今年から始めたばかりの古文書の学びですが、これが結構面白いです。
まだ入門の段階だからだとは思うのですが、なんだか推理小説を読んでるときのワクワク感や、大好きな落語を聞いているかのような愉快感があって、誠に楽しい時間です。
初めてなので、最初は「くずし字」に苦労します。たとえば頻出語の「候」ですが、古文の筆書きの世界では頻出語ほどくずし方の種類が多い上、これで「候なの?」というくらい、もうひらがなの「い」みたいな形にまで崩れてきてしまっているんです。
ですから、最初に一目見たときは「なにこれ?全く読めない!読めっこない!」と思います。たとえばこれ
元禄時代の『町触』で、趣味の釣りを禁止するというお触れです。ぱっと見、読める字は三分の一くらいです。でも、くずし字を知っているとこれが次第に読めるようになるんですね~
ボケ始めている私は、何度も後戻りし、確認しながら読むので時間がかかります。でも、その内容が面白くて、読むのが苦になりません。
ちなみにこの文章の大意は『漁師が魚を釣るのはいいが、慰みで魚釣りをしていはいけない。もし破れば捕まえる。」というもので、いわゆる『生類憐れみ』政策の一環なんです。
他に、『蛇遣い生類見世物禁止令』も例文として載っていて、生類憐れみの法って『犬』ばかりと思っていたら蛇、猫、ネズミ、魚まで含んでいたんですね!
おかしいのは、魚釣り禁止を破って釣りをしたお役人二人の逸話。
一人は開き直って、釣りの事実を認めたばかりか、若いときから好きなことで老後に至ってもやめられず、公務の間にかかりきりで楽しんでいること、釣り針は自作だと自慢までしています。
もう一人は釣りなんかしたこと無いと否定。釣ってきた魚を売ったという証拠を見せられても、人に魚をあげるとき釣ったという方が風趣だからそう言っただけと弁明した。
結局二人とも牢屋に入れられましたが、間もなく将軍が代替わりになり生類憐れみ政策が転換、二人の罪も許されたそうです。(その後の二人の処世は明暗を分けたようで。)
そして、この後江戸の釣りブームは更に盛んになったとか・・・へえと思うことばかりで楽しかったです!
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