河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

私と歩行分析 6

2008-01-28 | 私と歩行分析
4.吉備国際大学初期(平成7年4月~)

1年間のアメリカ留学から帰国し、すぐに吉備国際大学に赴任した。
当初、私には理学療法士を養成するという4年生大学というものがどのようなものか、全く分からなかった。
医局からの指示だったので、当面大学病院で診療を手伝いながら講義のある日には出校して授業をするのかと思っていた。
そんな状態だったので個人研究室があると知ってびっくりした。
それだけでなく、理学療法士を養成すると言うことでCYBEX 6000があったし、筋電計があったし、3次元動作解析システムが整備されていた。
これらの教育研究機器は、理学療法士養成校には必ず設置しなければならないとのことだった。
私の講義担当は1年生にリハビリテーション概論、リハビリテーション医学、身体運動学実習を教えると言うことになっており、いきなり1年目から講義が始まった。
それだけでなく、後期からは身体運動学実習で実習を行わなくてはならないとのことで、その準備を前期の間にしなくてはならなかった。
身体運動学実習であるから、CYBEX 6000も筋電計も3次元動作解析システムもすべて使いこなさなくてはならない。
結局、毎週のように業者の方に来ていただいて、機械の操作法を教えてもらう事になった。
いろいろな機械がそろっていて嬉しいような困ったような状況だった。

中でも困ったのが3次元動作解析装置で、本校にはイタリアBTS社製のElite Systemが導入されていた。
ところが、これが性能通りには動いてくれないのである。
しょっちゅう業者の方が来て調整してくれるのだが、なかなか良いデータが取れない。
どうも、床反力計の設置場所が良くなかったようだ。
壁際に偏って設置してあり、天井の隅に取り付けたカメラから足下を映すと鋭角過ぎてうまく認識しないのである。
この3次元動作解析システムには部屋の工事費も含めると1億円くらいかけたそうで、これでデータが取れないのでは話にならない。
その後の長い苦悩の始まりであった。

コメント
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