暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

お茶サロン・聴雨の茶会-2

2015年07月05日 | お茶サロン&ご近所さんと茶会
(つづき)
美味しい濃茶と薄茶を差し上げたいと、一番気をつかったのは火相と湯相でした。
始まる2時間前に風炉へ火を入れ、釜を掛けておきました。
席入前に風炉の下火を整えて、香の後に初炭です。

鵜籠(うかご)に炭を組み、炭手前をしました。
釜は波文尻張釜、初代・畠春斎作です。
5月の初風炉から使い始めましたが、さび色が美しく佳い味わいが出てきました。
心して月形を切り、白檀を焚きました。
香合は大徳寺浮見堂古材で作られた屋形舟、作者は稲尾誠中斎です。
N先生から京都で頂戴したもので、屋形舟で鵜飼い見物へ・・・。

                      

「パチパチッ・・」
(炭の熾る音に安堵し、風炉と灰をしっかり温めておいて良かった!)
「昼食を椅子席へ用意しましたので、こちらからどうぞ・・・」
昼飯はお弁当です。
以前、よく茶事でお世話になった翠晶庵の横山和子さんに作って頂きました。

自製の吸い物と八寸、一献(越の寒梅)を差し上げ燗鍋をお預けし、
「水屋にてお相伴させていただきます」
味や量は如何でしたかしら?
ボリュームもあったのですが、水屋の二人は美味しく完食です。
菓子(銘「よひら」暁庵製)を染付の大皿でお出しし、中立(しばし休憩)をお願いしました。

銅鑼を七つ打ち、後座の席入です。
その日は雨の予報が大はずれ、日差しも強かったので待合から蹲へ直行して頂きました。
後座の床は「無我」の軸はそのままとし、「雨降り花(昼顔とも)」を簗籠へ、
この花を摘むと雨が降る・・・と幼い頃かたく信じていた花です。

                      

御本三島と楽茶碗の重茶碗で、濃茶二服をお点てしました。
「おふく加減いかがでしょうか?」
「大変おいしゅうございます」(ほっ・・・!)
茶銘は松花の昔、小山園詰です。

湯相、火相は良かったのですが、このあと薄茶の最後まで火が持つか・・・気になり始めました。
実は今回のハイライト(?)は薄茶、火が落ちたら美味しい薄茶を何服も点てられないと思い、急遽炭を直させていただくことに。
時間の都合で後炭の一番風情のある釜に水を足し茶巾で清める処と風炉中拝見を省略させて頂きました。

さて、いよいよ次は薄茶です。
                                 

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