暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

祇園祭「菊水鉾」の茶席

2012年07月16日 | 京暮らし 年中行事
13日に、松立てをお手伝いさせて頂いた「北観音山」(新町通六角下ル)の
曳き初めに出掛けました。
先ずは裏千家流の茶席が設けられている「菊水鉾」(室町通四条上ル)へ向いました。

「菊水鉾」は、町内にある「菊水の井」にちなんで名付けられ、
この井戸跡が菊水鉾町会所に保存されています。 碑文を紹介しますね。


                   
   菊水の井跡

   中世、室町時代、当地に夷を祀る社があり、
   社殿の隅に名水「菊水の井」がありました。
   茶道の始祖千利休が師事した、茶人の先覚者武野紹鴎は
   この井戸をこよなく愛し、此処に庵を結び茶亭を大黒庵と称しました。

   菊水の井と呼ばれる所以は、能楽「菊慈童」から着想
   「菊の葉より滴る露を飲み長寿を得た」
   という中国の故事に起因します。

 
   当ビル建設に当たり、跡地に旧井戸より発見された
   「菊水」の文字入りの井桁組み石等を利用して建立しました。
   菊水鉾はこの「菊水の井」に因んで名付けられました。

      平成十四年九月     菊水鉾町

                   
                     


菊水鉾の会所が茶席になっていて
菊水の井や古えの茶人とのご縁に心惹かれながら
14時から始まる茶席へ入りました。
菊慈童、菊水鉾などが飾られている場所のすぐ横に
長板総荘りの点前座が設けられていました。

お点前は裏千家流が担当、浴衣姿の男性がすらすらと流れるように
天目茶碗に薄茶を点てられ、先ずは菊慈童へお献茶をしました。
第一席目の正客と次客は祇園祭らしく女将さんと舞妓さんで、
一層祭りの茶席を華やかに盛り立てています。
                      
                   

お菓子は青磁釉の菊皿に盛られた、亀廣永の「したたり」、
薄茶は上林の「菊の露」。
黒糖味の「したたり」は冷やされていて、菊葉の甘露を連想させます。
薄茶もたっぷりと点てられていて、渇いたのどを優しく潤してくれました。

あとでお点前は鈴木宗博先生とお教えいただきました。
まさに上善如水のようなお点前に刺激を頂戴して
しばらくぶりにお点前の稽古をしたくなりました。
明日は嬉しいそのお稽古日です!

                   

粽を購入し、菊水鉾内陣を見学できて満足げな旦那さまと合流し、
15時からの「北観音山」曳き初めに向いました。

                             

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