暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

再び・・・お茶のご縁ってステキ!

2019年03月07日 | 暁庵の裏千家茶道教室

  (床に雪柳、白椿、蕗の薹(我が家産)をいけました)

ある日の午後、電話がありました。

それは福井県にお住いのF氏からで、
「出張で今、東京にいます。明日ご都合がよろしかったら、横浜のお宅へお寄りしたいのですが・・・」
「Fさん・・・よく覚えていますよ。午前中にお稽古があるのでどうぞ見学にいらしてください。」

F氏との最初の出逢いは京都・灑雪庵でした。
当ブログが100万頁に達した記念茶会「京都の春を惜しむ茶会」(2014年4月29日)を催した際に福井県から参加してくださったのです。
横浜へ戻ってすぐの2015年6月20日に再び暁庵を訪ねてくださいましたが、それから早や4年近くが経っていました。
でも、忘れずに電話してくださったのがとても嬉しく
「よくぞ思い出して電話してくださいましたね。
 Iさんがいらっしゃいますが、見学と薄茶一服を楽しんでください」


    待合の「春水」の色紙    森下隆子作

その日はIさんの稽古が入っていました。
Iさんは12月に入門された方です。
仕事の都合で月1回しか来れませんが、熱心に通って来てくださっています。
その日は初めて炭手前をして頂き、丸卓で薄茶点前の予定です。
午後からクロスロード茶会の打ち合わせがあったので、社中Fさんに早目に来てもらい総勢4人になりました。


    立ち雛香合・・・香は「梅ヶ香(松栄堂)」です

「左利きなので炭が上手に持てず、炭手前は苦手です・・・」と言っていましたが、
暁庵から見ると、違和感なく上手に炭を持てていました。
きっと陰で人知れず努力を重ねていることでしょう・・・でも、それが嬉しいしステキです。


    半泥子の茶碗で・・・F氏の薄茶点前

Iさんの薄茶点前が終わり、時間があったのでF氏に薄茶点前をお願いしました。
「三溪園・春のクロスロード茶会」に向けてN氏からお預かりしている茶碗をお見せし、その中の一碗(半泥子を選びました)で点てて頂きました。
姿勢よく基本をきちんと身に着けられたお点前は気持ち良く、拝見する暁庵も背が伸びる思いで見守ります。
「もう少しゆっくり・・・」
「はい!」
皆、F氏の薄茶を半泥子の茶碗で飲みたかったので3服点てて頂き、最後に御自服して頂きました。


     「のりこぼし」  (石井製)

点前中いろいろお話が弾みましたが、一番印象に残っているのはF氏から伺った福井県小浜市・神宮寺の「お水送り」のお話でした。
お菓子に「のりこぼし」(旭区都岡・石井製)をお出ししたので、東大寺二月堂の「お水取り」のお籠りやお香水のこと、小浜市神宮寺の「お水送り」の行事に皆で想いを馳せました。

Fさん、ステキなご縁をありがとう! またお茶飲みにいらしてくださいね。  


「お水送り」(「ええやん!若狭の國」より抜粋)
 3月12日に奈良東大寺二月堂で行われる「お水取り」に先がけて、毎年3月2日に行われる小浜市神宮寺の「お水送り」は、奈良と若狭が昔から深い関係にあったことを物語る歴史的な行事です。
 奈良東大寺二月堂のお水取り(修ニ会の「お香水」汲み)は全国にも有名な春を告げる行事ですが、その「お香水」は、若狭鵜の瀬から10日間かけて奈良東大寺二月堂「若狭井」に届くといわれています。

 「お水送り」は午前11時、下根来八幡宮で営まれる山八神事から行事はスタート。神宮寺僧と神人がカシの葉に息を吹きかけ、手を交差させて後ろに投げます。これは、体内に宿った悪霊を振り払うためです。それから赤土をお神酒で練ったものをご祈祷してからなめて、残り土で柱に「山」と「八」の字を書き込みます。

 午後1時からは神宮寺境内において弓打神事。紫の装束に身を包んだ氏子代表が古式にのっとり、30メートルほど離れた的に向けて弓を放ちます。
 午後5時半ごろ、白装束の僧がホラ貝を吹きながら山門をくぐり入場します。
 午後6時からお堂で修二会を営み、「だったん」の行へ。7メートルもあろうかと思われる巨大松明を「エイッ、エイッ」とのかけ声とともに振り回します。
 いよいよ大護摩に火がともされると、炎が水面に燃え広がったようになります。住職が送水文を読み上げ、邪気払いをし、香水を遠敷川に流す。香水は10日後、奈良東大寺の「お水取り」で汲み上げられます。



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