暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

「惜春のコラボ茶会」・・・暁庵の第1席(初炭と薄茶)

2023年04月26日 | 茶事・茶会(2015年~自会記録)

 

4月23日(日)、小堀遠州流の橘楽庵と裏千家流の暁庵にて「惜春のコラボ茶会」が開催されました。

その日は曇りのち晴れ、朝はヒンヤリして寒いくらいでしたが、昼間の最高温度は20℃、暑くも寒くも風もなく、絶好の茶会日和でした。ベランダ席を有効に使いたかったので先ずは一安心です。

 

(第1席の花・・・前日のこと、ご近所さんの鉄線がとてもステキだったので、勇気をだしてピンポンして分けて頂きました。ふぅ~っ! 汗

暁庵・第1席のお客さまは6名様、正客KTさま、次客から四客までは小堀遠州流の方、五客宗弥さま、詰AYさま、10時~11時で初炭と薄茶をいたしました。

待合で身支度をした後にベランダの腰掛待合でお待ちいただきました。迎え付けと蹲は無し、銅鑼を5つ打って席入りの御案内です。

待合の掛物は「松風傳古今」と書かれた銀杏唐草文の扇子、教授の親授式で坐忘斎お家元から頂いたものです。

 

 

本席の床には「喫茶去」の横物、御筆は足立泰道師です。

「喫茶去」とは「まあ、お茶を一服召し上がれ」ということですが、その一服、亭主は客の流派、初心者か熟練者か、老若男女・・・などの違いにかかわらず、一様に心を込めてお茶を供しているか。

また、客として亭主が未熟で、道具が粗末であっても、その一服にいつも同じ心構えで感謝の念を込めて喫しているか・・・厳しい問いかけをしている禅語でもあります。

第1席では、亭主(Iさん)の初炭、次いでY氏のお点前で薄茶を楽しんでいただきました。半東(後見)はT氏、水屋はIさんと暁庵です。

裏千家流では3月に釣釜、4月に透木釜を掛けます。4月になると暑い日もあるので、少しでも火を見せないように透木釜で・・・という配慮だそうです。透木は宗旦好みの桐を使いました。

それで、橘楽庵は釣釜だそうです(・・・密に情報交換できてヨカッタ!)

 

        (初座の点前座の設え)

初座の点前座には、13代円能斎好み猿臂(えんび)棚に白鳥の羽箒と香合を飾りました。

釜は又陰(ゆういん)口透木釜(菊地政光造)、8代一燈好みで、釜の口は今日庵・又陰の躙り口を意匠したもので、正面胴に「又陰」の鋳込みがあります。

 

       (又陰(ゆういん)口透木釜)

第1席の亭主Ⅰさんは丸管と割管を一緒に持つのが難しく(左利きなので)、自主練を何度も繰り返して取り組んだと思いますが、いかがでしたかしら?

炭手前は小堀遠州流とは大違い、炭の種類や大きさ、炭斗の中や炉中の置き方などが違うので、きっと半東(後見)T氏がさらさらとお話してくれたことでしょう。

コラボ茶会で炉の炭手前は今季終了になります。水屋で備前焼灰器に湿し灰をたっぷり盛りながら「よくぞ最後まで湿し灰が足りたこと・・・」と一人、感無量でした。

香合は飴釉香合「聴松風」、暁庵が裏千家教授の伝授の記念として坐忘斎お家元から頂いた宝物です。

「聴松風」の彫字(釘彫)は坐忘斎お家元、大樋焼で大樋陶治斎(10代大樋長左衛門、年朗)作です。蓋裏に坐忘斎花押、畳みつきに陶治斎の印があります。

香は「松濤」(坐忘斎好み、松栄堂)です。

猿臂棚は運びの棚なので、茶道口でY氏が水指を置き、「薄茶一服差し上げます」

薄茶は金輪(丸久小山園)です。独楽盆と大内塗盆に干菓子「山宝果」と「ひとひら」(共に美濃忠・名古屋市)をお出ししました。

緊張しながらY氏が心を込めて点ててくださった薄茶はいかがでしたか・・・  つづく)

 

「惜春のコラボ茶会」・・・暁庵の第2席(花所望)と第3席(後炭)へつづく

    暁庵の第4席へ    橘楽庵の第4席へ   「コラボ茶会」の準備中です

 


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