ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

(元)俳優の宮内淳が亡くなった(『太陽にほえろ!』で若手刑事を演じた俳優たちも、そろそろ亡くなる時期に来たのだろう)

2020-09-07 00:00:00 | 映画

俳優の宮内淳氏が亡くなりました。記事を。

>“ボン刑事”宮内淳さん直腸がんで死去 70歳
[2020年9月6日14時19分]

俳優宮内淳(みやうち・じゅん)さんが8月14日、直腸がんで亡くなっていたことが6日までに分かった。70歳。日本テレビ系「太陽にほえろ!」で俳優デビューし、ボン刑事役で人気だった。すでに近親者のみで葬儀が執り行われたという。

環境問題に取り組む「公益財団法人地球友の会」の代表理事を務めており、公式サイトに「直腸がんとの診断を受け入院加療しておりましたが、去る8月14日、70歳をもって家族に見守られ永眠いたしました」とのお知らせが掲載された。

さらに「静かに送ってほしいとの故人の強い願いに従い葬儀は近親者のみにて8月17日滞りなく相済ませました。皆様方には明るく元気だった故人の姿を胸にそれぞれの思いを祈りとして捧げていただけましたならきっと届くと信じております。日頃から宮内は死ぬということはこの世でのお役目を終えて卒業し次のステージに行けるということでもあるのだからどうか悲しまないでほしいと語っておりました」と記された。

宮内さんは愛媛県生まれで、大学中退後、文学座演劇研究所に入所。日本テレビ系「あさひが丘の大統領」、映画「悪魔が来りて笛を吹く」、大正製薬「リポビタンD」のCMには77~80年に出演した。

もう1つ

 

>勝野洋「青春時代」太陽にほえろ共演宮内さん悼む
[2020年9月6日17時24分]

8月14日に直腸がんのため亡くなったことが分かった俳優宮内淳さん(享年70)について、日本テレビ系「太陽にほえろ!」、大正製薬「リポビタンD」で共演した俳優勝野洋(71)がコメントを発表した。

「いっしょに青春時代を駆け抜けてきた仲です。安らかにお眠りください。ご冥福をお祈り申し上げます」

「太陽に-」で、宮内さんはボン刑事、勝野はテキサス刑事を演じた。2人は「リポビタンD」の初代「ファイト一発!」バージョンのコンビとしても人気だった。

それでは、上の記事にある勝野、宮内のお2人によるCMを。

'79-89 栄養ドリンクCM集 リポビタンD

タイトルで「(元)」と書きましたように、宮内氏は、芸能活動からはすでに身を引いていました。Wikipediaの宮内氏の記事によると、1983年に『あとは寝るだけ』というドラマに出演したのが、最後の芸能活動なんですかね。あるいはその後も何かあったのかもですが、同じくWikipediaを引用すると、

>その後の目立ったメディア出演は、『太陽にほえろ! 1979 DVD-BOX II』(2008年発売)収録特典のアンソロジーメイキングや、BS朝日『極上空間』の石原裕次郎没後25年特別編(2012年6月9日放送)のみとなっている。

とのことで(注釈の番号は削除しました)、テレビドラマ以外の映画、音楽活動なども、80年代はじめで終わったようです。彼は、75年に『太陽にほえろ!』でデビューしているので、つまり彼の本格的な芸能生活は、10年に満たなかったということです。

彼がどういう事情で芸能生活と一線を引いたのかはわかりませんが、やはり自分の考えや理想と現実の芸能生活がそぐわなかったんですかね。売れっ子であっても、それだけではだめな何かがあったのかもしれません。

それで昨年彼は、本を出版しています。

「あの世」が教えてくれた人生の歩き方

私もこの本を読んではいないのですが、昨年だったかと思いますがたまたま氏のWikipediaを読んでこの本の出版を知りました。題名について正直「どうもなあ」と思ったのですが、たぶんですが、彼も自分に残されている時間がそんなに長くないと覚悟してこの本を出したのでしょうね。昨年2月の出版で、1年半前ということですが、たぶん彼なりの遺言のようなものだったのでしょう。

ところで宮内氏も文学座出身だったのですね。『太陽にほえろ!』は、新人刑事役の選出に際して文学座とパイプがありまして、松田優作山下真司渡辺徹又野誠治といった人たちが、文学座出身、あるいは関係していました。渡辺など今日でも文学座所属です。下川辰平も、若手ではもちろんありませんが、文学座に在籍していました(1977年退座)。

あさひが丘の大統領DVD-BOX(9枚組)

彼の出演作で、バリバリの主演だったのが、『あさひが丘の大統領』です。これは、『太陽にほえろ!』降板直後に主演していますので、NTVとしても彼に相当期待していたようですね。ドラマ自体は、その前番組の『ゆうひが丘の総理大臣』の続編的なドラマでして(事実、キャストも大幅に重複しているし、制作も同じユニオン映画です)、主演を任されたのは大したものですが、たぶん本格的な主演ドラマは、これが最初で最後だったのでしょう。1981年に放送された『探偵同盟』では準主役だったようですが(主演は、加山雄三)。私も観ていないので、あるいは実質的な主演は宮内氏だったのかもですが、詳細不明ですのでこのあたりでやめておきます。

ところで上のDVDですが、この記事を書いている時点(9月6日19:00ごろ)では、Amazonに在庫なしの状態ですね。あるいは氏の死を知って、買いが入ったのかもです。

それで思うに、宮内氏、勝野といった人たちが、70歳とか71歳というのも「うーん」ですね。それは、1970年代半ばに青春スターをしていた人たちなのだから、2020年に70歳くらいでも何ら不思議ではないのですが、1989年に40歳で亡くなった松田優作や、30代前半で芸能界を去った宮内氏などは、出ていたドラマや亡くなるときの顔が化石と化しているわけで、やはり感慨深いですね。いろんな映画やドラマで顔を見ることのできる松田はともかく、宮内氏は、おそらくほとんどが『太陽にほえろ!』、わずかに『あさひが丘』に出ていた人で知られているはず。

そう考えると、年齢的にみて、下川、石原裕次郎らはまだしも、そして自殺した沖や又野は、これもしょうがない若死にですが、若手ではないにしても70歳で亡くなった地井武男や、昨年68歳で亡くなった萩原健一といい、ベテラン刑事でなく若手としての役だった刑事たちも、初期の人たちは、そろそろ病気で亡くなってもおかしくない年齢になったのだなと思います。松田、勝野が1949年生まれ、萩原、宮内が1950年生まれで、今の日本人の年齢からすればぜんぜんまだまだですが、ガンで亡くなる人が多くなる年齢に達したのだなと思います。それにしても、正直『太陽にほえろ!』の出演者は、2人も自殺者が出たり、やや若死にの方が目立ちますね。露口茂氏などすでに芸能界完全引退のようですが、ぜひご自愛いただければと思います。

宮内淳氏のご冥福を祈って記事を終えます。なお下の写真は、撮影年月は不詳ですが、宮内氏の近影です。出典は、こちら


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