暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

名残りの稽古茶事を終えて・・・(2)

2019年10月21日 | 社中の茶事(2018年~)


  初座の床の掛物 「日々是好日」  前大徳 柳生紹尚師の御筆です

つづき)
10月5日(土)、9時半に亭主KTさん、半東Uさん、懐石のYさんが我が家へ到着。
亭主側の4人でご挨拶をし、それぞれの担当の支度を始めます。
席入りまでに炭手前、濃茶、薄茶の支度、菓子や菓子器、鳴り物の確認、花入に合わせた花づもり、汲出し、煙草盆まで集中して準備しておきます。
KTさんもUさんも暁庵の茶事で半東の経験を積んでいるので、どんどん支度がはかどり、確実に水屋力が上がっているのが嬉しいです。

暁庵は簡単な指示だけで、自分の仕事に取り掛かりました。
湯の用意、煙草盆の用意、下火の用意、それから懐石のYさんの手伝いです。
懐石はお任せなのですが、Yさんにとっては初めての台所なので最初だけお手伝いしました。

お客様がそろそろいらしたようです。
なかなか板木が打たれず、半東Uさんが今か今かと待っていました。
席入のご案内の11時半ちょうどに板木が5つ打たれ、Uさんが昆布茶の入った志野の汲出しをお出しし、腰掛待合へご案内しました。
動線の都合で、その間に風炉に下火を入れ、釜を掛けました。

いよいよ亭主の迎え付けです。
・・・迎え付けを終えてから「先生、枝折戸が開いたままでした」と亭主。
「あっ!露地の最終確認を忘れたわ!」と私。
「確認しなかった私のせいです・・」(二人でしばし反省・・・)





さて、気を取り直してUさんと懐石の手伝いに取り掛かりました。
ほぼ時間通りに進行し、挨拶の後、懐石を12時頃から予定していました。
すると、ここでハプニングが・・・御飯が炊き上がるのが12時15分頃になると言うのです。

挨拶から戻ってきたKTさんにもう一度茶席に入って、御飯が炊き上がるまで何かお話でつないでもらうように指示を出しました。
向付やつぼつぼを並べながら茶席の様子が気がかりで耳を澄ませていると、皆の楽しそうな笑い声が聞こえてきて、安堵しました。(・・・そしてやっと心配するのはやめて、主客にお任せしようと気持が切り替わったのです)

炊き立ての一文字が盛られ、膳が次々と運び出され、懐石のスタートです。
Yさんが丹精込めて作ってくださった献立を記します。

 名残りの茶事 献立

  飯椀    一文字
  汁椀    石川小芋    辛子
  つぼつぼ  紅白なます
  お向う   鯛一塩  水前寺海苔  胡瓜  山葵  加減酢
  煮物碗   銀杏真蒸  松茸  三つ葉  柚子
  焼き物   カマスの塩焼        
  強肴    炊き合わせ (茄子、生麩田楽枝豆餡、鳥丸)     
  箸洗い   昆布引き湯  甘酢茗荷      
  八寸    白鱚風干し  渋皮煮  
  香もの   沢庵、ズッキーニ、紅い大根          
  湯とう   炒り米
  酒     山田錦の名前が ?





懐石が終わり、炭手前が始まりました。
鬼面環付の鉄やつれ風炉なので最初に環を下げます。
元は切掛け風炉なので灰器は持ち出さず、中履きもありません。
羽帚の履き方がいつもの道安風炉と違います。
香合は帰雁香合、香はKTさんとUさんに作ってもらったつけぼし香です。
環を上げてから炭斗を引きます。

前日に火を入れて釜を掛け灰をあたためておいたので、席入り前に輪胴大の丸ぎっちょ3本を下火に入れました。
鉄風炉のせいでしょうか、下火の熾りが遅かったようで、開始2時間前に炭を入れて風炉をあたためて置くべきだった・・・水屋として反省しています。

縁高で菓子が運ばれました。
菓子は「山づと」(栗の乗った金団)、石井製(旭区都岡)です。
腰掛待合へ中立になりました。


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