一番高い「隣雲亭」からの風景
喜寿の茶事へお招きされた帰りに足を伸ばし、神戸、姫路、龍野、京都へ。
20日からツレも京都へやって来て合流、そちらはそちらで旧交を温めたようです。
名所旧跡めぐりも好いのですが、友人に再会する喜びは格別のものがあります。
京都で初めてのお友達TYさんの仕事場に寄ったり(押しかけた?)、朝ばったりお会いした南方流のMさん、
そして大学時代の友人K氏と真理子夫人に再会できました。
最終日は修学院離宮へ、K氏夫妻、Fさん、ツレと私の5人で出かけました。
京都には桂離宮、御所、仙洞御所など、見学できる宮内庁管理の宮殿・庭園がありますが、
修学院離宮は、鄙びた田園風景、雄大な景色、スケール感のある構成や作庭の工夫が素晴らしく、何度でも行きたくなります。
それに、四季や天候によって印象ががらりと変わります。
京都滞在中、「雪の修学院」に憧れて、天気予報を睨みながら9時開門の第1回に申し込み、
趣深い「雪の修学院」に出逢えたことがありました・・・(お勧めです)。
修学院離宮の雪景色(2014年2月撮影)
新緑の時季は初めて、
比叡山に連なる背後の山には山桜でしょうか、所々ピンクに染まっています。
修学院離宮には三つの離宮(下・中・上)があり、松並木のある車道で繋がっています。
枝ぶりの佳い松並木の両側にはのどかな田園風景が広がっていて、ホッとする道でもあります。
御幸門をくぐり、下離宮の寿月観を経て、中離宮の客殿と楽只軒へ。
ここは後水尾上皇の第八皇女光子内親王のために建てられた山荘で、
東福門院(後水尾上皇の皇后、将軍徳川秀忠の娘和子)の女院御所を一部移築しています。
そのため、霞がたなびいているような「霞棚」、戸袋の更紗、地袋の友禅染、引手や釘隠しの意匠など、
女院御所らしい優雅な造りで、見学できるのが楽しみです。
中離宮の宮殿の床「霞棚」
上離宮へ登る急な石段は、周囲が見えないように工夫があり、上り詰めたところに「隣雲亭」があります。
汗をぬぐいながら「隣雲亭」に腰かけ、眼下の浴龍池を眺め、西山の山並みと対峙しながら、
身体を吹き抜けていく風を感じる一瞬。
このためだけでも来てヨカッタ!登ってヨカッタ!
もう一つ、浴龍池の中島にある茶室「窮邃亭(きゅうすいてい)」の簡素な建物がお気に入りかな?
一枚板の御肘寄に持たれながら、西山に沈む夕日を眺めながら和歌でも興じたのでしょうか。
どのような風雅な使い方がされたのか、大いに興味が湧いてきます。
新緑の浴龍池
約80分の見学を終えて出発地点に戻ってくると、はや正午近くです。
13時に右京区のK氏宅近くの「しま田」というステーキな店を予約しています。
「しま田」は古い町家で、ステーキを焼く鉄板のあるコーナーは5人でいっぱい(他に部屋はあるそうですが・・)。
でも、その狭く風流な(?)コーナーがとても居心地よく、目の前で焼いてくださる牛肉や野菜のなんと!美味しくリーゾナブルなことか。
京都に居る時からお気に入りの店で、よくK氏夫妻に頼んで連れて行ってもらいました。
その日も5人でステーキのランチコースをがっつり食べました。
デザートは、K氏邸にて真理子夫人手づくりのスィーツが待っていました(いつも御馳走さま!)。
こんなに美味しいものばかり頂くと、また京都へ舞い戻りたくなってしまいます。
そんな思いを振り払うように、夕方の新幹線で無事横浜へ帰ってきました。
「ただ今!」