暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

春草廬・有楽茶会 (1)

2009年11月10日 | 三溪園&茶会
11月8日に三渓園の春草廬で茶会をしました。
春草廬の作者と伝えられる織田有楽に因んで
有楽茶会と名付けました。

暑くも寒くもなく、風もない気持ちの良い日和でした。
色づきはじめた大銀杏の隣で、春草廬が
穏やかな佇まいで待っていてくれました。

最初の席(春草席)は、先生、先生のご友人、社中の先輩を
お迎えしました。
広間で、主菓子を召し上がっていただいてから、京都天竜寺にあった
夢想国師ゆかりの手水鉢(蹲)をつかって頂き、席入です。

新米席主ですので
「何卒、第一席に入っていただき、いろいろお教えいただきたく・・・」
と、先生にお願いしました。
親身のご指導をいただき、安堵して次席へ臨むことができました。

・・ですから、第一席はお稽古のような雰囲気でして、
先生や先輩たちに温かく見守られながらのお点前でした。
それでも緊張していたのでしょうね。
濃茶を練り終え、中仕舞になって始めて中蓋を
忘れたことに気がつきました。

「今頃やっと、お点前を間違えたことに気がつきました。
 失礼いたしました・・」
「まだ炉のお稽古はしていませんからね」と笑いながら先生。
先輩たちもニコニコ笑って
「大丈夫よ。頑張って!」
と目で語ってくれています。 座が一気に和みました。

炉では炭が真っ赤に熾り、根来塗の炉縁に美しく映えています。
「重要文化財なのに炉で炭が使えるのが嬉しいですね。
 炭の風情が一段とよろしいですねぇ~。
 ご存知と思いますが、小間では炉縁は木地が約束ですよ」

「はい。ありがとうございます。春草廬には侘びだけではない、
 華やかさがあるように感じ、木地ではなく根来の炉縁に
 しました・・・席中でそのようにお話いたします」

最後までご指導や、春草廬の歴史や特徴、道具の話が弾み、
一席目からリラックスして楽しく過ごすことが出来ました。

「伝統ある春草廬にこうして座って、ご亭主さまのお茶を皆で
 美味しく味わう事ができ、本当に幸せなひとときでございました」
というお言葉をいただき、感無量でした。

先生、本当にありがとうございます・・・。

   (有楽茶会 次へ)

                          のち

        写真は「春草廬」、だちくゎんさまの提供です。

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