暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

祇園祭「北観音山」の曳き初め

2012年07月17日 | 京暮らし 年中行事
いよいよ「北観音山」の曳き初めです。
菊水鉾の茶席から「北観音山」へ移動すると、
山の前で待っていてくださったKRさんに再会しました。
私たちが松立てのご縁で、曳き初めを「北観音山」に定めたお話をすると、
とても喜んでくれました。
そして、曳き初めの最初の掛け声や仕舞いがそれぞれの山で違い、
見所の一つと教えてくれました。

お勧めは「放下鉾(ほうかほこ)」の掛け声を見てから
急いで「南観音山」次いで「北観音山」へ戻り、
最初の掛け声と仕舞いを集中的に鑑賞する・・・というものでした。

                    
                    
私たちはKRさんのご指導に従い、急いで「放下鉾」へ移動すると、
すぐに扇を持った二人の男衆が大きく扇をまわしながら
『よーい よ~い、え~んやらや~』というような掛け声を掛け、
それに合わせて綱が曳かれました。
新町通はとても狭いので山鉾の屋根の上に数人の男衆が乗っていて
スムーズに進むように活躍します。
あまりにもカッコ良かったので、見惚れながらもパチリ。

                    

あわてて次の「南観音山」へ走ると、こちらの掛け声は男衆が一人です。
孤高の熱演で、拍手喝采を浴びていました。
早くしないと肝心の「北観音山」へ間に合わないのでは・・・と心配していると、
今日は何度も新町通を往復するから焦らなくても大丈夫だそうです。

                    
                    

「北観音山」の曳き初めには、近くの室町小学校5年生が交代で参加していました。
それに赤ちゃんや小さい子供連れのお母さんたち、そして私たち観光客も大勢いました。
本番の巡行は男性の曳き手のみと決められているので、貴重なチャンスなのです。
掛け声に合わせて、一斉に綱を引くと重い重い「山」が様々な人の想いや祈りを
のせて、ゆっくりと動き始めました。
曳いてみるとわかるのですが、南へ下り、北へ向かう時は少し登りになっています。

                    
                    
                    

新町通を四条通から三条通の間を行ったり来たり。
けっこう頑張って曳いたので、汗が顔から噴き出してきます。
子どもたちも顔を真っ赤にして、髪の毛をぐっしょり濡らしながら頑張りました。
暑い、熱い、ゆだるような光景なのですが、「山」の連帯感を感じられる、
気持ちの良い体験でした。
なんかやみつきになりそう・・・です。

曳き初めの帰りに御利益がいくつか。
四条通のドトールでアイスコーヒーと冷房で火照った体を冷やしていると、
窓の向こうを歩いている通行人と目がばったり合い、飛び上がりました。
奈良に住む茶友のKさんでした。

その後に京都高島屋で開催中の挑交会茶道具展へ寄ると、
東京の茶友M氏に数年ぶりでお会いして、これまたびっくり!
憧れの工芸作家・岩淵祐二氏にも初めてお目にかかれました。

KRさん曰く、
「出逢いが多くなったのは、祇園さんのお陰かも知れませんね・・・」

嬉しい一日でした。
                                


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