WALKER’S 

歩く男の日日

3日目 (2) 杖杉庵

2008-05-29 | 08年四国の旅
 話を聞くと、彼は初めてのお遍路で逆打ちだということ。あと2日で結願ではないか。3月の初め頃出発したんですかと訊くと、2月22日に出発して、1週間ほどで足を痛めて10日ほど入院、退院してまたすぐ歩き始め、49日かかってここまでやってきたということでした。51日で結願ということか、明日は大山寺に登るという。彼はほとんど野宿で、徳島に入ってから宿に泊まったのは1回だけだといいました。焼山寺の登り口で車のお接待を受けて、写真の杖杉庵を行きすぎてしまったことに後から気づいた。お寺の手前で降ろして貰うと、道に迷って結局杖杉庵の所まで戻ってきてしまった。衛門三郎に呼び戻されたような気がしたと笑っていました。
 5分ほど休憩して一気に下る、つもりだったのが前に20人くらいの団体が歩いている、この時間にこの地点を歩いている人がいるとは考えられない。藤井寺を5時前に出ないとここまで来られないはず、首を傾げながら、ごめんなさい、失礼します、お先に、を繰り返しながら脇をすり抜けていく。焼山寺への道で唯一スピードの出せるところだから歩調を合わせてる場合ではないのだ。谷まで下りると、後は最後の登り。登りではとにかく焦らないこと、ゆっくりでもいいから着実に歩を進めていくことを心がける。山道から広い緩やかな傾斜の道に出る少し手前のところで、前を行く男女のお遍路が目に入る。広い道に出たところにベンチがあって思わず、という感じで休憩を始めようとしていた。挨拶をした後で、あと15分ですよ、と声をかけた。それならという感じで、また歩き始めようとする、ぼくはそれを振り返らずラストスパートだ。まだ体力に余裕がある。楽々今までの最速タイムと同タイムで12番に到着、時間は9時55分、ここまでは文句のない素晴らしい歩きだ。
 5分遅れでさっきのカップルがやってきた。さっきの場所からきっかり15分、お参りが終わってから話を聞く。彼らは1回目は車で巡って、今回は2巡目、区切り打ちで今日13番まで行って、そのまま大阪に帰るということでした。週末の2~3日を利用して月に1回くらいのペースで巡るようでした。さっき、あと15分、と声をかけて貰ったのがとても励まされたと、お礼を言われました。初めてだと先が全然見えないから本当にくじけそうになる。ぼくも最初のときそうだった。幾度も道ばたにへたり込んだことがある。次回以降のためにと遍路宿情報を手渡す、特に柳屋旅館を大いに宣伝する。
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