暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

骨董鑑賞が楽しみに・・・

2016年05月17日 | 暁庵の裏千家茶道教室


「薫風自南来」  一休禅師書
  (体の中を薫風が吹き抜けていきます・・・
   身が引き締まる大好きなお軸。本歌はMOA美術館


今日(5月11日)はN氏の稽古日で、とても楽しみにしていました。
・・・それは、毎回秘蔵の骨董品を一つ持って来てくださるから。
いえいえ、稽古も楽しみなんですよ。
でも、身近で骨董を鑑賞できるお勉強の機会が確実に増えました(アリガトウ)。

前回(4月28日)は、茶箱一式をFさん、ツレと3人で拝見しました。
大胆な意匠の草花模様が函外側にあり、螺鈿の花、銀(鉛?)の部分は時代で黒く、
京都の黎明教会資料研修館で見た、光悦を思わせる優雅な茶箱です。

開けると、お宝が次々と・・・(メモがないので思い出すままに)。
茶碗と茶入は素敵な仕覆を身に着けて、入れ子になっています。
茶入は根来塗の薬器(?)でしょうか、古色溢れる塗に惹きつけられ、根来大好きな暁庵には垂涎ものでした。
蓋裏に花押があり、宗旦四天王の一人、山田宗偏の花押とか。
花押だけでもいろいろな物語があれこれ想像できますね・・・。

茶碗は高麗・狂言袴の筒茶碗、侘びた味わいが深遠へ誘うような趣きがあり、茶入とぴったりお似合いです。
仕覆は古裂、茶入は緑地に金箔の押し文様が美しい金襴(だと思う)、
茶碗は粋な縞模様でカピタン裂のようでもあります。

薄器は古染付(明時代)、茶巾筒も染付、茶筅筒は紫檀の透かし彫、茶杓は象牙の笹葉かしら?
いずれも網袋や仕覆が着せられて、大事にされていたのがわかります。

でも、使われていなかったらしく、久々に陽の目を見て、お道具たちも思いっきり深呼吸しているようでした。
ギャラリー3人は美術館のガラスの向こうにあるような、茶箱一式を拝見出来て大感激でしたが、N氏も嬉しかったようで、皆、幸せな時間でした。

その日は炉の稽古日(最終回)だったので、
Fさんは真之炭手前と台子薄茶点前、N氏は貴人点薄茶と貴人点濃茶点前の稽古、
炉としばしの別れです。

                              
5月11日にN氏が来庵しました。
風炉の初日は、全員が薄茶平点前と濃茶平点前から始めます。
この日はN氏だけ、細かな所作を直したり、科目内容の希望もじっくり伺えるので、とても貴重な日です。
毎回、颯爽と着物でいらっしゃるので、暁庵もがんばって着物で応対しています。  

さて、この日のお宝は古染(古染付)の香合。
少し大ぶりの扇子型で、正月の床に映えそうですし、茶事で盆香合に使うのもインパクトがあります。
扇面に洞庭湖を思わせる山水の景が広がり、水をテーマの茶会にも・・・つい、あれこれ妄想が。
素晴らしい御道具をお持ちなので、それらを生かした茶会や茶事をしてほしい・・・とお伝えしてあります。
あまりプレッシャーをかけてもいけないので、気長に楽しみに待つ事にいたしましょう。

実はそのあと、しばらく「古染病」になりまして、まだ後遺症が・・・。
もともと「古染」はお好みでしたが、気になって・・・おります


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