暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

朝の茶会と池川ギャラリー

2016年05月03日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)


4月20日、たつの市の梅玉旅館で目覚めました。
この日は朝の茶会へお招きされていて、Kさんの車でNさん宅へ向かいました。

こちらは2回目の訪問ですが、先ずは築300年以上経つ母屋へ案内されました。
Nさん夫婦は古い母屋を愛情をそそいで、素晴らしい茶空間に改装されています。
見上げると太い黒々とした梁が張りめぐる玄関の間、ご主人が生けられたという掛け花が出迎えてくれました。

玄関の間の隣りは土間だったのでしょうか、広い板の間は立礼席と囲炉裏コーナーがあります。
そして、仕舞わず飾ったままにしてくださったお雛さま、
部屋ごとに時代の違うお雛さまがいらっしゃって、N家の女性史を語っているようでした。
贅沢なことに、この素晴らしい古民家はNさんのお茶のためだけに使われているのです・・・

    
「喫茶去」のお軸とお雛様(待合にて)


                                        
待合の広間で煙草盆を拝見し、白湯で喉を潤し、外の腰掛待合へ。
Nさんの迎え付けで、蹲を使い、Fさん、暁庵、Kさんの順で席入りしました。
茶室は四畳半と水屋、半畳の床、にじり口、道庫や突き上げ窓のある本格的な茶室ですが、
ご主人が茶室の勉強をされ、設計・施工管理をなさったそうです。

Nさんは表千家流、しとやかなお点前で薄茶を二服ずつ点ててくださいました。
Nさんも池川みどりさんを中心とした山賊茶会のメンバーなので、
みどりさんの作品が随所に使われていて、こちらも目を楽しませてくれます。
特筆はどっしりした豪快な水指、茶室を引き締める存在感、この水指以外は使えないの・・・という言葉に納得です。

暁庵とFさんのためにさりげなくステキな朝会を催してくださって、Nさん、ありがとうございました!
播磨では、KさんとNさんの茶会、池川ギャラリーの3つが私の中でセットになっています。
朝会の後、Kさん手製のピザの昼食を御馳走になって、池川ギャラリーへ向かいました。


    かわいらしい豆雛

池川ギャラリーの庭の新緑と苔が一番美しい時季だったようです。
一歩中へ入った途端、いえ、その前から2年前の葎菴の茶事揖保川焼展を思い出し、懐かしさが溢れます。
2階のギャラリーへ行く前に、葎菴、立礼席のある別棟、母屋を回りました。


   池川ギャラリーへ


                                       
すると、それらの部屋にも個展中の作家さんの作品が展示されているではありませんか。
以前と違う雰囲気に戸惑いながら2階へ上がって行くと、池川みどりさんが笑顔で出迎えてくれて
「お元気そうでほっとしました・・・」
(Kさんからいろいろ聞いて心配してくださったみたい・・・)
私もみどりさんの変わらぬ様子に安堵し、お互い元気に再会できて嬉しい!です。


  藁ぶき屋根の葎菴(むぐらあん)

個展の主は、大澤睦さん。姫路出身、現在は東京・世田谷区在住の女性作家さんです。
大澤さんの絵画や版画は、南国を思わせる、明るい色調で植物や人物が描かれ、温かく元気が出てくる絵だと思いました。
ただ、和風の我が家には合わず、先ほどから気になっていた鳥の置物(粘土製?)を買いました。

「もしできたら、ここを2つに割って香合に使いたい・・・」とFさん。
そのように作って送ってくださるとのことで、嬉しいです。
お茶をしていると、何でも茶席で使えないかしら?・・・と考えてしまいます。
早速二人で注文し、楽しみに大澤睦作「鳥香合」を待っているところです。



ギャラリーで珈琲を注文しました。
昨夜の珈琲点前を思い出しながら頂いたのですが、こちらも美味しい珈琲でした。

・・・やっぱり、また播磨へ来たいナ! また来れますように・・・