暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

文月の稽古・・・行之行・台子点前

2015年07月17日 | 暁庵の裏千家茶道教室
7月15日は暁庵の茶道教室で初めて奥伝の稽古日でした。
科目は行之行・台子点前です。

奥伝の稽古は着物でいたしましょう・・・と申し合わせていましたが、梅雨の最中の猛暑日でした。
首にタオルを巻き、流れる汗をぬぐいながら準備をしていましたが、
FさんとAさんが無事に我が家へ辿り着けるかしら? と案じるほどの暑さです。
冷房をかけ、冷たいタオルと飲み物を用意して待っていると、ゆだったような二人が到着。
その様子に涙がでるほど有難く、私も一生懸命お教えしなくては・・・と思いを新たにしました。

その日、Fさんが選んだ利休百首は
「稽古とは一より習ひ十を知り 十よりかへるもとのその一」

来週、朝茶事(稽古茶事)があるので、暁庵が仮の亭主役で迎えつけをし、
正客Fさんと詰Aさんが蹲を使って席入りし、最初の挨拶を交わしました。
「本日はお暑い中をお出まし頂き、ありがとうございます。
 あまりの暑さで道中倒れてはいないかしら?と心配しておりましたが、ご無事の様子に安堵しております・・・・」
「本日はお招き頂き、暑さもなんのその、ただ嬉しく参上いたしました・・・」
というような挨拶をし、待合、露地、床の掛物について問答が続きます。

                    
                      祇園祭の鉾の短冊

15日は京都・祇園祭の宵々山、翌日は八坂神社のお家元の献茶式です。
懐かしく思い出しながら、待合に鉾の短冊(西陣織)を掛け、しばし祇園祭のお話を・・・。
床は「白雲抱幽石」、玉瀧寺・戸上明道師の筆です。
諸飾りで、有馬籠に紅い水引だけを入れてみました。

いよいよ稽古本番、Aさんの台子炭手前から始めました。
行台子の天板に羽箒と香合を飾り、炭斗、続いて灰器を持ち出します。
八畳を四畳半に設えたので、京都から持ってきた障子が大活躍です。
廻り茶道口ではなく直行なので、足運びに慣れるのに時間がかかるかしら?
茶道口の違いや足運びを経験するのも良い勉強になります。

                  
                     水引だけを有馬籠に入れてみました

Fさん、続いてAさんに行之行・台子点前をして頂きました。
お客様は二名、練られた濃茶を私も頂戴しました。
濃茶は青雲(一保堂詰)、香り良くきりっとした味がお好みです。
点前の特徴、所作、道具などいろいろありますが、奥伝なので・・・。

酷暑の中ですが、愉しく充実した稽古ができてほっとしました。
規模も内容も違いますが、夏季講習会の思い出が走馬灯のように脳裏を横切っていきました。
あの時のうだるような暑さと大量の汗、業躰先生の教えの数々、心に残る会話など・・・。

終了後、椅子席へ移り、干菓子と薄茶で喉を潤し、お開きにしました。

                  
                   薮萱草 (やぶかんぞう)が元気です

葉月の前半は夏休みです。
休養を十分取り鋭気を養って、また元気に稽古しましょう。  
                              15日は   

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