緑豊かなベランダ・・・こんな感じに「アケビ」がびっしり
(写真がないので、写真は季節の花300の提供です)
やっと炉を塞いだばかりですが、
「5月7日に湿し灰を作るのでいらっしゃいませんか?
もちろん見学だけで良く、おにぎりとバーベキューを食べに来ませんか・・・」
と東京のOさんから嬉しいお誘いがありました。
5泊6日の大旅行を遂行できたものの、腰椎すべり症と眩暈が治ったわけではなく、
一人で東京へ出かけるのに少々不安がありました。
「朝のドタキャンあり・・・でよかったら、伺いたいと思います」とメールしました。
Oさん宅へ着いたのは11時前、
ガレージにはいくつものバケツが置かれ、炉灰が水に浸かっています。
これらの炉灰は1週間かけてOさんが何度も水を替えてデカント済みのもので、
最終洗い(細かなヘドロ状の上層部を取り除く)の行程でした。
最終洗いした灰は2階のベランダで布上にあけられ、水を絞ってから天日と風で乾かします。
全部で3枚の大きな布に炉灰がひろげられました。
暁庵は洗った後の炉灰へ煮だした番茶(古い抹茶など何でも)を入れて色付けするのですが、こちらでは一切添加しないそうです。
人によって、いろいろなやり方や信念があって、リーダーM氏のお話は奥が深く、面白かったです。
「色付けしなくても十分好い色の湿し灰ができるし、何より変な匂い(有機物が発する)がない」とのこと。
ベランダの「定家カズラ」が花盛りでした
炉灰が渇く間にバーベキューで腹ごしらえという段取り。
2階にある6畳ほどのベランダは緑(アケビ、定家かずら)に囲まれて、とても東京の真ん中と思えぬ佇まいです。
床に炉灰用の布が拡げられ、コンロが2つ、小さなテーブル、大小の椅子が5、6脚置かれ、
7人ほどがひしめいています。
この狭さが初めて逢った人でもぐっと近づけて、すぐに親しくなれるから不思議・・・。
コンロの火が熾きると、牛肉や豚肉の焼ける匂いが漂い、いやでも食欲をそそります。
Oさんが用意してくださったおにぎり、野菜の葉やステック、きんぴら、蒟蒻の胡麻和えが並べられ、
ワイワイ、ぱくぱく、ワイワイ・・・みんなで食べると笑顔が溢れ、元気が倍増し、お話がさらに佳境へ入っていきます。
Oさんのご近所に住む共通の茶友Iさん、勝手ながらピンポンして呼び出し、集いに加わってもらいました。
Iさんは傍にいらっしゃるだけで、ほんわかと温かな空気が流れ、心地良くなる方ですが、
Iさんもいろいろな刺激を受けて、楽しく新鮮な一日だったそうです(ヨカッタ!)。
「双葉アオイ」・・・もうじき葵祭りですね
さて、湿し灰づくりの方は・・・・適度に乾いてから手揉みし、篩でふるい、専用バケツに保存します。
書くと簡単そうですが、実際は時間と労力がかかる、大変な作業です。
暁庵は本当に見学とおしゃべりだけで、何のお役にも立てなかったのですが、
「一人でやっていると滅入ってくるので、傍でおしゃべりしてくれる人が必要なんです」
というリーダーM氏の優しい言葉が嬉しく、救われた思いでした。
私にとって恐る恐るの東京行きでしたが、少し自信が付いたかな?
Oさん、お声掛け頂き、ありがとうございました! 御馳走さま!