暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

車で四国遍路・・(3)焼山寺と慈眼寺

2019年07月08日 | 車で四国遍路

     第12番焼山寺(しょうざんじ)の山門


5月21日(火) 雨が上がり青空が広がっています。
8時にホテル四季の里を出発し、遍路ころがしの第12番焼山寺(しょうざんじ)を車で目指しました。
途中、焼山寺から下りてくる車にも合わずに順調に山道を進みましたが、1つだけびっくり!することが・・・。
ナビの指示通りに走っていたら
「本当にこれが焼山寺への道なの? 人も車も長らく通っていない廃道みたいだけれど・・・」
その後も狭く急峻な山道をたくさん通ったけれど、この廃道は一番ひどい経験でした。
それからは愛車のナビが今一つ信用できず、最新のナビを入れておくべきだったと後悔しきりです。





広い駐車場から見覚えのある焼山寺参道を進むと、大師像が傍らにたたずむ山門が聳えています。
山門をくぐると、樹齢500年を超えるという杉の大木の参道が続き、清冽な霊気がみなぎるお気に入りの札所です。
本堂のご本尊は虚空蔵菩薩、
虚空蔵菩薩のご真言は初めてで、しかも超難しく、二人ともしどろもどろで3返唱えました(あまりのしどろもどろさについ笑ってしまい、どうぞお許しを・・・)
   のうぼう あきゃしゃ きゃらばや
   おん ありきゃ まりぼり そわか


焼山寺大師堂ではお大師様がライトアップされていて、これはこれで素晴らしく親しみを覚えます。
読経を終えたらすぐに立ち去るのではなく、弘法大師像(もちろんご本尊も)を拝見するように心がけましたが、そのお姿は札所によってさまざまでした。

参拝者近くに大師像(またはご本尊)を祀っているところ、厨子の奥深くお姿が暗くてよく見えないところ、厨子の扉が固く閉ざされているところ、拝顔どころか階段から堂上へ上がらせない札所もありました。
印象に残っているのは、内陣近くで読経できる札所、読経用の椅子が用意されている札所、ライトアップしている札所、大師像は見えにくかったけれど、天井から釣り下げられた灯籠の灯りが美しく幻想的な札所・・・などなど。

大師像も若き日の御姿を髣髴させるもの、悟りを開いた後の落ち着いた御姿など、いろいろありました。
20日(2日目)の最後に訪れた別格2番童学寺の大師堂には稚児大師(子供の姿のお大師様)が祀られています。
童学寺という寺号は、弘法大師が幼少の頃、こちらで学問修業に励んだ故事に由来しているとか。



 弘法大師が水行を行ったと伝わる「灌頂ヶ滝(旭の滝とも)」

3日目の最後に訪れた別格3番慈眼寺(じげんじ)のことを書いておきます。
山道に入り、しばらく進むと素晴らしい滝に出合いました。
「灌頂ヶ滝(旭の滝とも)」といい、弘法大師がこの滝で水行を行ったことからその名がついたと伝わっています。
直下70mの雄大な滝は見ているだけで身に付いたこの世の垢が洗い流されるようでした。
晴天時の8時から10時頃に滝の飛沫が五色の虹に彩られ、「不動の来迎」と崇められているそうです。

15時30分頃に慈眼寺に到着。
鐘を突いてから本堂(?)にお詣りすると、「こちらは大師堂で、本堂は20分ほど階段のある参道を登ったところです」と寺の方が教えてくれました。
「穴禅定へ行きたいのですが・・・」と尋ねると、
「穴禅定へは15時過ぎているので今日はご案内できません」

穴禅定についてよくわからなかったのでいろいろ尋ねてみました。
弘法大師19歳の時、修行中に夢のお告げにより不思議な鍾乳洞を発見した。
弘法大師は洞窟の邪気を払うため護摩をたいて洞窟を清め、悪魔悪霊を洞窟の壁に封じ込め、末代衆生のため結縁潅頂の秘法を修せられたそうです。この洞窟の行場が穴禅定でした。

本坊で着替えてから案内の導師と一緒に心身を清めてから穴禅定(鍾乳洞)という行場へ入る習わしになっています。
僅か100メートルの洞窟ですが、案内の導師の言われるとおりにしないと進退窮するそうで、素直な自分(心)を取り戻す御利益があるそうです。
穴禅定を無事に御参りできると、他にも無病息災、金運、開運などの御利益がいただけるとのことでした。



     20分登り、慈眼寺本堂へ辿り着きました

本堂まで約20分かけて登り、お詣りしました。
急階段の参道には楓が数多く植えられていて、秋の紅葉の美しさを想像しました。
ご本尊は十一面観世音菩薩。
本堂近くに怖いような霊気を感じる岩屋の行場(水行を行う)がありました。
岩屋の上方に穴禅定の入口があり、それなりの修業の覚悟を持つ行者がお詣りするところだと思い至り、すごすごと退散したのでした。

初めて車中泊をする道の駅「ひなの里かつうら」へ向かいました。


       岩屋の行場(水行を行う)


穴禅定(洞窟の行場)の入口

第3日目行程
第12番焼山寺~第13番大日寺~第14番常楽寺(池の畔の参道が懐かしく、自然の岩盤を生かした「流水岩の庭園」にまた出会えました)~第15番国分寺~第16番観音寺~第17番井戸寺(面影の井戸に我が身を映しました)~第18番恩山寺(古い札所の雰囲気があり、大好きな寺です)~第19番立江寺(前回、尺八さんと再会した寺)別格3番慈眼寺~車中泊(道の駅「ひなの里かつうら」泊)

  
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