心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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ほほえましいと言われ

2015年02月13日 | 母のこと
先日 温泉にて。
母は先に上がり ゆっくりと着替えをする。その時間たるや他の人の倍以上はかかる。わたしはお風呂道具とかを片付け 母の背中に軟膏を塗ってあげるとまた温泉の中に戻って体を温める。
それがいつものわたしたち。
母のところから温泉内に戻って 椅子に腰かけていたとき 隣に最近見かける体格の良い女性が座った。目のぱっちりした方だ。その方が 思いがけず話しかけてきた。
「お姑さんですか?お母さん?」と。
「あ、母です」
「そうですか・・・なんかいつも仲が良くて、羨ましいなと思って」
「あら そうですかぁ」と笑って答えると
「そうなんですよ。お母さんと話しているとほほえましくて ついいいなあって見てしまうんですよ」
「あなたのお母さんはご健在ですか?」
「86歳で 弟夫婦と暮らしているんですけどね。前は温泉にも来れたんだけど、今は外を歩くにもひとりでは歩かせられないぐらいになってしまって・・・おたくは一緒に来れるものねぇ」
「一緒に来るけど 温泉の中でも歩くのは大変そうで、それでもここに来ると知り合いもいるし楽しみにしてるみたいですよ」
「あなたのお母さん 優しそうだものね」
「あら そうですか!(笑ながら)わたしの父も母も静かに話すので 荒げた声で話すことがなかったから、そんな雰囲気に見えるのかもしれないなぁ」
「ほら わたしなんか この体格でしょ。声が大きくて・・・」

声が大きいと怒ってるように思われてしまうのかなとふと思った。ちょっと寂しそうな顔で言ったその人が 思いついたように
「でも 病院につれていくときだけは弟じゃなくてわたしに連れていってくれって母が頼むんですよ」
「そうそう、男の人は女性の気持ちがわからないから困るって 弟が連れていってたときにわたしの母もこぼしてました!」
ふたりで思いだしたように笑い合った。

「それにしても 本当におたくさんたちはほほえましいわ。見てるほうが気持ちいいですよ」
と その人が繰り返すのを照れながら聞いていた。

帰りがけ 車の中で 優しそうなお母さんだって言われたことを話すと、
「実は 前にも他の人に言われたことがあってね」
「え?そうだったの?」
「お前と隣同士で なんか夢を見た話をしていてお前がずっと聞いていた時のことだよ。お前の隣に座っていた人がお前がサウナに行った後で話しかけてきてね」
「なんて?」
「優しい雰囲気で 何気なく聞いてしまったけど、なんだかその雰囲気が良くてずっと聞いていたくなったって。母さんが優しいからでしょって言われたんだよ」
「あらぁ 良かったじゃないの なんで教えてくれなかったの?」
「だって・・・ほら・・・自分のこと言われたからなぁ・・・お前のことじゃないし・・・」
あらあら 遠慮しちゃって(笑)

母は自分の顔が好きじゃないらしい。皺だらけで嫌だと言う。でも母の顔を見ると 結構みんな笑顔であいさつする。相手と目が合った時にニコッとするその顔がいいんだと思う。年を取るとその人となりが顔に現れると言うが、良い感じで年を取っている母だと思うことがこの頃 よくあるのは娘にとってすごく嬉しいことだ。

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10年前のカラー粘土にはまっていた頃の 小人ちゃんのひとり。

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