自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

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がん放置療法 <子宮頸がんについて>

2013-11-27 06:00:30 | 図書メモ


昨日は、「がん放置療法のすすめ」から、前立腺がんに関する情報でした。
今日は、同上、子宮頸がんについてです。   

P.74  イタリアで行われた臨床試験で、1b~2a期の患者を二グループに分け、

   片方に広汎至急全摘術、他方に放射線(単独)治療を行いました。


   結果、両者の生存期間や再発率は同じで、

   合併症は放射線治療のほうが少なかったのです
。(Lancet 1997;350:535)


   なお、2b期以上(つまり、3期、4期まで)は、その臨床試験の対象となっていません。

   これは欧米では、2b期以上のスタンダードは放射線(単独)治療だからです。

   欧米では、3期、4期はもちろん、2b期も手術不能とされています。


   手術手技自体は実行可能なのですが、がん細胞を取り残してしまうからです


   ところが日本では、2b期でも広汎子宮全摘術を行う婦人科医が圧倒的多数です。

   しかし、がん細胞は取りきれない。そのために術後に、放射線を骨盤全体に照射する。

   それでようやく放射線(単独)治療と同等程度の再発率や生存期間になるのですが、


   ただでさえ甚大な手術の合併症(術後肺炎、骨盤内膿瘍、腹壁ヘルニア、腸閉塞など)は、

   放射線を併用したことにより、一層ひどいことになります。(たとえば、リンパ浮腫)


P.75 要するに子宮頸がんの手術は、術後に放射線を照射して、

   ようやく放射線(単独)と再発率や生存期間が同じになるわけです。

   だったら、最初から放射線(単独)治療にすべきです


   イタリアの試験結果が出てから、もう15年になろうとしています。

   しかし日本ではいまだに1b期にも 2a期にも広汎子宮全摘術がスタンダードとされている。

   しかも術後に放射線照射をする頻度も高い。

   そこまで患者を危険にさらし、現実に数多くの合併症をつくっているのです。


P.76 なぜ日本だけが前述のような科学的根拠=エビデンスを無視し、

   1b期~2a期の子宮頸がんに手術を行っているのでしょうか。

   しかも患者に手術のみを勧める、というのは犯罪的ですらあります。


   広汎子宮全摘術を続ける婦人科医たちは、

   医学的良心をどこかに置き忘れているのではないでしょうか。

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