WALKER’S 

歩く男の日日

23日目 伊予西条駅~一野屋旅館(四国中央市)

2015-08-04 | 15年四国の旅

 伊予西条駅の近くの宿を出たのは5時50分、この近くから出たときは伊予三島駅の近くの宿まで36km、札所もないから、かなり楽に歩ける1日だったのですが、今回は納経があるので三角寺をお参りして、その4km先にある宿に泊まるので46km、今回の旅で2番目の長さになってしまいます。2番目に心配な1日です。


 駅前にコンビニがあったので入ろうとしたら、男性お遍路さんが出てくるところ、駅の方に歩いていきました。伊予三島まで札所がなくてJRがへんろみちと並行して走っているのでこの区間電車を使う人もいる。あるいはバスで石鎚に向かうのか。ぼくも来年はここから中萩まで電車に乗る予定です。
 06年と09年にこの近くのにぎたつ旅館に泊まったときは、駅の西側の踏切を渡って、讃岐街道に入って国道に出たけれど、今回は距離が長いので東側の踏切を渡ります。国道に出るまでの道はへんろみちでも何でもないけれど、今日は近道優先です。
 踏切を渡った所にあるのはぼくの地図ではパチンコ屋ですが実際はイオンになっていてしかも閉店していました。駅に近い所で駐車場も広くてイオンなのに。駅の西の方にマルナカがあるからみんな慣れた方がいいのかもしれないし、市役所の北の方にはフジグランもありますから。
 イオンの角を左折して、東へ600m行くと道が突き当たる、右折して200m行くと国道に出ます。駅の近くのホテルに泊まるとこの道が一番の近道だけど歩く人はほとんどいないでしょうね。少し遠回りになっても讃岐街道の続きを歩く方が意義があります。
 国道に出てきたポイントは讃岐街道が国道に合流するポイントの380m先になります。そこから800m先がパナソニックの正門、その50m先に昨年休憩したコンビニがあります。昨年は小松からだったのでいい距離だったけれど、今回はまだいくらも歩いていないのでスルーします。コンビニの200m先に讃岐街道の入口が現れます。国道を歩いたときでも南側のこの道は入らなかったけれど、今回はもちろん入ります。900mほど進むと、赤点線のへんろみちに合流です。

 国道の南側の赤点線の道を歩くのは8年ぶりでしたが、橋を渡って郵便局くらいまではぼんやり覚えていましたがそれ以外の所はほとんど記憶に残っていませんでした。1700mほどで国道に合流します。国道を850m進むと西条市と新居浜市の市境、市境から500m進むと渦井川、川を渡るとまもなく讃岐街道の入口です。ここまで伊予西条から6700m、次の休憩ポイントまでがいつも長く感じる所です。
 街道に入って中萩小学校までが2600m、この街道は細い道でありながら車が容赦なくスピードを上げて迫って来るという悪い印象があったのですが、今回は車の数も少なくて無茶な走り方をする車もなくて気分良く歩けています。
 中萩小学校から2080m、喜光地商店街の広場にようやく到着したのは7時40分、本日最初の休憩です。宿から106分41秒、ベストタイでした。同じ道を歩くのは初めてなのでやはり時速で換算しました。時速は6.42kmです。
 休憩していたら自転車遍路さんがやってきて声をかけてくれました。松山の手前でズボンに入れていた長財布を知らない間に落として引き返す所だそうです。逆打ちなので讃岐方面に向かっている。
 今日は歩き遍路さんに会わない日です。伊予西条駅から先の宿は12km先のMISORAだけで、そこに泊まっていなかったら一人も出会うことはないでしょう。歩きの人に会わないと、考えることが少ないので自分の歩きに集中します。集中するとカメラに手が伸びません。
 30分休んで、8時10分に喜光地商店街を出発します。
 商店街から1300mで国領川を渡る、この橋の手前100mで左折して国道を越えた所にビジネスホテルMISORAがあります。
 橋を渡って1500m進むと街道は国道に合流します。
 国道を700m進むと街道が現れます、この700mは街道の上に国道が造られたということになります。両側がちょっとした山に挟まれているので国道も街道を避けることができなかった。
 国道を離れ街道を歩いていると左手に見える国道を歩いているお遍路さんが見えました。MISORAに泊まった人に違いありません。MISORAに泊まった人は伊予三島まで23kmほどしか歩かないから朝もゆっくりです。
 800mほどで街道はまた国道に合流、合流した所にあるコンビニでは毎回のようにその日の夕食を買っていたけれど、もっと三島に近い所にコンビニができたので利用しなくなってしまいました。今日は2食付きで泊まるので、そちらのコンビニにも入りません。
 国道に入って700m先にまた街道の入り口がありますが、昨年歩いたので今回はそのまま国道です。今日は距離が長いので仕方ありません。
 国道を1kmほど進むと、緩やかなカーブを描きながら左折、カーブの途中に新居浜市と四国中央市の市境があります。市境を過ぎて230mほど行くとまた脇道の入口がありますが、これは街道ではありません。街道は市境から100mの所を逆に向かって入る、この道も昨年歩いたから入りませんでした。
 脇道を450m進んだ所で街道が合流してきます。街道を1400m進むと関川郵便局、関川小学校の前を通ってさらに1900mで国道を今度は合流しないで横断します、ここまで来ると次の休憩地別格12番は近い。時刻は9時48分。

 国道を横断して140mでJRの踏切を渡ります。さらに660m進むと浦山川を渡り、360m行くとまた踏切です。踏切を渡ると別格12番はもう秒読み、改めて時計を確認しようとしたら、声をかけられました。「ちょっと待って、飲み物あげるから」、家の中に入ってわざわざリポビタンDを持ってきてくれました。今年31回目のお接待です。納札を渡して丁寧にお礼を言います。ここまでくると、今年の自分はそれまでの自分と大部違うのかな、と真剣に思います。7巡目の時にも納経帳は持っていたし服装も全く同じ、歩く速さも変わりません。違うのは今回は写経を持っていることくらい、それでも何かしら内から出てくるものがあるのでしょうか、お遍路らしい雰囲気が備わってきたのでしょうか。そういうものは本人には全く自覚はないけれど、もしそういうものを感じてもらえているのだとしたらとてもありがたいし、嬉しいことです。
 10時06分、別格12番延命寺に到着しました。喜光地商店街から113分53秒、ベストより1分早く着いてしまいました。時速は6.43km、2日前とは大違い、理由がよく分からないのがもどかしいところですが。
 いざり松の横にある休憩所で30分ほどたっぷり休みます。伊予三島駅の近くの宿に泊まったときは距離が短くて時間を持て余したものですが、今回はまだ4時間近く歩くので、30分以上は休めません。

 延命寺を10時35分に出発、蔦廼家、松屋旅館の前を通り21分で国道を横断します。街道はここから伊予三島まで国道の南側をはしる。新居浜とは違ってここからは車の通りも少なくて安心してのびのび歩けます。2300m進むと松山道土居インターチェンジへ上がっていく道の下を抜け、すぐ大地川、昨年架け替え工事中だった橋がまだ工事中。仮歩道橋を渡ります。
 さらに3400m進むと、街道は国道に接近、一番近づいた所にコンビニがあります。国道に面していて街道からもすぐ入れる。その街道側の道ばたで20代の男性お遍路さんが弁当を食べています。ぼくと同じ伊予西条駅近くの宿から来たのだとしたらなかなかの健脚です。歩きの調子がよいので挨拶だけして行き過ぎました。


 12時07分、コンビニから1800mの所にある伊予三島寒川郵便局に到着しました。百円玉16枚下ろします。明日の札所は4ヶ所ですが、明後日が9ヶ所、明日も下ろさねばなりません。
 もう少し先のバイパスの交差点にあるヘンロ小屋で休むつもりだったのですが、一旦落ち着いてしまうともう少しが大儀になって、近くの自販機でアクエリアスを買って道ばたに腰を下ろしてしまいました。天気がすごく良くて気温も大部上がっています。しばらくしたら、コンビニの前で休んでいた若者がやってきました。行き過ぎようとしたのですが声をかけて話を聞きます。今日は三島の宿までだから、あと30分で着いてしまう。明日は観音寺まで行くつもりだがまだ宿は決めていない、40kmは歩いたことがあるというので、ぼくが泊まる宿を紹介しました。雲辺寺越えの42kmは大丈夫かなと思ったけれど本人が歩く気満々なのようなので何も言いませんでした。
 郵便局の前を12時32分に出発、バイパスの交差点に着いたのは12時45分、延命寺から104分54秒、またまたベストより1分早い。郵便局の前でたっぷり休んだのでヘンロ小屋には入らずそのまま次の札所に向かいます。
 交差点から300m先がへんろ別れ、街道を離れるポイントです。ここから1500mほどは12年ぶりに歩きます。最初の時も伊予三島駅の近くに泊まったのですが、ここまで戻ってきっちりへんろみちを歩きました、一度歩いたので以後は宿から近道です。12年ぶり2回目というのは、本当に初めて歩くのと同じでした。ほとんど目に入る光景に記憶はありません。
 過去8回とも伊予三島駅の近くの宿に泊まったから、三角寺は朝一番のお参りでした。昼間、しかも晴天で気温は高く、ここまで35km歩いているとなると、絶対べストに近いタイムは出ないと思いながら歩いています。少し前にアクエリアス500ccを飲んだばかりなのに、すぐ渇きが来て戸川公園のトイレで水を補給しました。このトイレを使うのも初めてです。坂道の勾配がきつくなるととたんに汗が噴き出ます。陽射しが容赦ない。短い短絡路の山道が終わるまでこんなに辛い思いをしたのも初めてでしょう。


 14時01分、65番札所三角寺に到着、バイパスの交差点から73分45秒、ベストより30秒くらいしか遅れませんでした。へんろわかれからはきょろきょろしながら珍しそうに歩いたし、坂道は全然調子が上がらなかったからこんなタイムが出るとは思ってもみませんでした。この時間に歩きの人はいないだろうと思ったら、駐車場の横のベンチに女性が休んでいました。MISONOから来てぼくと同じ一野屋ということは考えられる。
 宿まで40分ほどなので、時間はたっぷり、落ち着いてお参り納経を済ませます。距離が長くて少し心配だったけれど、こんなに余裕を持ってここまでこられるとは自分でもびっくりするくらいです。
 14時35分出発です。一野屋に下りていく道は途中までは昔のへんろみちで、白黒のへんろ地図(5版)にはちゃんと赤線がありました。下りていく道の入口に道しるべがあるので間違って古い道を行く人もいて、実際に椿堂で会ったこともあります。
 くねくねとして、分岐もいっぱいあるのでパソコン地図を印刷したものを手にしながら、慎重に下っていきます。初めて歩く道で、これから先も歩かないだろうからタイムは気にせず、のんびり初めての景色を楽しみます。写真を撮ればよかったのだろうけれど全部が初めてなのでポイントが絞れず、結局歩くだけになってしまいました。


 15時16分、迷うことなく一野屋旅館に到着しました。三角寺から42分04秒、時速は5.79kmでした。宿泊客はぼく一人、3日連続で同宿者なしです。さらに3日前は素泊まりの宿で、4日前は素泊まりで泊まったから、5日連続で一人で夕食を食べます。


 メインの海老フライと牡蠣フライはあまり美味しくなかったですが、それ以外はまあ普通です。
 部屋は二間続きで良かったのですが、敷き布団がぺらぺらで寝られたものではなく座布団を並べてマットの代わりにしました。全体に微妙な感じで5段階評価ならCで落ち着くでしょう。2食付き5500円だから、まあ納得できる宿ではあります。

 23日目の歩行距離  46.0km
      歩行時間  7時間21分  3度目の1日トータルでベストタイ
      平均時速  6.26km