拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

真逆(こっそり曲当てクイズ第2弾)

2023-01-20 09:44:13 | 音楽

ヴァイオリンの経験があるならチェロはすぐできるでしょう?ところがどっこい。クラリネットだってたった半音の違いなのにB♭管とA管の管の長さの違いは顕著。まして、ヴァイオリンとチェロはオクターブと5度違う。弦を抑える指の移動距離の違いは卵のおやじのピーヨコちゃんとダチョウの歩幅の違いにも等しい。いや、それよりも根本的な違いがある。ヴァイオリンは、低い弦から高い弦への移動が左から右なのに対し、チェロはその逆なのだ。それが一番顕著に出るのが4つの弦を同時に鳴らす重音。ヴァイオリンはまず左の2弦を鳴らしてから右の2弦に移動するが、チェロは右の2弦を鳴らしてから左の2弦に移る。頭の切り替えをしっかり行わないと2つの楽器は弾けない。これって、ドイツ語と英語の関係にも似ている。2つは兄弟言語だから似てるでしょ?と言っても語順が異なる。「Can you german speak?」。この中学生でもしないような間違いの文章は、私が、ドイツ語に浸かりきってるときに、実際にアメリカ人に対して発した言葉である。すなわち、これはドイツ語の語順なのである。

真逆と言えば、昔と今と正反対になったなぁ、と思うことが多い。血圧はその一例である(若い頃は低血圧だったのに最近高血圧になった(さらに直近ではまた低くなった))。そのほか、私のクラリネットのピッチは昔低かったのに(だから、マイスタージンガーのソロを降ろされた)、最近は高い。それから、音楽のリズムのことだが、昔は走って怒られたが、今はもったりして怒られる。

このリズムについては奇っ怪な話がある。カール・ベームの晩年のベト7の第1楽章の序奏部分なのだが、木管楽器だけで長い音符を吹いてるときは速めなのに、弦楽器が16分音符で刻み始めると急にゆっくりになる。その後、また木管楽器の長い音に戻ると速くなり、弦が入ると遅くなる(最晩年の日本での公演で測ってみた。速いときは♩=58。遅いときは♩=50)。つまり、「走る」と「もっさり」が同居しているのである。オケに入った先輩が、「長い音符は短く、短い音符は長く」を金科玉条のように言っていたが、それにしてもこのテンポのゆらぎは顕著であり奇っ怪だ。コンサートマスターが「マエストロ!テンポがちょっと」とか言わないのだろうか?いや、ベーム大先生に言えるはずがない。

ということで、こっそり曲当てクイズ2023年第2弾を出題した(動画)。大ヒント=さすがに第1弾とよく似てるなぁ。それから、今回のブログの記事も大ヒントである。セーターの肘に穴が開いてるのは演出である(ウソ。後から気づいたが、「男を捨ててる」のでそのままアップしたものである)。


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