暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

祇園祭2013-2 祇園祭へ友 来たる!

2013年07月18日 | 京暮らし 年中行事
                 ステキな「山鉾・鯉山の見送り」は
                 16世紀ベルギー製のタペストリー 

祇園祭献茶式へ茶友KさんとYさんが関東からやってきました。
15日の宵々山へ繰り出す前に灑雪庵へ寄ってもらい、
粗茶一服差し上げたいと思いました。

特に趣向もありませんが、花屋さんへ行くと、
「この花は?」
初めて見ますが、大好きな檜扇水仙に似ています。
「檜扇(ヒオウギ)です。
 祇園祭の花で、四条通や鉾町では祇園祭にこの花を生けるんです。
 それを見て歩くのも楽しいですよ」
「あらっ、私もこれにするわ。 1本でもいいかしら?」
檜扇は、葉っぱが扇を広げた姿に似ていることから名づけられたとか。 

                  
                                季節の花300提供

床は「滝 直下三千丈」、黄梅院・太玄和尚筆です。
檜扇と山ゴボウを有馬篭に入れました。

Yさんとは2年ぶりでしょうか?
顔を拝見した途端、いろいろなことが次々と思い出されて
「お久しぶりです。よくいらっしゃいました・・・」
両親の介護、母上との別れなど大変な日々を過ごされたことが推察され、
今回の祇園祭を本当に楽しみにいらっしゃったのでした・・・。

ご挨拶のあと、お菓子をお出ししました。
炭手前は省略し、すぐに濃茶点前です。
湯相もよく、濃茶をたっぷり練りました。
「お菓子のあとにキリッとした渋みの濃茶が最高でした」
(・・・あぁ~よかった・・)
濃茶は一保堂の青雲、手製のきんとんの銘はそこ紅、
濃茶茶碗は志戸呂焼・利陶作です。

干菓子の代わりに「したたり」(亀廣永製)をお出しし、
長刀鉾絵と蓮絵の茶碗で薄茶を点てました。
薄茶は洗い茶巾、
茶巾の絞り方、音の聞かせ方などを教わりながら・・・楽しかったです。
それから「いざ!宵々山へ」。

                

                
                     菊水鉾の茶席(遠州流)

初めに初日に訪れた菊水鉾の茶席へお連れすると、15日は遠州流でした。
席は空いていましたが、お点前が終わる所でしたので案内の方へ
「お点前を是非拝見したいのですが・・・」
すると、
「それでは次回へ入って頂きますので、こちらでお待ちください」
と待合席へ案内されました。

三人揃って最前列の席へ座ることが出来ました。
「したたり」が運ばれ、薄茶も美味しく頂戴しましたが、
なかなかお点前が始まりません。すると、隣席から
「毎年、遠州さんの点前を楽しみに菊水鉾の茶席へ来ています。
 ぜひ、拝見したいのですが・・・」
とお声が掛かってお点前が始まりました。

                
                     仕組んだ茶筅の向きに注目

男性の、きちんとした丁寧なお点前に三人とも惹きつけられました。
右腰につけた帛紗、膝上で帛紗をたたむ所作、袱紗捌き、
目の前で千鳥茶巾のように茶巾を優雅にたたみ、柄杓や茶筅の持ち方の違い、
点前の中に濃茶のような所作もあり、もう興味津々でした。
薄茶がYさんへ運ばれてラッキー! これも好い思い出となります。

拝見に回された茶碗が印象に残りました。
厚手の白磁ですが雨漏り手のような内面、胴に呉須で蟹と海老が描かれています。
はてな? と思い、お尋ねすると
「遠州七窯の一つ、古曾部で、江戸時代の作です」
古曾部焼の茶碗は野趣を感じる、味わい深いものでした。

               

菊水鉾を出ると、夕闇が迫っています。
一歩通行のムンムンする雑踏の中へすぐに呑み込まれて行きました。

                                     

         祇園祭2013の項    前へ      次へ 


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