「清趣」 広間(待合)の画賛です
6月5日(日)に稽古茶事をしました。
年2回、風炉と炉の時期に稽古茶事をしてあげたい・・・と思いながらなかなかできませんでしたが、とても良い茶席(箱根湯本・玉庭)のご縁を得て、総勢9名で箱根へ出かけました。
その日はあいにくの雨、外腰掛から露地の風情を味わい、蹲を使って茶室へ席入りの予定でしたが・・・。
自称雨女の亭主・Fさんは数日前から心配そうに
「先生、お天気が心配で毎日天気予報をチェックしているのですが、雨マークが出てしまいました・・・」
・・・なんか、かわいそうでしたが、最近晴れ女の神通力も弱って来たし、こればっかりはね。
それで、広間の待合から廊下を通り、四畳半台目の茶室へ席入りです。
初座のお軸は大亀老師のお筆で
「清流無間断」
Fさんお持ち出しのお軸の言葉に添うように、山滴る箱根の庵にて最後のご挨拶まで、一座同舟、お茶の清流をくだって行きました。
茶事の次第は次のようです。
寄付――待合――板木・白湯――初座の席入(床:掛物、点前座)――主客挨拶――懐石――初炭――主菓子――中立(15分)――迎付(銅鑼)――後座の席入(床:花、点前座)――濃茶――後炭――薄茶――主客挨拶(見送り)
初座では半東・Yさんの到着まで代わりに半東と水屋、その後は席中に入り懐石まで黒子として同座し、後座は水屋の方を手伝いながらご指導させていただきました。
亭主、半東は一生懸命のおもてなしでしたが、お客さまにその気持ちが伝わり、愉しく何らかの風趣を感じて頂ければ・・・と願うばかりです。
茶事バカの暁庵は茶事というとアツクなり、茶事はたとえ稽古茶事でも何でも同じでして、毎回が真剣勝負だと思っています。
稽古茶事という言葉を使っているのは、まだ慣れていない方にとって稽古茶事の方が救いがあるからです。
本来の茶事ではわからないことがあっても聞けませんが、稽古茶事ではお尋ねすることが出来ますし、指導者としてどうしても気になるところは注意させて頂きます・・・。
今回の茶事を通して一番気になったのは、おもてなしの表現でしょうか。
どんなに亭主方が心を込め一生懸命だったとしても、その心がお客様へ伝わらなければ何にもなりません。
それには、普段の心懸けと稽古や茶事で自分自身を磨き、叩き上げなければならず、私の永遠の目標でもあります。
結論として「う~ん、茶事は楽しいけれど難しく奥が深い。だからそこに魅かれるのかしら・・・?」
今回の稽古茶事を機に、これからも茶事を重ねることでいろいろ経験し、一座同舟で心技体のレベルアップが出来れば・・・と考えています。
皆でいつか「自分の茶事」が自然体でできるように頑張ろうね!
暁庵の裏千家茶道教室 前へ 次へ トップへ