拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

オリーブ・オイル

2023-01-19 10:14:37 | グルメ

あさイチで、韓国ドラマの登場人物がよく「でー」と言う、と言っていた。そんなことを言ったら、日本人だってしょっちゅう「でー」と言う。調べたら、韓国の「でー」は「はい」の意味だと言う。それに対し、日本語の「でー」は話をつなげたいときに語尾につける、ってことは接続詞なのだろうか。韓国の人は日本のドラマを見てて、話の最後にやたらと「はい」が多いな、と感じてるのだろうか。ロシアの人は、アントニオ猪木の「だー」を聞いて、「はいー」だと思っていたのだろうか。

さて。先日、ウォーキングの際、いつもと違う道を歩いてたら、え?こんなところにあるんだ!と思うような場所に個人経営っぽいスーパーがあった。歩いてみるものである。ほうれん草が99円だったので購入。マイバッグを持参してなかったが、レジ袋を買うまでもない。手にぶら下げて歩けばよいのである。

すると、その数日後、近所のスーパーでもほうれん草を99円で売っていた。「お一家族二束まで」と書いてあったので、買い物かごに二束入れた。「お一人様」ではなく「お一家族」だったのは、量があまりなかったので早々に売り切れになるのを防ぐためだったのか?だが、このやり方は、下手をすると、憲法14条の平等原則に反するというクレーム客を呼ぶ可能性がある。すなわち、私のような独り者なら1人で二束だが、4人家族だと4人で二束。1人当たりの買える量が、前者だと二束なのに対し、後者だと1/2束になる。ほうれん草一束の価値に4倍の開きが生じてしまうからだ。これが選挙権なら明らかな憲法違反だが、民間スーパーで売るほうれん草の数であれば直接的には憲法問題にはならない。憲法は、直接的には国家と個人の関係を律する規範であるからだ。ってことは、かりに国営のスーパーがあって、そこでこうした売り方をしたら、それは憲法問題になりうる、ということである。

ところが、この「お一家族二束まで」問題は、これで終わらなかった。レジの人が「二束目からは値段が上がりますが宜しいですか」と聞く。え?そんなの聞いてない。もしかして、売場にちっさい文字で書いてあった?いずれにせよ、この日ほうれん草を買うのは99円だからである。じゃなければ買わない。すぐさま「じゃあ、一束でいいです」と言ってことなきを得た。だが、日本文化は恥の文化である(そうなの?)。多分、少なからぬ人が、見栄を張って「いいです」は「いいです」でも「二束のままでいいです」と言うのだろう(亡き父などは、絶対そのクチである)。もしかして、スーパーはそこを狙っているのかもしれない。私のような「恥知らず」には通じない策略ではある。

いずれにせよ、99円のほうれん草に飛びつくのは、子供の頃見たポパイのアニメ(アメリカ製)の影響である。ポパイは、危機に瀕した際、缶詰のほうれん草を食して元気百倍となった。小学校の調理実習で私が人生で最初に作った料理もほうれん草炒めである(緑黄色野菜は煮ると栄養分が逃げてしまう。油で炒めるのが最善である、と聞いて以後半世紀に渡りそれを実践している)。因みに、ポパイの彼女は、「姓はオイル、名はオリーブ」、すなわち、オリーブ・オイルである。現在の私のささやかな贅沢は、油炒めに常にオリーブオイルを使うことである(もう1つはヒートテックの下着を着ることである)。


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