暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

庚寅の初釜

2010年01月10日 | 稽古忘備録
1月7日は庚寅の初釜でした。
相模原市にある寿紘庵の広間にて立礼で行われました。
床には妙心寺管長・臥雲和尚筆の「壽山萬丈高」、
床柱には素心蝋梅と春曙紅(ピンクの椿)が竹一重切に
生けられていました。

先生から年頭のご挨拶を頂き、正客のS先輩が社中を代表して
初釜の御礼と今年の抱負を述べられました。
お二人とも茶の道に精進したいという気概が溢れていて
その気迫と情熱に私も思うところがありました。

先生が初炭をなさいました。
香合は神々しくもかわいい「銀の鈴」、宗悦作です。

         

初釜恒例の花びら餅が縁高で出されましたが、
朝のお手伝いのときに正面をお尋ねしました。
「お家元では牛蒡が手前だそうですので そのようにしてください」
長年の疑問が解けた思いでした。
花びらの美しさと柔らかさ、牛蒡と味噌餡のハーモニーを賞味しました。

嶋台の重茶碗で先生が濃茶を練ってくださいました。
茶入は古瀬戸の肩衝、仕覆は遠州緞子、
茶杓は卓厳和尚作「華かがり」、
皆具は中村翆嵐作、鶴の紫こうちです。

濃茶が終わると、お楽しみの福引です。
鶴の一等賞は坐忘斎お家元直筆の扇子と干支の茶碗、
亀の二等賞は鎌倉彫の銘々皿、私は梅で懐紙・小茶巾一式でした。
中に一枚だけ空クジがあり、I先輩が引きました。
「空クジを引いた人はどなたかしら?
 もしかしたら「瓢箪から駒」かもしれませんよ」と先生。

I先輩が紙包みを一枚また一枚と開けていくと
最後に瓢箪の根付が出てきました。
瓢箪を開けると米粒ほどの駒が出てきて、みんなびっくり。
空クジが何と「瓢箪から駒」でした。

重箱の点心と煮物碗が出され昼食です。
お酒も注がれて一層にぎやかになりました。
中立ちのあと、薄茶はY先輩とS先輩が点ててくださいました。

        

干菓子は三種類。
辻占(つじうら)煎餅という干菓子を始めて知りました。
金沢・高砂屋製です。
石川県の金沢市には正月に色とりどりの辻占煎餅を
縁起物として楽しむ風習があるそうです。

二つずつ取って、中に入っている辻占を読みあげ、大笑いです。
私のをご披露すると
 一つ目は、「あきらめられぬ」
 二つ目は、「好いたお方と添いなおる」
・?・心当たりはないけれど意味深長ですよね。
今年は何やら佳きことがありそうな・・?

アイディア満載の楽しい初釜でした。

                          


 写真は、「素心蝋梅と春曙紅」「炭斗と銀の鈴香合」
       「辻占煎餅」


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