暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

夕去りのたけのこ茶会・・・播磨にて

2016年05月01日 | 茶事・茶会(2015年~他会記録)

       龍野城へ

   
    龍野城内の展示                   女性用の鎧

4月19日、神戸から姫路へ、姫路で社中のFさんと待ち合わせ姫新線に乗りました。
本竜野駅で降り、その日は片しぼ竹の宿・梅玉旅館に宿泊です。
何度も来ているのに播磨の小京都・龍野を見物する時間がなく、今回は旅館に荷物を置いてすぐに散策へ飛び出しました。
主なルートは、龍野城~龍野歴史文化資料館~三木露風生家~うすくち龍野醤油資料館~武家屋敷資料館でした。


   うすくち龍野醤油資料館


   古い商家が並ぶ龍野の町並み  

Kさんの「夕去りの茶会」があるので、宿へ戻り、着物に着替えてまた姫新線に乗りました。
懐かしいKさん宅、5回目(?)の訪問でしょうか。
前回の時、これが最後・・・と思ったのですが、また来てしまいました。
Fさんに正客をお願いし、暁庵は次客、詰は京都からいらしたYさんです。

腰掛待合は是非外腰掛で・・・とリクエストしました。
広い庭に面して石のテーブルが置かれ、正客Fさんは籐の椅子、次客と詰は石のベンチです(この石のテーブルとベンチが大のお気に入りなのです)。
まだ明るい庭は新緑の樹木が美しく、鳥のさえずりが聞こえ、山深い山荘の佇まいです。
庭の手入れや掃除が行き届いているのに感心したり
「腰痛持ちなのに無理をしたのでは・・・」と、つい心配してしまいます。


 山荘の佇まいのエントランス

まもなくKさんが出て来られ、蹲で身を清め、迎付けです。
これからの茶会の展開に心躍らせながら、無言の挨拶を交わしました。
にじり口からうす暗い茶室へ入ると、床の間に燭台が置かれ、蝋燭の灯りでお軸を拝見しました。

炉には釜が掛けられています。
席入りし一人ずつ挨拶を交わした後、手作りの夕食を頂きました。
気張らない食材で、心を込めて作られる家庭料理を毎回楽しみにしています。
Kさんの住むこの地方は筍の名産地、しかもこちらの筍にはシュウ酸がほとんど含まれないため「えぐみ」が無いそうです。
木の芽和え、煮物、筍ナゲット、炊き込みご飯、味噌汁、漬物・・・・
筍尽くしの献立で、柔らかく甘みのある旬の筍料理を堪能しました。ごちそうさま!

  
門外不出の「片しぼ竹」・・・梅玉旅館(脇坂藩筆頭家老屋敷跡)にて                     

ここで中立、先ほどの石造りの腰掛待合へ。
すっかり夜の帳が降りて、こちらも鉄の燭台に蝋燭が・・・。
夕風で消えてしまった蝋燭にマッチで火をつけ、清々しい春宵の一時・・・。

後座の席入りをすると、床には画が掛けられ、花が生けられています。
画は具象のような抽象のような、「太古・・・」というような題の、不思議な絵です。
花は椿と枝もの、花入は一目で揖保川焼、池川みどり作とわかりました。
みどりさん独特のビードロのような色合いの釉薬が味わい深い、長方形の花入。
花と花入がお互いを挽き立てあって、いいですねぇ~。

厳粛な雰囲気の中、お点前が始まりました。
Kさんは冬でも夏でも炉の流し点てに徹しています。
「先生に上のお点前はいらないからと言って、平点前と流し点てだけ教えて頂いたの」とKさん。
裏千家流だそうですが、お話を伺うたびになかなかご立派な先生だと感心しています。

垂涎の揖保川焼の水指、茶碗で薄茶を二服ずつ美味しく頂戴しました。
Kさんは見立てや掘り出し物の名人で、竹製らしい薄器と茶杓銘(友人作)が茶会にぴったり。
薄茶が終わり、まだ帰りたくない・・・と思っていたら、珈琲点前で珈琲を淹れてくださいました。
初めて見る珈琲点前に目を丸くし、濃度、香り、味、釜の湯加減が程よく、至福の珈琲タイムでした。
柄杓できっちり計量するお点前にも魅せられましたが、掘り出し物の珈琲カップ一揃えがお持ち帰りしたいほどステキです。

真摯なおもてなしに感謝してKさん宅を辞し、京都へ帰るYさんを見送ってから、梅玉旅館へ送って頂きました。
明日の龍野でのスケジュールは、Nさん宅の朝会と池川ギャラリー訪問、どちらも楽しみです。
 
                        お休みなさい・・・                                            

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