暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

五葉会(七事式の勉強会)のお仲間を募集しています

2016年05月13日 | 暁庵の裏千家茶道教室


五葉会(七事式の勉強会)」のお仲間を募集しています
                
昨年5月から発足した「五葉会」で、毎月1回七事式の勉強をしておりますが、
この度欠員が出ましたので、ご一緒にお稽古する方(出来ましたら経験者)を1名さま募集させて頂きます。

自分で言うのも変ですが、素敵なメンバーに恵まれ、毎回楽しく有意義にお稽古しています。
ご興味がありましたら先ずはメールにて暁庵までお問い合わせくださいませ。

メールアドレス:akatuki-ane@grace.ocn.ne.jp
                
会の名称:五葉会(ごようかい)
    (「一華開五葉」から命名しました)
募集人数: 1名様

日時:毎月1回、第2または第3金曜日 (次回は6月17日(金)、その次は7月8日、8月休会)
   10時 ~15時(お昼持参)
場所:暁庵宅 (横浜市旭区今宿、 相鉄線二俣川駅下車)

内容:七事式の研鑽(1回3科目で、年間カリキュラムを決めています)
    ○ 6月17日の科目予定は、炭付花月・花寄之式・貴人清次濃茶付花月です
会費:毎月1回3千円
   
期間:6月より翌年4月まで(1年ごとの更新:1年後に継続するかどうかを確認いたします)
その他:募集終了についてはこの欄の追伸にてお知らせいたします。



                             
素敵なご縁がありますように五葉会一同お待ちしています・・・ 

追伸)
  先ほど五葉会参加の申し込みを頂き、その方に決定いたしました。
  ご検討中の皆様には大変申し訳ございません・・・。(5月14日19時記)


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湿し灰作りとバーベキューの集い

2016年05月12日 | 暮らし

         緑豊かなベランダ・・・こんな感じに「アケビ」がびっしり 
         (写真がないので、写真は季節の花300の提供です) 

やっと炉を塞いだばかりですが、
「5月7日に湿し灰を作るのでいらっしゃいませんか?
 もちろん見学だけで良く、おにぎりとバーベキューを食べに来ませんか・・・」
と東京のOさんから嬉しいお誘いがありました。

5泊6日の大旅行を遂行できたものの、腰椎すべり症眩暈が治ったわけではなく、
一人で東京へ出かけるのに少々不安がありました。
「朝のドタキャンあり・・・でよかったら、伺いたいと思います」とメールしました。

Oさん宅へ着いたのは11時前、
ガレージにはいくつものバケツが置かれ、炉灰が水に浸かっています。
これらの炉灰は1週間かけてOさんが何度も水を替えてデカント済みのもので、
最終洗い(細かなヘドロ状の上層部を取り除く)の行程でした。
最終洗いした灰は2階のベランダで布上にあけられ、水を絞ってから天日と風で乾かします。
全部で3枚の大きな布に炉灰がひろげられました。

暁庵は洗った後の炉灰へ煮だした番茶(古い抹茶など何でも)を入れて色付けするのですが、こちらでは一切添加しないそうです。
人によって、いろいろなやり方や信念があって、リーダーM氏のお話は奥が深く、面白かったです。
「色付けしなくても十分好い色の湿し灰ができるし、何より変な匂い(有機物が発する)がない」とのこと。


ベランダの「定家カズラ」が花盛りでした

炉灰が渇く間にバーベキューで腹ごしらえという段取り。
2階にある6畳ほどのベランダは緑(アケビ、定家かずら)に囲まれて、とても東京の真ん中と思えぬ佇まいです。
床に炉灰用の布が拡げられ、コンロが2つ、小さなテーブル、大小の椅子が5、6脚置かれ、
7人ほどがひしめいています。
この狭さが初めて逢った人でもぐっと近づけて、すぐに親しくなれるから不思議・・・。

コンロの火が熾きると、牛肉や豚肉の焼ける匂いが漂い、いやでも食欲をそそります。
Oさんが用意してくださったおにぎり、野菜の葉やステック、きんぴら、蒟蒻の胡麻和えが並べられ、
ワイワイ、ぱくぱく、ワイワイ・・・みんなで食べると笑顔が溢れ、元気が倍増し、お話がさらに佳境へ入っていきます。

Oさんのご近所に住む共通の茶友Iさん、勝手ながらピンポンして呼び出し、集いに加わってもらいました。
Iさんは傍にいらっしゃるだけで、ほんわかと温かな空気が流れ、心地良くなる方ですが、
Iさんもいろいろな刺激を受けて、楽しく新鮮な一日だったそうです(ヨカッタ!)。


「双葉アオイ」・・・もうじき葵祭りですね

さて、湿し灰づくりの方は・・・・適度に乾いてから手揉みし、篩でふるい、専用バケツに保存します。
書くと簡単そうですが、実際は時間と労力がかかる、大変な作業です。
暁庵は本当に見学とおしゃべりだけで、何のお役にも立てなかったのですが、
「一人でやっていると滅入ってくるので、傍でおしゃべりしてくれる人が必要なんです」
というリーダーM氏の優しい言葉が嬉しく、救われた思いでした。

私にとって恐る恐るの東京行きでしたが、少し自信が付いたかな?
Oさん、お声掛け頂き、ありがとうございました! 御馳走さま!
                                     



炉から風炉へ

2016年05月10日 | 暁庵の裏千家茶道教室



大好きな初風炉の季節になりました・・・。

5月4日の稽古、6日の奥の細道会と予定が入っており、あわてています。
炉から風炉への切り替えはささっと早めにするように・・・とお習いしていますが、
4月30日の稽古まで炉の炭手前をしてほしくって、切り替えが遅くなりました。



その日はスエーデンから来日中のOさんが初炭手前と茶碗荘に挑戦、
Kさんは更好棚で薄茶と濃茶点前、お二人に炉の最後を飾ってもらいました。
これで心置きなく、明日・5月1日から風炉の稽古に入れます。

                 
風炉といえば、風炉灰と灰形が大きな課題です。
唐銅道安と眉風炉に入れる灰を篩わねばならないのですが、腰の負担を考えるとビビります。
GWで顔を出した次男を捕まえて、灰を篩うのを手伝ってもらいました。
1分~2分、電子レンジで風炉灰の水分(湿気)を飛ばしてから(暁庵はこの係)篩ってもらいました。
・・・すると、風炉約3個分の灰が1時間で完了。
「灰を篩うのって、結構腰に来るんだね」と次男。
「そうなの。お蔭で助かったわ・・・」もう感謝!でした。



5月4日、朝方は台風のようでしたが、雨も上がり、暑いくらいの天気になりました。
床にお軸を掛け、初花の菖蒲を小代焼花入に生けて、FさんとOさんを迎えます。

初風炉でもあり、久しぶりにFさんに利休百首を選んで頂くと、
「志深き人にはいくたびも あわれみ深くおくぞ教ふる」

・・・今日の初風炉にぴったりの歌で、FさんからOさんへの応援歌のようにも思えます。
志深き人、縁あって暁庵の門を敲いてくださった方には熱き心で教えているつもりですが、
それは暁庵自身がお習いした先生にそのようにして頂いたからなのです。
いくたびもお教えくださった先生の深い御心に感謝しつつ、今、志深き人たちに教える幸せを感じています。



床のお軸は、
「遠山無限碧層々」(えんざんむげんへきそうそう)

初風炉の時期にぜひ掛けたい・・・と思いました。
無限の彼方へ連なる碧の山々・・・それは登っても登っても到達できない、無限の彼方にある茶道の高みを指しているようにも思えます。

雄大さと力強さを感じる御筆は、黄梅院・小林太玄和尚です。


 「かきつばた」(寿々木製)

風炉は唐銅道安、灰形は二文字押切。
最初の灰形は気に入らず、2回やり直すと、形はよくなりましたが火床が狭いかな?
腰のことを考えると毎日1回だけ灰形をする方が良さそうです。
半年ぶりなので、稽古の2時間前から火を入れて、風炉と灰を温めておきますが、それでも濃茶でカッと煮えがつくのはなかなかでした。

Fさん、Oさんに初炭手前、薄茶平点前、濃茶平点前の稽古をつけて、やっと風炉へ切り替え完了。
・・・と言いたいところですが、風炉用の灰匙を探索中です。
                            


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修学院離宮とステーキ・しま田

2016年05月09日 | 

一番高い「隣雲亭」からの風景

喜寿の茶事
へお招きされた帰りに足を伸ばし、神戸姫路龍野京都へ。
20日からツレも京都へやって来て合流、そちらはそちらで旧交を温めたようです。
名所旧跡めぐりも好いのですが、友人に再会する喜びは格別のものがあります。

京都で初めてのお友達TYさんの仕事場に寄ったり(押しかけた?)、朝ばったりお会いした南方流のMさん
そして大学時代の友人K氏と真理子夫人に再会できました。

最終日は修学院離宮へ、K氏夫妻、Fさん、ツレと私の5人で出かけました。
京都には桂離宮、御所、仙洞御所など、見学できる宮内庁管理の宮殿・庭園がありますが、
修学院離宮は、鄙びた田園風景、雄大な景色、スケール感のある構成や作庭の工夫が素晴らしく、何度でも行きたくなります。
それに、四季や天候によって印象ががらりと変わります。
京都滞在中、「雪の修学院」に憧れて、天気予報を睨みながら9時開門の第1回に申し込み、
趣深い「雪の修学院」に出逢えたことがありました・・・(お勧めです)。

     
                     修学院離宮の雪景色(2014年2月撮影)

新緑の時季は初めて、
比叡山に連なる背後の山には山桜でしょうか、所々ピンクに染まっています。

修学院離宮には三つの離宮(下・中・上)があり、松並木のある車道で繋がっています。
枝ぶりの佳い松並木の両側にはのどかな田園風景が広がっていて、ホッとする道でもあります。

御幸門をくぐり、下離宮の寿月観を経て、中離宮の客殿と楽只軒へ。
ここは後水尾上皇の第八皇女光子内親王のために建てられた山荘で、
東福門院(後水尾上皇の皇后、将軍徳川秀忠の娘和子)の女院御所を一部移築しています。
そのため、霞がたなびいているような「霞棚」、戸袋の更紗、地袋の友禅染、引手や釘隠しの意匠など、
女院御所らしい優雅な造りで、見学できるのが楽しみです。


   中離宮の宮殿の床「霞棚」

上離宮へ登る急な石段は、周囲が見えないように工夫があり、上り詰めたところに「隣雲亭」があります。
汗をぬぐいながら「隣雲亭」に腰かけ、眼下の浴龍池を眺め、西山の山並みと対峙しながら、
身体を吹き抜けていく風を感じる一瞬。
このためだけでも来てヨカッタ!登ってヨカッタ!

もう一つ、浴龍池の中島にある茶室「窮邃亭(きゅうすいてい)」の簡素な建物がお気に入りかな?
一枚板の御肘寄に持たれながら、西山に沈む夕日を眺めながら和歌でも興じたのでしょうか。
どのような風雅な使い方がされたのか、大いに興味が湧いてきます。


   新緑の浴龍池

約80分の見学を終えて出発地点に戻ってくると、はや正午近くです。
13時に右京区のK氏宅近くの「しま田」というステーキな店を予約しています。
「しま田」は古い町家で、ステーキを焼く鉄板のあるコーナーは5人でいっぱい(他に部屋はあるそうですが・・)。
でも、その狭く風流な(?)コーナーがとても居心地よく、目の前で焼いてくださる牛肉や野菜のなんと!美味しくリーゾナブルなことか。
京都に居る時からお気に入りの店で、よくK氏夫妻に頼んで連れて行ってもらいました。
その日も5人でステーキのランチコースをがっつり食べました。

デザートは、K氏邸にて真理子夫人手づくりのスィーツが待っていました(いつも御馳走さま!)。
こんなに美味しいものばかり頂くと、また京都へ舞い戻りたくなってしまいます。
そんな思いを振り払うように、夕方の新幹線で無事横浜へ帰ってきました。
                            「ただ今!」    

弘法市と弘法茶会

2016年05月07日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)

  「風吹南岸柳」(風は南岸の柳に吹く)
                     
龍野から上洛し、4月21日に弘法さんと茶友Yさん主催の弘法茶会へ繰り出しました。
毎月21日は東寺の縁日で境内に市がたち、京都では親しみを込めて弘法さんと呼んでいます。

この日はあいにくの雨模様、出店も人の数も少なかったのですが、
傘をさしながらあっちの店こっちの店を覗き、3点ほどお買い上げしました。
弘法さんを楽しみにしていたFさんも数点ゲットしたようです。
播磨の茶会で刺激を受けたので、二人ともお茶関係に使えるものばかり気になります。
本当は見立てや掘り出し物をじっくり探したいのですが、雨が降り止まず、そうそうに御影堂へお詣りしました。
こちらで参詣人が唱える般若心経を聞きながら、心静かな時を過ごすのが好きです。


 大クスノキの御神木・・・京都・今熊野神社

東寺西門から近い、Yさん宅の弘法茶会へ出かけました。
念願だった弘法茶会へ参加できて、嬉しく玄関を開けました。
お客さまは5名、お一人が顔見知りのMさん、Dさん、Tさん、暁庵とFさんでした。
Yさんが白湯を運んで来られ、
「暁庵さんにお正客をお願いしたいと思います」
茶友のご指名には逆らえず、喜んでお引き受けしました。

待合のお軸は、立ち雛と俳句の画賛、表装し直してから初めて拝見しましたが、
このお軸と再会できて嬉しいです。
もう一つ、茶室(四畳半)の床のお軸も以前お招きされた茶事を思い出し、懐かしかったです。

「風吹南岸柳」(風は南岸の柳に吹く)
建仁寺・益州和尚の筆です。この禅語は対句になっていて、
「風吹南岸柳  雨打北地蓮」
(風は南岸の柳を吹き  雨は北地の蓮を打つ)

「京都ではまさに風吹南岸柳の風情で、穏やかな日々ですが、
 雨打北地蓮では地震に見舞われている熊本の方々の難儀を思わずにはいられません。
 地震はいつどこで起こるかもわかりませんので、弘法茶会を行える幸せを噛みしめています・・・」
というようなYさんのお話を伺い、一同頷きながら熊本の方々への思いを馳せました。

禅語の意は深く、揚子江の南と北の様子を現した語句ですが、
この禅語は差別や違いを表現しているようで、そうではなく、
実は平等をあらわしていて、不変の真理が込められているとか。


  クレマチスが咲きだしました

床柱に、花3種(オダマキ、尽抜忍冬・・・)が信楽の掛け花入に入れられています。

ご挨拶のあと、後炭から始まりました。
桜川の透木釜が上げられると、炭が佳い風情に流れています。
手早く炭が寄せられ、匙香(加寿美、松栄堂)、湿し灰が撒かれ、炭が置かれました。
透木の扱い、ヤカンが運ばれ、濡れ茶巾で浄められる一瞬・・・久しぶりに後炭を堪能しました。

ここで昼食、大徳寺縁高に手づくりの料理が品よく、形よく盛られています。
播磨のKさんに頂いたという筍が木の芽和え、煮物、炊き込みご飯に使われ、再度口福を噛みしめました。

いったん中立となり、気持ちを新たに席入すると、庭に面した窓が開けられて苔の緑が目に入ります。
前席と変わり、初風炉を思わせる清々しい気を感じながら席入りしました。
溜塗の誰袖棚にどっしりした染付の水指が置かれ、そして金輪寺の薄器です。
取り合わせがしっくりと美しく、心にいつまでも残りました。
薄茶を二服ずつ、お茶碗を変えて点てて頂きました。
みんなでいろいろな話を交わしながら、心満たされる弘法茶会のひと時です。

Yさん、さらさらと素敵なおもてなしをして頂き、ありがとうございました!
一人亭主でいろいろ大変でしょうが、心から弘法茶会へ応援のエールを送ります。
また必ず伺えますように・・・・