暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

令和6年の初釜は耕雲亭にて・・・(4)午後の薄茶・第3席へ

2024年01月30日 | 茶事・茶会(2015年~自会記録)

       (露地を通って薄茶席へ向かうお客さま)

つづき)

「源氏香」で会食後、午後の薄茶・第3席と濃茶・第4席に参席しました。

腰掛待合で連客を待っていましたが、なかなか現われません(午後の最初の席だったので水屋が忙しかったことでしょう・・・)。

濃茶・第3席は既に始まっていて、Iさんのご挨拶、M氏の後炭手前、KRさんの濃茶点前、後見はIさん、半東&水屋はY氏とM氏です。きっとみんなで力を合わせておもてなししていることでしょう・・・(写真だけ記念に掲載します)

 

      (濃茶・第3席の席中です)

      (M氏の後炭手前が始まりました)

    (KRさんの濃茶点前です)

      (大活躍の腰掛待合)

間もなく腰掛待合へN先生と社中の方がいらっしゃって、蹲を使い薄茶・台3席へ席入りしました。

広間は六畳、京畳のせいかとても広々と感じられます。

 

 

床には「和 生萬福」の御軸、鵬雲斎大宗匠の御筆です。

令和6年のお題は「和」だそうで、和敬、調和、平和、唱和・・いろいろな「和」が頭を過ります。

初釜にふさわしく見事なしだれ柳が飾られ、竹筒に白い椿の蕾が一輪生けられていました。その一輪がしだれ柳と調和して好ましく、シンプルで素晴らしい演出・・・と感嘆しました。

あとで椿は「加茂本阿弥」と伺いました。香合は仁清写しのブリブリ香合です。

 

 

点前座に進むと、火相も湯相も素晴らしく、大ぶりの釜に惹きつけられました。芦屋の写しだそうで梅と竹の地紋があり、湯気を上げている存在感に圧倒されました。この釜の湯で薄茶を頂く幸せを感じます。

     (芦屋釜写しと桐文蒔絵の炉縁)

琵琶床には松飾りが置かれ、しだれ柳と共にお正月らしい雰囲気が漂います。琵琶床前の竹寿棚(鵬雲斎お好み)と、ひさご形の染付祥瑞の水指が空間を引き締めていて素敵でした。棗は蓋に2人の童子が遊んでいる蒔絵が珍しい大平棗です。

後見はS先生、3年前にN先生と一緒に耕雲亭で裏千家流初心者コースを担当された方で、今もご一緒にご指導されているそうです。

ご挨拶を交わし、運ばれてきた干菓子を頂戴しました。お点前が始まりましたが、きっと緊張されているだろうと思い、御軸やしだれ柳の花のことなどをお尋ねしました。

松と梅(・・・だったと思う)の干菓子がとても美味しく、千歳船橋の「東宮」製でした。その後に頂戴した薄茶のなんと!美味しかったことか・・・大輪の菊が描かれた茶碗で熱く、たっぷりと、ゆっくり頂戴しました。

思わず「とっても美味しいです!」とお伝えすると、お点前さんはホッと嬉しそう、私も嬉しくなりました。

次々と薄茶が華やかな茶碗に点てられて運び出されました。

ここで反省・・・私も濃茶・第2席のRさまみたいに連客のN先生の社中の方に感想などをお尋ねしたかったのですが、皆さま、干菓子とお茶を飲んで幸せそうなご様子だったので・・・。

こうして、薄茶・第3席が終わり、腰掛待合へ戻り、濃茶・第4席への席入りを待ちました。

正客はN先生と交代です。水屋の様子を見にいらしている間に腰掛待合で社中の方とお話ししていると、

「今日の茶会へ参加して、稽古をする意味が初めてわかりました」

その言葉がとても嬉しく、「これからも茶会や茶事で素敵なおもてなしが出来るよう、お稽古を頑張って下さいネ!」と心からエールを送りました。  つづく)

 

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