拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

万太郎VSゴジラ

2023-11-09 14:07:04 | 日記

ゴジラの新作を見てきた(ゴジラとスターウォーズは、新作が出ると必ず映画館で見るようにしている。以下、ネタバレあり)。万太郎(を前回の朝ドラで演じた神木隆之介。以下「万太郎」)が出ること以外は、事前の情報が皆無(万太郎が出てることは、直前に見た徹子の部屋で知った)。

そしたらびっくり!朝ドラで万太郎の妻を演じた浜辺美波さんも出てるじゃない!しかも、万太郎と同棲する役で!オンエアは朝ドラが先だったけど、企画はゴジラの方が先、と映画の関係者は強調してるらしい(どっちが先でもいいと思うけど)。

感想を一つだけ言え、と言われたら、ゴジラが超怖かった。歴代で一番怖いかも。でも、ゴジラも動物には違いないからね、正面から見た顔がときどきうちのワサビ(猫)に見えました。

監督は、「オールディーズ、三丁目の夕陽」を撮った人だって。道理で。「三丁目……」の第2作の冒頭で、夢のシーンだかなんだかで、昭和の街をゴジラが暴れ回ったでしょ?あのゴジラはとっても怖かった。これがそのまま本編になればいい、と思った。本編になったのが今作というわけね。

ゴジラって、基本的には死なないのよね。例外的に死んじゃったのを並べると……

第1作。「オキシジェン・デストロイヤー」という科学兵器で。でも、後に英語が多少分かるようになると、「オキシジェン・デストロイヤー」って「酸素の破壊」でしょ?なら窒息死すると思うんだけど、ゴジラはあっという間に骨になったのよ。不思議だな、と思った。とにかく骨になっちゃったんだから、第2作以降は「二代目」って言われてる。この二代目が丈夫で長持ちで死なない。エンディングで海に落ちて行方不明になるパターンが多かったと思う(他には、氷に閉じ込められるとか(第2作)、大島の三原山の火口に落ちるとか(第2シリーズの第1作))。

それから第2シリーズの最終作。ゴジラの体内のエネルギーが臨界点を超えて溶けちゃうのよね。溶けるシーン、映像がきれいだった。で、もやが落ち着くと、そこには溶けたはずのゴジラが。いえ、それはジュニアと呼ばれた子ゴジラだった。溶けたゴジラのエネルギーを吸収してあっという間に大きくなったんだった。ゴジラの「代替わり」でした。

それからミレニアム・シリーズの第3作。宇崎竜童が操縦する深海艇がゴジラの身体の中に入って中から穴を開けるの。すると、ゴジラが吐こうとした熱線がクチから出ないで深海艇が開けた穴から出ちゃって、それでゴジラは爆発するの。「中から破壊」ということで今回のに通じる。でもね、エンディングは海底でゴジラの心臓が拍動するシーン。再生を匂わす点も、今回に通じるわね。

それからミレニアム・シリーズの第5作。モスラの幼虫が吐く糸で覆われて身動きができなくなり(この点は、「モスラ対ゴジラ」と同じ)、メカゴジラによって海底深く沈められちゃう。ところが、エンディングで密かにゴジラのDNAを保管する研究室が映る。やっぱり将来の再生を匂わせてる。ゴジラは死んじゃいけないのよ。前作の「シン・ゴジラ」のゴジラも凍っちゃっただけで死んではいなわよね。今回の最新作はあの続きかと思ったらそうじゃない。別の世界観でした。

因みに、ゴジラの第1作が世に出た当時は、ティラノサウルスなどの恐竜は、直立の二足歩行と考えられていた。だから、ゴジラも直立で二足歩行なのよね。その後、恐竜学の世界では、恐竜は鳥みたいに「身体を横にして歩いてた(走ってた)」に変わったんでした。だから、ゴジラの出現が遅れてたら、ゴジラもダチョウみたいに走ってたかもしれない。そんなゴジラは見たくない。ゴジラは直立で、ゆっくり、のっしのっしとあるところに威厳があるの。実際、ハリウッドが作った最初のゴジラは現在の恐竜学を反映した形でかっこ悪かった。あれじゃティラノサウルスと大して変わらない、ゴジラ史からはずすべきって思った。おまけに火は吐かないし、魚が主食だし。そうそう、この偽ゴジラは卵を山ほど産んでそれがふ化して出てきた幼ゴジラの大群が人間を喰おうとするの。前記の日本版の子ゴジラが生まれてすぐ人間になついたのとは大違い。まあね、どっちがリアルか?って聞かれたら人間を襲う方でしょうけど、そんな風に腹ぺこでは威厳が感じられない。ゴジラの跡取りにはなれないわね。