池田小学校の事件で、ガソリンが使われなくてよかったと思う(一部の生活保護受給者のなかには、凄まじい異常人格者がいる)

京都アニメーション第1スタジオの焼け跡、大仙陵古墳、箕面ビール、デカ盛りの店紀行(2019年8月)

京都アニメーション放火事件の犯人が、もっと他人から優しく扱われる経験をしていれば、また事態は変わっていたのかもしれない

それで現場に行った際に撮影した写真を再掲します。

撮影したのは、昨年の8月25日です。現場はすでに更地になっているとのこと。

私が印象に残ったのが、屋上の手すりでした。「飴のように曲がる」という定型句を思い出しました。文字通りグニャッと曲がっていたわけで、あらためて恐怖を感じました。

それで今回逮捕に至ったのは、コロナウイルスの関係が一応ひと段落したということがあったのかと思います。それにしても、ストレッチャーに寝たまま警察署に入るというのは、私は見たことがありません。かなり異例中の異例ではないでしょうか。

そして私がちょっと意外だったのは、容疑者の顔が報道陣に見える状況で署に連行されたことです。近畿大学の病院から京都の病院に戻ってきた際は、報道陣からは隠されていました。今回は、警察がわざと報道陣に容疑者の顔を見せたのだと思います。写真は2枚とも、京都新聞の記事より。

口の部分がマスクで隠されているのでつまびらかでありませんが、公表されている監視カメラによる犯行直前の様子とは、だいぶ印象が違いますね。顔にもやけどの跡がみられ、髪の毛も短髪で、眼鏡も掛けていません。そしてだいぶやせたように感じます。記事によれば死亡の可能性がかなり高かったようなので、生きながらえたのはなりの幸運とあと容疑者が相当な体力を持っていたということなのでしょう。

だいたい警察に逮捕された場合は、送検の際地検へ向かう車の中などで容疑者の姿がカメラに映りますが、今回は、上の記事にもあるように検察官が警察署に赴いて「送検」という形になったくらいで、まさにこれも異例中の異例です。

それにしても容疑者がこのように発言をしていることが、「だいたいそんなものだろうな」とは思いつつもいろいろ考えさせられますね。昨年11月18日に、大阪の病院で京都府警が事情聴取をした際の発言です

> 事情聴取は、1時間ほどだったという。

「放火したのは間違いない」

「死刑になることは、わかっている」

なお引用した記事では逮捕は今年の1月ではないかと書かれていましたが、けっきょく5月下旬ということになったわけです。

個人的な意見では、なにもこんなことしてわざわざ死刑なんかになることないだろと思いますが、ともかくご当人少なくともこの事情聴取を受けた際は、自分に死刑判決が下ることを覚悟していたということになります。そうなると、これはどうしようもないなという気がします。これも事件後に繰り返し報道されていた記憶がありますが、事件直前

>京都アニメーション事件の4日前の7月14日、青葉容疑者は自室で大きな叫び声を出し、隣室の男性の玄関ドアをたたいてきた。男性が青葉容疑者の部屋を訪ねると、胸ぐらをつかまれ、「自分には失う物はない」と話すなどの近隣トラブルがあった。翌日、青葉容疑者は新幹線で京都入りし、7月18日に事件を起こした。

京都新聞の報道にあります。「失う物はない」って、さすがに普通自分の命程度のものは「失う物」に入ると思いますが、すくなくとも犯行時にはそうではなかったのでしょう。こうなると、前に記事に書いたことがある次の問題に帰結しますね。

社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、こういったことが通用しないと本当に迷惑だしどうしようもない

社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、こういったことが通用しないと本当に迷惑だしどうしようもない(2)

社会常識、道理、正論、合理的解釈、法令順守、他人に迷惑をかけない、というようなことが通用しないんだから仕方ありません。「自分は死刑になってもいい」というのだからどうしようもないですね。

それで世の中極端な大量殺人事件というのを見ていくと、たとえば津山事件(加茂の30人殺し)附属池田小事件相模原障害者施設殺傷事件のような、特定の人間をねらった殺人というより無差別に近い事件では、自殺したり(津山)、一審で死刑判決を受け入れたり(池田小、相模原)する例があります。もちろん秋葉原通り魔事件のように最高裁まで争い再審を求めている事件もあります。どうも今回の事件については、前者のように死刑判決がでたらそのまま受け入れるのかもなという気もします。もちろんわかりませんが。

外国についてはよく分かりませんが、日本では、どうもやはり人生が(いろいろな点で)うまくいかなくて、それでこのような犯罪に突き進んでしまうというのが1つのパターンのようです。相模原の事件はちょっと毛色が違うかもですが、津山、池田小、秋葉原、そして今回の京都アニメーションなどの犯人(容疑者)は、そのようなパターンです。

こうなるとしょうがないですね。自分は自殺する、あるいは死刑になったっていいんだとなると、防ぎようがない。新幹線で人を刺したクズもいましたが、あの人物は死刑にはなりたくなかったようでしたから、1人の殺人だけだったという側面もあったかもしれません。が、死刑でいいんだとなったら、そんな抑制(?)もありはしない。ガソリンの購入に身分証明書のチェックをするとかいったって、うんなもんどうにだってなるしね。だいたいまともな人間は、ガソリンをまいて放火なんかしない。

というわけで、このような事件に巻き込まれないことを祈って私たちは生きることしかできません。犠牲者の方々のご冥福を祈ってこの記事を終えます。

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7月の4連休から遠出をしようかと考える(海外は、可能なら9月から行きたいが、現実には12月、あるいは年末年始からか)

2020-05-27 00:00:00 | 旅(海外旅行一般 あるいは上以外の国々 旅行全般)

旅行にいつくらいから行けばいいかなと考えまして(この場合、せめて私の居住地である関東地方をでるくらいのものを旅行と定義します)、実際にどうなるかはわかりませんが、7月の4連休(23日~26日)を軸に旅行ができればと考えています。この時点では、まだ国外への渡航は難しいでしょうから、私としてはまずは名古屋に行き、そこを拠点にしてどこかへ行ければいいかなと考えています。関西へ行ってもいいし、北陸、中国、山陰、四国、九州も悪くない。滋賀県、島根県、香川県、愛媛県、佐賀県、長崎県にはまだ宿泊はしていないので、どこかで初宿泊をしてもいいし、公道バイクデビューもしようかと考えています。大型自動二輪免許を取得していますが、私はまだ原付以外でバイクで公道を走ったことがありません。もちろん知多半島や渥美半島へバイクで走っても非常に面白そうです。

8月、9月も可能なら旅行へ行きたい。例の10万円の給付金は、そちらに使おうと思います。もちろん辞退はしません。正直私は、職場をクビになることはないですが(もちろんわかりませんけど)、どうせボーナスほかで相当大幅なカットは避けられないのだから、ここはしっかり使わせていただき、消費に多少なりとも貢献します。

私が最後に旅行に行ったのが、現在記事にしている関西と東海の旅でして、これがエセ建国記念日のあたりでした。半年の間まともな旅行に行けないという事態は私としては避けたいので、もしこの7月の連休に行ければ5か月強ぶりで行けるわけで、私としても悪くないかなというところです。あくまで行ける状態になればということではあります。

ただ海外となるとやはりハードルが高くなります。これは各国の出入国管理の状況がどうなるか次第で、もちろん一律にどうこうなるというものでもないですから予想が難しいわけですが、可能なら9月から旅行したいですね。ただそれが現実問題として難しければ、可能なら11月(もちろん10月でもいいですが)、だめなら12月、それでもだめならなんとか年末年始にはどこかの国へ行きたいと思います。個人的には、年末年始でしたらオーストラリアへ行って、南半球デビュー、オセアニアデビューができればと考えています。が、年末年始も出国が難しければ、今年はわが人生でもちょっと何年ぶりかというのはわかりませんが、しばらくぶりに出国をしなかった年になります。1月1日から3日までは韓国にいましたので、日本以外に出国した状態というのはクリアしました。

個人的には、11月に去年は行けなかった鹿児島市の祭りに行きたいのですが、今年開催されるかどうかもきわめて怪しいですからね。ほぼ期待していません。2020年は、大変な旅行外れの年です。残念ですが、しょうがないとしか言いようがない。

いちおう旅行記事のストックは、北京・天津紀行がえんえんまだ続きますし、昨年末から今年初めの韓国紀行もありますので、さすがに記事のネタが尽きることはないと思いますが、やはり新しい旅行に行かないと面白くありません。インドア系の趣味として映画、アウトドアと言い方は違うかもですが、旅行の2つは、わが人生の最大最高の楽しみですから、1日もはやくこの2つが何の遠慮もなく楽しめる日々が戻ってきてほしいということを書いて、この記事を終えます。

と思ったのですが、そうもいっていられませんね。記事を。

>7月下旬から旅行クーポン発行=緊急事態解除受け喚起策―政府
2020.05.25 時事通信

 政府は25日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を被った旅行や飲食業界向け需要喚起策による支援を、7月下旬から実施する方針を固めた。緊急事態宣言解除が同日にも正式決定される見込みとなるなど収束への道筋が付いてきたため、割引クーポン発行を柱とする「Go To キャンペーン」と名付けた一連の支援策を急ぐ。

 政府は25日に改める「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」で、宣言を解除した後に外出自粛を7月末ごろまで段階的に緩和する考えを盛り込む。

 2020年度第1次補正予算で約1.7兆円が計上された「Go To キャンペーン」は、旅行会社などを通じて旅行商品を購入した場合、代金の半額分の割引クーポンが付与される仕組み。また旅行代金を割り引くだけでなく、土産や施設利用の割引券などと組み合わせることで、旅先での消費喚起を狙う。

 8月1日ごろには観光振興につながる自由な移動が全面的に可能となる見込み。このためクーポン発行など事前準備を7月下旬から進めることにした。 

上の記事の通りなら、7月の4連休に合わせた旅には間に合いませんが、8月以降の旅にはこれが使えそうですね。旅行会社を通してということになりますから、ここは旅行会社経由で切符や宿泊施設の手配などをするということかなです。実際、このような景気の悪いニュースも伝わっています。

>大手旅行会社 HIS 夏のボーナス支給せず 新型コロナ影響で
2020年5月26日 17時26分

大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で業績が悪化していることからことしの夏のボーナスを社員に支給しないことを決めました。

エイチ・アイ・エスは、感染拡大を受けた移動の自粛などの影響で、海外旅行を中心に予約のキャンセルが相次ぎ、ことし10月期の最終的な損益が11億円の赤字に転落する見通しになっています。

このため会社は、およそ6000人の社員に対し、例年7月に業績に基づいて支給している夏のボーナスについて、ことしは支給しないことを決めました。また、6月の月額給与も役職に応じて減額するということです。

エイチ・アイ・エスは4月に緊急事態宣言が出されたあと、全国に260余りある営業所すべてで臨時休業していましたが、宣言の解除を受けて、来月1日から東京 渋谷や横浜などの比較的規模の大きな店舗から営業を再開することにしています。

私もひところほどはここを使っていませんが、ネットでの利用ですが、昨年末~今年の正月の韓国紀行では、HISのサイトから航空券を購入しています。HISさんにもいろいろ旅行では世話になっているし、転勤してから疎遠になりましたが、けっこういろいろ便宜を図ってくれた社員さんもいたし、やはり頑張っていただけないと困ります。

そういうわけで、読者の皆さまも、可能な限り交通機関他を利用して、関係先の手助けをしていただければと思います。よろしくお願いします。

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倍賞千恵子が主演した松本清張原作のテレビドラマ『顔』は、だいぶ原作とテイストが違った(追記あり)

2020-05-26 00:00:00 | 映画

コロナウイルスの関係で外に遊びに行くとかができないので、もっぱら家にいます。それで、CSで録画した昔の映画やドラマを観たりしています。するといろいろ気づくこともあります。今回は、1978年に放送されたドラマ『松本清張原作)についてちょっと記事を書いてみたいと思います。なお同じ年に大空真弓主演で同じ原作のドラマが放送されていますが、私が観たのは、倍賞千恵子主演で11月18日にテレビ朝日系列の「土曜ワイド劇場」枠(21:00-22:24)にて放送されています。まだこの時期は枠が90分でして、CMをのぞくと正味73分の作品となります。

それではストーリーを。私が観たのは5月7日のホームドラマチャンネルでの放送です。この記事では、いちおうラストの落ちまで書いちゃいます。今回は1回こっきりの放送のようなので。また放送されるとは思います。上の写真も、同じHPより。

静岡県に在住する女性(倍賞千恵子)が、暴力団系の悪質な金貸しから金を借りて、ひどい目に遭っています。山奥で返済の交渉をしようとしますが、はずみでその金貸しをがけから突き落としてしまいます(どちらかというと、殺したというより過失で金貸しががけから落ちたという感じです)。怖くなった女性は、静岡を離れて横浜に行きます。そこで彼女は、料亭か何かの調理場で働きます。ところで事件の直前に、その暴力団金貸しと女性の姿を、これも金貸し(兼不動産業)をしている男(財津一郎)が目撃します。彼は、あの女が怪しいとにらみ、付き合いのある静岡県警の刑事(柳生博)にその話をし、モンタージュ写真作成などにも協力します。

さてさて、料亭ではたらく女性は、人目につかないようにしていますが(同僚に泉ピン子がいます。出世する直前の時期ですかね)、ひょんなことから見知らぬ子ども(男児)の事故に遭遇し、子どもを病院に送り届けます。するとその子どもは、最近離婚した俳優(山口崇)の息子で、駆け付けた俳優と一緒にいるところを新聞のカメラマンに撮られてそれが新聞に載ってしまいます。

このあたり、昔は肖像権とか個人情報が適当だったんだなあとか(昔のドラマを観ているとよく思います)、いくら1978年でも、いきなり無名の一般市民をそういうふうに写真を新聞に載せるかなあとか(載せたんですかね?)、この時代は写真週刊誌はまだなかったからなあ(雑誌『FOCUS』を、新潮社が創刊したのは1981年)とかいろいろ考えますが、それはさておき。

その新聞を観た不動産屋兼金貸しは、あの女だと考えて、これは使えそうなネタになると直感します。一方、女性を気に入った俳優は、ちょうど奥さんと離婚したこともあり、ぜひ同居してほしいと頼みます。子どもも彼女に懐き、では結婚してくれということになります。女性は、それはまずいといろいろ固辞しますが、こういうドラマの都合上、やっぱり結婚することになります。そしてめでたく結婚式をあげますが、彼女の動向を追っていた不動産屋兼金貸しは、彼女と連絡を取り(彼女がまとまった額の金を用意できるのを待っていたのです)、金をゆすります。彼女も断ったりしますが、所詮向こうは彼女のかなう相手ではありません。追いつめられた彼女は、自殺しようかともいいますが、それを隣の部屋で俳優が聞いています。

事情を知った俳優は、静岡の不動産屋兼金貸しの事務所に談判に行き、静岡の山奥で再度会うことになります。不動産屋兼金貸しは、どうも怪しいと考えて、刑事に一緒に行ってくれと頼みます。まったく抜け目のない野郎です。

それで女性ら3人家族は山に行きます。俳優はあえて1人で不動産屋兼金貸しに会い、向こうを殺そうとします。が、不動産屋兼金貸しもさるもの、すぐ反撃して、俳優をがけに落とします。途中でかろうじて踏みとどまる俳優の手を踏んだりしていると、女性が駆けつけます。お前も殺してやるといって殺そうとすると、刑事が走ってきて拳銃を威嚇射撃をしたら、あせった不動産屋兼金貸しはがけから落ちてしまいます(このシーンは、かなり拙劣でした。もうすこしうまく落ちないと)。何とか助かった女性と俳優は、あらためて愛を確かめ合い女性は「自首します」といって、ドラマは終わります。

それで原作を読んでいる人は、たぶんこう思うんじゃないんですかね。

「原作と全然違うな」

原作の主人公は男だし、また同情するには値しない設定です。それに対してやはり倍賞千恵子に、そんな血も涙もない人間は演じさせるわけはないよね(苦笑)。ましてやこのドラマは、彼女が所属する松竹の制作です。

また原作は、詳細には書きませんが、助かったと思った主人公がひょんなところから犯罪がばれるという落ちです。前にこんな記事を書いたことがあります。

1965年の加賀まりこ

その記事で取り上げた山田風太郎の小説「棺の中の悦楽」も同じようなものでしょう。助かったと思ったらやっぱりだめだったという落ちです。もっとも「棺の中の悦楽」の落ちはあんまりうまいとは思いませんでした。主人公を裏切るのが、彼が関係した女だったら、映画では加賀まりこが演じた人物以外にありえないし、そしてやっぱりそうだったわけで、これはネタがすぐばれちゃいます。

しかしこのドラマの方は、ラストでやっぱり自首しようということになり、俳優の夫の方も「待っているよ」と言ってくれるわけです。これは上のあらすじ紹介のところではあえて書きませんでしたが、俳優が離婚した元奥さんが、息子を無理やり車で引き取ろうとしたり(子どもも実の母親と一緒に行動するのを嫌がっているくらいだから、相当ひどい母親の設定です)するというシーンが2回もあります。いくら原作が長くないとはいえ、73分のドラマでこのエピソードは不要だなと思いますが、これも倍賞千恵子を引き立たせるためのものなのでしょうね。

というわけで、このドラマは、松本清張の小説を原作にしているというよりは、ほとんど「悪いことをした人間が、たまたま犯人であることを知っている人物に顔を見られたので困る」というようなコンセプトをいただいただけで、ほぼオリジナルといっていいものだと思います。原作とは、ほとんど関係ないドラマです。むしろ原作の名をいただいただけかも。

さっそく他の映像化を見てみますと、Wikipediaによれば、映画化が1回、ドラマ化は、最初が1958年(原作発表の2年後)、以後1959年版、1960年版、1962年版。1963年版、1966年版、1978年版(TBS)、1978年版(倍賞版)、1982年版、1999年版、2009年版、2013年版と実に12回もテレビドラマになっています。

それで、映画、78年の2作品、1982年版、1999年版、2013年版が女性が主人公です。映画で女性が主人公なのは、岡田茉莉子を売り出すためでした。78年から女性が主人公になっているのは、たぶん時代の変化なのでしょうね。他の作品を観ていないのでめったなことは言えませんが、たぶんこの倍賞千恵子バージョンが、いちばん原作から自由な内容なのではないかという気がします。ほかの作品は、主人公はなんらかの世俗的な成功を勝ち取ろうとしている過程でのつまづき、とでもいうべき立場でしょうが、この作品は、もちろん裕福な人間との結婚というのは、主人公にとっても良いことですが、むしろ主人公が自分の秘密を隠し切れない苦悩とかを前面に出してきています。そういうのも、松本清張の基本コンセプトとはずいぶん違います。だいたい清張の作品は、『ゼロの焦点』とか『砂の器』などのように、自分の地位、立場を守るために犯罪をする、というのが1つのパターンですが、このドラマでは、主人公はこのままでは夫らに迷惑がかかるということに苦しむわけです。

そういうのも時代背景の違いとかいろいろ興味深いですね。ここはやはり、山田洋次監督で倍賞千恵子主演の1965年版『霧の旗』と西河克己監督で山口百恵主演の1977年版『霧の旗』を見比べてみようかなと思います。こういうのも面白そうです。山口百恵の映画は原作ものが多いので、他の女優が演じてるものを見比べたりするのも面白いものがあります。『伊豆の踊子』なんていう古典的なものでなくても、『泥だらけの純情』での吉永小百合との比較もしてみようかなと思います。なお『泥だらけの純情』には、渡辺満里奈のバージョン(テレビドラマ)もあります。1991年放送とのこと。

記事発表日の追記:bogus-simotukareさんが、この記事についての補足となる詳細な記事を発表してくださいました。ありがとうございます。

倍賞千恵子が主演した松本清張原作のテレビドラマ『顔』は、だいぶ原作とテイストが違った(ボーガス注:松本清張『顔』のネタばらしがあります)

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レンタカーのハーツまでが経営破綻するとは、きわめて深刻な事態だ(タイ国際航空ほか航空会社ほかも)

2020-05-25 00:00:00 | 社会時評

前にこんな記事を書きました。

私も数回泊ったことのあるホテルが破産したという報道を聞いて事態の深刻さを再認識する

そうしたら、まさに上の記事どころの話ではない事態が起きてしまいましたね。記事を。

>米レンタカー大手ハーツが経営破綻 負債2兆円 コロナで需要が劇的減少
毎日新聞2020年5月23日 14時36分(最終更新 5月23日 14時36分)

 米レンタカー大手のハーツ・グローバル・ホールディングスは22日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を東部デラウェア州の裁判所に申請したと発表した。米ウーバー・テクノロジーズなど配車サービスの普及で業績が悪化するなか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う利用減が追い打ちをかけた。

 今年3月末時点の負債総額は約190億ドル(約2兆円)で、破産手続きの対象は米国とカナダの子会社。ハーツ社は同日に発表した声明で、「新型コロナの影響でレンタカー需要が突然、劇的に減少した。コスト削減を進めたが、収益がいつ回復するのか不透明なため本日の判断に至った」と説明した。債権者との債務再編交渉中もレンタカーの営業は継続する。

 レンタカー業界はウーバーなど配車サービスとの競争が激化しており、ハーツ社は2019年の売上高は97億ドル(約1兆円)、最終(当期)損益は5800万ドルの赤字と、4期連続で最終赤字に陥っていた。同社は約80万台の車両をリース契約で使用しており、新型コロナの感染拡大で出張や旅行が急減した3月以降、資金繰りが急速に悪化。4月には従業員の約25%に相当する1万人を削減する方針を発表していた。

 ハーツ社は1918年に米シカゴで創業し、「Hertz(ハーツ)」ブランドのレンタカー店を空港を中心に展開。94~05年は米自動車大手フォード・モーターの完全子会社だったが、06年の株式上場を経て、現在は米著名投資家のカール・アイカーン氏が筆頭株主となっている。【ワシントン中井正裕】

ハーツが倒産ねえ・・・。記事にもあるように、ウーバー(Uber)ほかの配車サービスに食われた側面も大きいわけで、必ずしも新型コロナウイルスだけの問題でもないですが、レンタカー業界も配車サービスなどとの競争が激化しているわけで、ビジネスモデル根本の問題にもなりそうです。宿泊サービスにも民泊のようなものが進出して既存の宿泊業者との競合が生じています。私はUberは利用したことがないし、民宿やペンションは国内外ともども利用したことはありますが、いわゆる民泊はまだ使っていません。が、私のように年がら年中そこら中をほっつき歩いていれば、やはりいつの日か利用することになるでしょう。いや、もしかしたら私が民泊経営者やUberの運転手になるかもしれないし(苦笑)。冗談じゃなくてその可能性はあります。私がバイクの免許を取ったのも、1つには、将来再就職を必要とするようになったら、郵便配達のような仕事をするのに役立つとおもったからです。民泊を経営したり、Uberの運転手になるのも悪くない。幸い私は、免許証は万年ゴールド免許です。

そんな話はともかく、私は今までに、レンタカーを3回利用しました。最初が自動車免許を取った直後、2回目が友人Nと高知へ行った際(室戸岬へ行きました)、最後が、福山で最悪の誘拐殺人事件の取材をしたときです。そもそもそんなに車を運転するのが好きでないのであまりレンタカーを利用することもないのですが、行く場所によっては、タクシーかレンタカーか配車サービスかという選択を必要とする場合もあります。タクシーのほうが安ければタクシーにしますが、たぶんレンタカーの利用になるのかなと思います。しかし日本で配車サービスがより一般的になれば、配車サービスを使うようになるでしょう。どうなるかは、今後の情勢次第です。

そして交通機関も危ないですね。こちらの記事を。

>エアライン, 官公庁 — 2020年5月19日 16:25 JST
タイ国際航空、破産申請 運航は継続By Yusuke KOHASE共有する:

 タイ国際航空(THA/TG)は現地時間5月19日、同社が申請した破産法に基づく会社更生手続きについて、タイ政府が承認したと発表した。事実上の経営破綻で、今後は中央破産裁判所の管理下で再建を進める。運航は通常通り継続する。

 同社はLCC各社の台頭などにより業績不振が続き、2019年12月期まで3年連続で最終赤字を計上。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響により全便が運休となるなど、コロナが追い打ちをかけた。今後は業務の効率化や改革を進め、コロナ収束後の全便再開を目指す。

 タイ国際航空は1959年8月に設立し、1960年5月1日に運航を開始した。日本就航は同年5月で、バンコク-羽田線を開設。現在は成田と羽田、関西、中部、札幌、仙台、福岡の7空港に乗り入れ、週80往復運航しているが、6月末まで日本路線を含む全便を運休している。

 新型コロナウイルスの影響により、経営破綻する航空会社が相次いでいる。4月21日にはヴァージン・オーストラリア(VOZ/VA)を傘下に持つヴァージン・オーストラリア・ホールディングスが、日本の民事再生手続に当たる「任意管理」に入った。5月10日には、コロンビアのアビアンカ航空(AVA/AV)を傘下に持つアビアンカ・ホールディングスが、日本の民事再生法にあたる米連邦破産法11条の適用をニューヨークの連邦破産裁判所に申請した。

これも記事にもありますように、もともとタイ国際航空はあまり経営がよくなかったのは確かなのですが、それでもフラッグ・キャリアなわけで、航空業界の厳しさにいまさらながら驚かされます。世界的にみても、アリタリア航空も国有化されることになりましたし、すくなくとも一時的ではあっても一部航空会社の(再)国有化は避けられないんじゃないんですかね。日本の鉄道会社だって危ない。個人的な意見では、JR北海道やJR四国なんかは、再国有化かJR東日本やJR西日本との合併あるいは、経営統合をするしかまともに運営はできないんじゃないかと思います。どうなるかわかりませんが。いずれにせよそもそも国鉄の分割民営化なんてのが無理だったわけですが、せめてNTTみたいに東日本と西日本の2つくらいに分割すべきでした。東海道、山陽新幹線は、共同運行すればよかったでしょう。

愚痴が過ぎましたが、ともかくこれからの状況が非常に心配です。この関係は、また記事を書くことになるかと思います。

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コロナウイルス騒動における(現段階)最後の旅行(関西・東海方面の旅)(Day3-3)(8)

2020-05-24 00:00:00 | 旅(国内)

それでは岩船寺を見学します。ここも、また浄瑠璃寺に戻るバスが出発するまでの時間が観光時間です。この寺も行政区画は京都府ですが、実際には奈良の影響が強いとWikipediaにも書かれています。

ここにも三重塔があります。ただ浄瑠璃寺のは国宝ですが、こちらは重要文化財です。

だいぶ色が鮮やかです。なお、浄瑠璃寺では、私がいた時間には外国人観光客が見当たりませんでしたが、ここには中国系と思われる1グループがいました。中国本土でなく、たぶん香港かシンガポール(たぶん後者。話していたのが広東語ぽくなかった)かと思われる人たちでした。

三重塔から眺めます。

普段日々喧噪な生活を送っている私ですが、やはりこういうところに来ると気が落ち着きます。

本堂は、1988年に再建されたものとのこと。

浄瑠璃寺に戻ります。

こちらのバスで戻ります。運転手さんが行きと同じ人なのは予想の範疇として、乗っている人も行きと同じ人でした。医者に行く時間はないだろうし、すぐ終わる用事だったのでしょうが、あるいは薬でも貰いに行ったのか。

浄瑠璃寺に戻り、またバスに乗って近鉄奈良駅近くのバス停に戻ります。

鉄奈良駅のビルにある中華料理屋で昼食を取ります。

フクロウカフェというのはまだ行ったことがありませんが、社会勉強で行ってみようか。ただ動物愛護の観点からはどうかです。

徒歩で駐車場まで戻ります。

お、いい建物があると思ったのですが・・・

閉店とのこと。今の時代、時計だけを商うのもなかなか難しいと思います。

立派な建物には注目してしまいます。

車に乗って、今度は名古屋を目指します。

(つづく)

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コロナウイルス騒動における(現段階)最後の旅行(関西・東海方面の旅)(Day3-2)(7)

2020-05-23 00:00:00 | 旅(国内)

寺の本堂にも猫がいます。

下で

やはり寒そうな雰囲気です。

個人的には、これはいい写真だと思います。

国宝の三重塔です。12世紀末に、京都の一条大宮から移建したとのこと。

三重塔方面から。

べつに狙ったわけじゃないですが、池に映る本堂がいいですね。

鐘もありました。

それではお暇します。車で来なければ何らかの公共交通を利用する必要がある場所なので、タクシーでも乗らない限り観光も時間制限があります。よってあとは、バスの出る時間まで寺の周囲を回ります。

そういうわけで、しばらく猫と遊びます。

この猫は、後ろ足が1本欠損していましたが、私にベターっとくっついてきました。

しっぽが上がっているのは機嫌のいい証拠です。

この2匹も仲が良くてたいへんよろしいことです。

そろそろバスが来ます。ただしまだ奈良駅には帰りません。

京都ですから、日本共産党はこのあたりでも支持者が多いんですかね? まあどうしても都市部のほうが支持者は多いでしょうが。京都というところも、与野党問わず昨今大物政治家を輩出しています。ざっとみても、谷垣禎一伊吹文明前原誠司穀田恵二など。あ、もちろん野中広務も。彼は、南丹市(旧・園部町)出身です。京都ですから、彼も差別ほかでずいぶん苦労をしたはず。

岩船寺行きのバスに乗るのです。徒歩でも行けますが、今日はコミュニティバスを利用します。

バスに乗って無事到着します。

(つづく)

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けっきょく安倍晋三がくだらんことを考えて実行するからこんな愚劣な事態になるのだ

2020-05-22 00:00:00 | 社会時評

なにをいまさらながら「どうもなあ」のですね。

>黒川検事長が辞表提出 首相「批判は受け止めたい」
2020年5月21日 21時17分

 東京高検の黒川弘務検事長(63)が新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言中に産経新聞記者や朝日新聞社員らとマージャンをしていた問題で、森雅子法相は21日、黒川氏が賭けマージャンを認めたとする法務省の調査結果を安倍晋三首相に報告した。また、「不適切な行為」として黒川氏を訓告処分にしたことを明らかにした。黒川氏は21日、安倍首相あてに辞職願を提出。22日の閣議で承認される見通し。森氏は後任について「速やかに決める」としている。

 東京高検検事長は検察のナンバー2で、次期検事総長の有力候補とされる。過去の法解釈を変更してまで定年を延長し、黒川氏を留任させる正当性を主張してきた政府にとって、不祥事による引責辞任は大きな痛手になりそうだ。

 同省の調査結果によると、黒川氏は緊急事態宣言下の5月1日と13日の計2回、報道機関関係者3人とマンションの一室で、金銭をかけたマージャンをした。帰宅の際は費用を負担せずにハイヤーに乗った。ただ、国会などでは、常習性の認定には至らなかったと説明した。

 森氏は「誠に不適切と言うほかない。責任を痛感している」と述べつつ、黒川氏の定年延長については「適切なプロセスだった」と改めて強調した。

 一方、安倍首相もこの日、報道陣から任命責任について問われ、「最終的には内閣として決定しているので、当然責任がある。批判は真摯(しんし)に受け止めたい」と語った。また、今国会での成立を断念した検察庁法改正案については「法案をつくった時とは状況が違うという意見が自民党にもある。しっかり検討していく必要はある」と述べた。一般の国家公務員の定年を延長する改正案などと一本化した「束ね法案」を見直す可能性に言及した形だ。

 政権内には廃案も選択肢として浮上しており、政府高官は「会期末に野党側がどう対応するかだ」と語った。

 政府は1月31日、2月7日に退官予定だった黒川氏の定年を8月7日まで半年間、延長する人事を閣議決定。63歳の定年を規定した検察庁法ではなく、国家公務員法の定年延長規定を適用した。慣例に従えば、今年7月に勇退する稲田伸夫検事総長(63)の後任にする布石だとの見方が広がり、野党は「政権に近い黒川氏を検事総長にするためだ」と批判した。森法相は「重大かつ複雑、困難な捜査公判に対応するため」と説明した。

 政府は3月、当初案にはなかった検察幹部の定年延長規定を盛り込んだ検察庁法改正案を国会に提出。野党は黒川氏の定年延長を「後付けで正当化するものだ」と批判を強め、SNS上でも抗議が広がった。政府は18日、改正案の今国会での成立を断念した。

 東京高検検事長が自身の不祥事で監督上の措置を受けるのは極めて異例。過去には1999年に当時検事総長候補と目された検事長が女性問題で厳重注意を受けた例がある。

記事に出てくる

>過去には1999年に当時検事総長候補と目された検事長が女性問題で厳重注意を受けた例がある。

とあるのはこの件ですね。当該人物(則定衛)のWikipediaより。注釈の番号は削除しました。

1999年月刊誌噂の眞相」5月号が「高検検事長が愛人ホステスを公費出張に同伴し偽名で宿泊、愛人と別れる際には慰謝料をパチンコ業者に肩代わりさせた」という女性スキャンダルをスクープとして報道し朝日新聞が同年4月9日付でこれを引用する形で一面トップ記事としたことから主要新聞、スポーツ紙、週刊誌も大々的にこの問題を報じ、混乱の責任をとらされる形で辞任に追い込まれた。

この2人は法務大臣官房長、法務事務次官、東京高検検事長とだいたい出世コースは一緒です。黒川の方は刑事局局長はやっていないようですが、法務省経由で出世する検事としては、まさにエースというわけです。

それでですよ、上の記事にもあるように、政府側は定年延長について

>重大かつ複雑、困難な捜査公判に対応するため

なーんて言っていましたが、黒川が東京高検検事長でいつづけたおかげで、なんか複雑、困難な捜査公判に対応できた事例ってあるんですかね(苦笑)? 日本の検察というのが、そんないい加減でデタラメなものとは私には信じられないんですが。

いろいろな報道によると、どうも現検事総長が勇退を嫌がったので(これは特に報道されているわけではないので私の想像でしかありませんが、黒川が検事総長になるのを嫌ったんですかね?)、これでは黒川が検事総長になれないので安倍晋三がむりやり検察官の定年延長を図ったというのですが、しかし安倍によると、これは自分でなく法務省からの提案だったそうです。記事を。

>定年延長、無関係強調に疑問の声

2020/5/19 08:13 (JST)5/19 22:10 (JST)updated
©一般社団法人共同通信社

 今国会成立が見送られた検察庁法改正案が批判されるきっかけとなった黒川弘務・東京高検検事長の定年延長について、安倍晋三首相がインターネット番組で「法務省が提案した」と説明した発言が物議を醸している。法務省が沈黙する中、自身は無関係だと強調する姿勢に、元官僚らからは疑問の声が上がる。

 「霞が関の幹部人事は、官邸に握られていることは明白。首相の言っていることは形式論」。検察庁法改正案に反対する前川喜平・元文部科学事務次官は、こう指摘する。

 国民民主党の小沢一郎衆院議員も、黒川氏の人事を巡る首相発言について「総理は何事でも平気でうそをつく」とコメントした。

てめえ! 嘘もいいかげんにしろ!!!

といくら罵倒しても罵倒し足りませんが、そもそも論として安倍は首相なのだから、言い出したのは法務省だ(よって自分には責任はない)なんてことにはならない。どんだけ馬鹿でクズなんだか。

だいたい記事にある「インターネット番組」とは、櫻井よしこが主宰する「言論テレビ」なる極右番組ですが、こんなところでこんなことを話す安倍も狂っているし、そんな嘘を拝聴して垂れ流す櫻井も本当に狂っていますね。櫻井がいちキチガイ右翼、安倍キチガイでしかなく、安倍が現在無役のいち極右政治家なら知ったことじゃありませんが、安倍が現実に首相であってしかもこのように櫻井を利用している現状では、笑ってばかりもいられない。さすがに安倍も、こんな与太を記者会見で話す気にはならないということなのでしょうが、こんな愚劣な嘘を拡散させる櫻井よしこというのも、ほんとの極右政治活動家ですね。いや、たいていの政治活動家は、櫻井ほどのクズじゃないでしょう(苦笑)。

それで、こちらの件はいかがでしょうか。

>河井夫妻100人近くに総額2千万円超を配布か
疑惑について夫妻は詳しい説明をしていない
日テレNEWS24 2020/05/19 17:00

河井克行前法務大臣と妻の案里議員が、去年の参議院選挙前に広島県の地元議員らに現金を配ったとされる疑惑で、現金を配った地元関係者が100人近くにのぼり、総額で2000万円を超えるとみられることが、関係者への取材で新たにわかりました。

河井克行前大臣と案里議員は、去年7月の参院選前に広島県内の複数の地元県議や後援会などに現金を配り、案里議員の当選に向けて買収した疑惑がもたれています。

その後の関係者への取材で、克行議員らが現金を配ったとみられる関係者が100人近くいることが新たにわかりました。現金の総額は2000万円以上にのぼるとみられます。

広島地検は、現金の配布先を示したリストを押収しているとみられ、公職選挙法違反での立件に向けて上級庁などと時期を含めて慎重に検討しているものとみられます。

河井夫妻はこれまで疑惑について詳しい説明をしていません。

この件について私は、前に次のような記事を書きました。

選挙に無理があったことが、この件の遠因ではないかという気がする(河井案里の不祥事)

記事でも書きましたように、そもそも問題となった昨年の参議院選挙での参議院広島県選挙区

での選挙は、2議席確保と称して自民党から現職の溝手顕正氏と河井案里が出馬し、溝手氏が2万5千票下回り落選したわけです。これは、本気で2議席確保をねらったというより溝手氏を落とすことが目的だったと考えられます。拙記事から引用すれば、

>安倍晋三は溝手氏を恨みかつ憎んでいます(笑)。2012年に溝手氏が、安倍を過去の人だと批判したからです。これには私も、「よく言った」と思い(今もそう思います)、つい記事を書いてしまいました。

遅すぎるがよくぞ言ってくれました

その後安倍は、私にとって大変遺憾ながら、「過去の人」から復活しましたが、やっぱり安倍は、溝手氏に対する怒りがすさまじかったのでしょうね。それで、2013年の改選時はさすがにできなかったが、2019年には刺客を送り込んで、溝手氏を落選させたと。どんだけ馬鹿なのよと思いますが、安倍という人物は、そういう人間なのでしょう。

というわけです。それで、溝手氏に勝つために、河井克行は広島県中に銭を配り歩いたわけです、って、こんなんおそらく河井案里も好きで出馬したわけじゃないだろうし、自民党県連も反発したわけです。それで溝手氏が落選したから、おそらく溝手氏サイド、およびさすがに腹に据えかねた県連が積極的に検察に情報を流したのでしょう。これもですよ、安倍が下らないことを考えて実行したからこうなったわけで、安倍でない余人では、さすがに馬鹿らしくてとてもしないでしょうが、安倍はそういうことをするわけです。馬鹿でクズにもほどがあります。

それでたとえば産経新聞にも次のような記事が出るわけです。4月28日付です。

【主張】公選法違反事件 河井夫妻は議員の辞職を - 産経ニュース

このような問題で、安倍ほからの思惑に先んじて産経が意見を主張するとは私には思えないので、たぶん安倍の周囲でも、なんとか辞任させようという声が大きいんでしょうね。ただそうすると河井夫婦からすれば馬鹿を見るにもほどがあるということにはなりますね。もともと安倍が、無理な要求をしなければこんなことにはならなかったわけです。それでまた産経はこんなことを書いています(苦笑)。

> 案里氏の秘書の公判について問われた菅義偉官房長官は「コメントを差し控える」と述べ、克行氏の説明責任を問う声には「政治家個人は、常日頃から自らの行動について説明責任がある」と一般論で答えた。克行氏は、菅氏の側近とされる。

自民党のトップは安倍であるわけで菅に責任転嫁してもしょうがないでしょう。えんえん官房長官をしている側近なのだし、また河井克行の法相就任も、明らかに溝手氏を落選させたことへの褒賞というやつでしょう。安倍のためなら(最近関係が悪いとも言われますが)側近の菅すら斬り捨てようとするのが産経新聞です(笑)。何をいまさらながらろくでもない連中です。

まーったく安倍みたいな馬鹿でクズを首相に復活させて、それで漫然と安倍内閣支持だったり自民党に投票しているからこんな愚劣な事態になるのです。そういう点では、自民党の連中ももちろん、産経とか、花田紀凱百田尚樹、櫻井よしこ、拉致被害者家族といった安倍絶対支持の連中の下の下の下の下の下ぶりというのはほんと最低最悪ですね。民主党への政権交代が評判が悪いとかいろいろあるにしても、森内閣や麻生内閣などの時は、まだそれなりに世論も自民党政権に物を言っていたように思いますがね。はてはてこれからどうなるか、私も観ていきたいと思います。

コメント (6)
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