河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

保健福祉研究所予算の締め

2008-02-29 | 大学
本日、総額6300万円もある保健福祉研究所の予算の最終調整を行った。
補助金がらみなので予算は全額予定通り使わなくてはならない。
残すと補助金が減るし、オーバーすると大学が損をするのでぴったり使わなくてはならない。
今日、ほとんど残額1万円くらいでこれを使い切るように調整した。
ほとんど不可能に近い執行状況である。
何か、忘れていた物品購入伝票が出てきたら予算オーバーとなってしまう。
しかし、明日からは出張だし、まさかのことまで心配していたら寿命が縮む。
やるだけのことはやったのであとはもうしらない。

来年からは年間予算の2500万円を執行していかなければならないが、本当に頭が痛くなる。
大学教員なのに公認会計士にでもなったかのようだ。
初めて研究所を使うので、電気代などの維持費がどれくらいかかるかやってみなければ分からない。
まさかこんな状況になるとは補助金をもらうまでは考えてもいなかった。

とにかく無理矢理一区切りをつけたので、明日からは心機一転サンフランシスコでリフレッシュするつもりだ。


理学療法学科の4年生はこの日曜日に国家試験を受ける。
頑張って欲しい。
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どたばた

2008-02-28 | 大学
土曜日には国際学会に出発である。
6日の夜帰国して7日、8日には大学でシンポジウムとコンファレンスがありそれぞれ発表しなければならない。

そんな状況なのに、今日は3次元動作解析システムの調整と、帰国後行われるゴルフスイングのモーションキャプチャーの打ち合わせでつぶれてしまった。
さらに、研究所のホームページとリーフレットの校正。
つきあいのある企業からの研究協力の要請。
研究所補助金の最後の調整。
などなど出発前にいろいろと片付けておかなくてはならないことが残っている。

はっきり言ってもうたくさんだ。
勝手にしてくれ...と言いたい。

国立にいたならこれほど雑用はせずにすんだだろうと思うと悲しい。
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ORS3日前

2008-02-27 | 研究・講演
今週土曜日にはサンフランシスコへ出発する予定だ。
ORSからはBadge と Check-In Ticket が送られてきた。
今週はゆっくり準備ができるようにとこれまで頑張ってきたのだが、相も変わらず雑用の山に押しつぶされそうである。

昨日は今年度中に立ち上げなければならない保健福祉研究所のホームページの資料作りや会議、新しい実験機器の納品、加納先生の論文のWebでの校正などしていたらあっという間に一日が終わってしまった。
それから開発中の筋トレスパッツの試作品が届いた。あわてて評価して、本試作のための連絡を業者さんに入れた。

本日は朝から午後にかけて学内共同研究報告会があり司会進行を務めなければならない。
夕方には教授会もある。
それなのに学会で少し話をしただけの業者さんが岡山に来るついでがあるからと昼休みに製品紹介のために訪ねてくると言う。
いったい昼食はいつとったらよいのか。

ばたばたしていてORSの準備に何か忘れていることがあるのではないかと気になって仕方がない。
パスポートの有効期限はまだ大丈夫だし、保険にも入った。
関空までのチケットも取ったし、他に忘れていることはないと思うが...
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リハ学会編集委員会

2008-02-22 | 研究・講演
リハ学会編集委員会のため東京へ。
この時期審査する投稿論文は少ないが、今回は最優秀論文賞の審査委員会が行われるため遅くなる。
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県立広島大学大学院集中講義

2008-02-16 | 大学
年1回行っている集中講義で、「運動学特論」を担当している。
今回は午後から介護動作の解析を行うために、実験補助として吉備国際大学の学生および大学院生も数人連れて行った。
朝早くから出かけて帰宅はだいぶ遅くなったが、大きなトラブルはなく無事終了した。
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Neurochemical Research 論文アクセプト

2008-02-15 | 研究・講演
昨日、入試問題を作ったり、後期の成績をつけたり締切の迫った仕事をばたばたと片付け、昨年末以来の懸案だった加納先生の論文の投稿作業を午後3時からWebで行った。

そしたらなんと今日アクセプトの返信が届いた。

Dear yoshi:

I am pleased to inform you that your manuscript, "Artepillin C Derived from Propolis Induces Neurite Outgrowth in PC12m3 cells via ERK and p38 MAPK Pathways" has been accepted for publication in Neurochemical Research.

この論文は2年ほど前に投稿して査読者からいろいろと修正を指示され、それを行うのに今までかかったいわく付きの宿題であった。
加納先生は今回は絶対大丈夫なように穴を全部つぶして投稿したのだが、それにしても投稿即採択とはさすが加納先生である。

新しくできる研究所と加納先生の存在だけが傾きかけた本学の唯一の希望の星である。
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資源ゴミ当番

2008-02-14 | Private
今朝は町内会の資源ゴミ当番の日だった。
昨夕、家内がもう一人の当番の方とゴミ出しの準備をして、今朝は7時から8時の間、ゴミ捨て場で待機して的確に資源ゴミが所定の場所に捨てられるように目を配った。
町内会のゴミ問題担当のおばさんがいて、事細かく指示をくれる。
今回は申し送りが悪くて、夜間の鍵の管理が従来のやり方と違うことになり、そのことでおおもめにもめた。
数年に1回の当番なのできちんと紙にでも書いて申し送りしてくれないと分からない。
ゴミ捨て一つとってもやっかいこの上ない。

大学にもルールは山のようにある。
とりわけ今は年度末で会計処理上のことでトラブルが毎日頻発する。
事務の女性は毎日ぴりぴりして、余計なことを言ったら爆発しそうである。
科研費を始め年度末の処理はきちんとしておかないと後でとんでもないことになる。

人として生きていこうと思うと、家庭、地域、職場などあらゆるところで決められたルールを守らなくてはならない。
ところがそのルールのとらえ方には人によってかなりの差があり、これがもめる原因になる。
先のゴミ捨ての件では、町内会のルールとは別に、ゴミ問題担当の熱心なおばさんが定めたローカルルールがあり、これがまたもめる原因になる。

科研費の執行などについては細かな事柄については各大学の定めるローカルルールに従うことになっており、これがもめる原因になるので今朝の一件はそれと似ている。

今年度になって本学では科研を始め物品を購入する時には研究者が直接業者から受け取ってはいけないことになった。
いったん事務の検収センターできちんと検収を受けて研究者に渡されるようになったのである。
1万円以下の物品は立て替え払いが認められているが、これも購入したら現物と領収書を事務に持っていって検収を受けることになった。

ところが他大学ではそのようなことをしていないところも多いので、業者は従来通り研究者に直接ものを送ってくる。
そうした場合は、正式にはいったん送り返さなければならないのだが、制度の変わり目なので事務に持っていって善処をお願いすることになる。昨日もそんなことがあったばかりである。

そんなこんなでこの一年面倒な作業が頻発して困り果てた。

とかく人の世は住みがたし。
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平成19年度臨床実習委員会

2008-02-09 | 大学
岡山市内のピュアリティまきびにおいて臨床実習委員会が行われた。
理学療法学科としては年度末最大の重要セレモニーである。

北海道函館の高橋病院からも担当の先生にまたわざわざ参加してもらったし、沖縄の実習病院からも来ていただいた。
大変なことである。

年々本学卒業生の参加者が目立ってきた。
良い傾向である。
卒業生が全国に散らばり、そろそろ後輩の指導を任せられる年代になってきているのである。
こうなってくると実習地確保は比較的安定してくるのではないかと思う。

参加してくれた卒業生数人と挨拶を交わしたが、その中の一人がこのブログを毎日見ていますと言っていた。
どうせ見ているのなら何か気の利いたコメントでも書いてくれればよいのにと思う。

だいたい、このブログは元々自分個人の備忘録として始めたものなのだが、最近少しずつ反響も出始めて、だんだん調子が上がってきた。
生まれてこの方日記など続いた試しがなかったのに、こんなに長くブログを書いている自分が不思議だ。

一つには何をやっても誰もほめてくれないので、自分で自分を励ますという意味が大きいのかもしれない。
学会発表一つとっても、それをもれなく記録しておくと、その蓄積が自信となりさらに頑張ろうという気が起きてくる。

いわば自分で自分に行うコーチングである。


何でもいいが、卒業生がこのブログを読んで、私や母校の様子が少しでも分かるのなら嬉しい。
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私と歩行分析 15

2008-02-07 | 私と歩行分析
MAC3Dを導入して約1年間にわたって使用してきた。
途中プロジェクトファイルの不具合で計測が強制終了したり、Noraxonの筋電計のレシーバーの初期不良などと言うトラブルもあったが本質的にどうしようもないと言うほどの問題は発生していない。

それよりも計測結果をそのままパソコン画面上でリアルタイムに提示できるという機能は歩行分析を新しいステージに引き上げたと感じさせる。
なぜなら床反力ベクトルと関節中心との位置関係がすぐに分かるし、それより何より見ていて楽しいからである。

本学ではろくに操作ができないうちからオープンキャンパスや来客にこのリアルタイム3次元動作解析のデモをどんどん行っていった。
そうすることによって我々も操作練習ができるし、来客も喜んでくれる。
大金を支払ったわけだが、大学のPRにはかなり貢献したのではないかと思う。

これからはこのシステムを活用して、教育と研究面で成果を残して行かなくてはならない。

幸い、外部の大学や企業からも共同研究の提案が入ってきており、少しずつ活用できはじめているところである。

今後の課題は、大学内にMAC3Dを操作できるチームを作り上げ、効率的に計測が行える体制を確立することである。
その一番良い見本は江原先生の作ったVICONクラブではないかと思う。
VICONクラブではクラブ活動として動作解析を行い、先輩から後輩にうまく操作テクニックが伝わっていくと聞いている。
このような機能的なシステムを確立できるかどうかが、高価なシステムが生きるかどうかのポイントだと思う。

これを持って「私と歩行分析」のシリーズは一旦終了である。
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保健福祉研究所研究紀要

2008-02-06 | 研究・講演
遅ればせながら保健福祉研究所研究紀要に論文を投稿した。

Isokinetic Closed Kinetic Chain Exercise による膝リハビリテーション

河村顕治、加藤茂幸、加納良男、宮地 司、井上茂樹、松尾高行、阿部信寛、元田英一、鈴木康雄、グアン リー

共著者はこのテーマに関してこれまで多少なりともお世話になった先生や院生である。

本研究課題は平成19年度に採択されたオープンリサーチセンター整備事業「健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究プロジェクト2(臨床研究):健康増進と障害予防のためのバイオメカニクス」の中心課題に位置づけている。

この論文は少しでも新しい研究所を盛り上げようというささやかな努力である。

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私と歩行分析 14

2008-02-06 | 私と歩行分析
実際にMotionAnalysis社製MAC3Dシステムを導入してみて、アメリカに留学中の時使っていたシステムとそっくりだと言うことに気付いた。
以前アメリカでMotionAnalysisになじんでいたのでMAC3Dを入れたわけではないのである。

当初、機器選定を行う時に、当然真っ先にVICONを考えた。
一度エリートで懲りているので機器の選定は慎重にならざるを得ない。

判定のポイントは
1.性能
2.アフターケア
3.価格
この3点である。

性能についていろいろな人に意見を聞いて回った。
すると意外なことに、メカに詳しい工学系の人が口をそろえてVICONよりもMAC3Dの方が優れているという。
詳細に調べてみるとVICONのNEXSUSが登場する前の段階では確かにMAC3Dの方が優れているように思えた。

アフターケアについても評判を聞いて回った。
MAC3Dを扱っているNACさんは以前はVICONを扱っており、評判は良かった。

価格についてもMAC3Dの方が割引が大きかった。

結局詳細に検討した結果、MAC3Dの方が優れているという結論になったのだった。

VICONの名誉のために付け加えると、その後、VICONには新型が登場し、性能的には五分五分だと思う。
あるいはわずかにリードしているかもしれない。
しかし、VICONに先行された分、MAC3Dも次のバージョンアップではさらに進化すると思われる。

私にとってみれば、性能の多少の差よりは、実際にそれが使いこなせることの方がはるかに重要である。

パソコンでも世界中で全ての人がWindowsを使っても、自分のMacが不自由なく使えればそれでよい。

ちなみにMacユーザーだからMAC3Dにしたわけではない。
誤解されると困るがMAC3Dは現状ではWindows Xpで動くシステムである。
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私と歩行分析 13

2008-02-05 | 私と歩行分析
5.吉備国際大学現在(平成19年3月~)

1回目のオープン・リサーチ・センター整備事業補助金申請失敗を受けて我々が利用した補助金は私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助というもので学術研究の振興、高等教育の高度化を推進するため、私立大学等の研究施設、大型の教育研究装置の整備費について文科省が補助するものである。
このうち研究装置についての補助金には下記のような縛りがある。

1個又は1組の価格が4,000万円以上のものであること。
ただし,設備を単に数個集めて4,000万円以上にしても1組とはみなさないので留意すること。

当該装置を設置する建物その他の施設に関し,新増改築工事,改修工事又は電気工事,ガス工事,給排水工事その他の付帯工事(以下「施設工事」という。)を必要とするものであること。

補助率は,装置の整備に要する経費の1/2以内とする。(保守料,消耗品費及びソフトウェアの整備に係る経費等は補助対象外。)

特に施設工事を必要とするものという制限があるので、オープン・リサーチ・センターを建築する時なら問題ないが、現在の3次元動作解析システムを更新する場合には何らかの工事が必要となった。
そこで、少し贅沢ではあるが、床反力計をそれまでの2枚のシステムから床工事を行って4枚に増やすことにした。

結局補助金は獲得できることになり、平成19年3月に下記のシステムが導入された。

MotionAnalysis社製MAC3D(カメラ8台)
Kistler床反力計4枚
ビデオカメラ3台
Noraxon無線式動作筋電計(16チャンネル)
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私と歩行分析 12

2008-02-04 | 私と歩行分析
1年近くかけて保健科学研究科の教員全員の研究内容を無理矢理まとめ上げて、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業(オープン・リサーチ・センター整備事業)に応募する申請書を書き上げた。
この補助金は半額助成であり、予算の半分は法人から出してもらわなくてはならず、最終的には理事長の許可が必要である。
私は学長始め主だったメンバーと共に緊張しつつも理事長面談に臨んだ。
平成17年年末のことである。
これでだめだと言われればそれまでで、これまでの努力は全て無駄になる。
しかし、実際に理事長に面談すると意外にも好意的で、逆に是非頑張って下さいと励まされてしまった。
そうしていよいよ平成18年1月に文科省に申請書を提出したのであった。

あとは採択の返事を待つばかりと思っていたが、4月6日に不採択の連絡を受けたのであった。
かなりショックだったが、へこたれていても何の解決にもならず、とりあえず3次元動作解析装置などの大型研究機器だけでも、文科省の研究装置・設備を対象とした別補助金に申請することになった。
オープン・リサーチ・センター整備事業に再度挑戦しても採択される見込みがあるかどうか分からなかったからである。
その上で、改めて次年度の文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業(オープン・リサーチ・センター整備事業)に応募する事にしたのである。

その結果、平成19年2月には3次元動作解析装置などの補助金の採択通知が届き、5月1日にオープン・リサーチ・センター整備事業の採択通知が届いた。

こうして念願の3次元動作解析システムの更新が平成19年3月に行われたのである。

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私と歩行分析 11

2008-02-03 | 私と歩行分析
3次元動作解析システムを更新しなければならないとは考えていた。
しかし同時にそれは不可能であると言うことも分かっていた。
何故なら更新のために必要な予算は控えめに見ても数千万円であり、私がいくら努力して研究費をかき集めても数百万円だったからである。
私がこれまで獲得した一番大きな研究費は科研費基盤研究Bであるが、これは上限が数年計画で総計2000万円である。
2000万円全部出せば最低限のシステムは組めるかもしれないが、2000万円で初年度に3次元動作解析システムを導入してあとは予算無しで研究を行うという研究計画は100%間違いなく落ちるに決まっている。
機器の購入が目的の研究計画とみなされるからである。
科研費で購入するとしたら基盤研究A以上の大型研究費を取るしかない。
とてもそんなことができそうには思えなかった。

私が見聞きした範囲では3次元動作解析システムを導入するのは学部を新設するとか、リハセンターを新規に作るとかの場合に設置経費で導入するという場合だけだった。
もう諦めるしかないと本気で思っていたのである。


ところが、事態は思わぬ方向へ流れていった。

少子化で入学者の減少が続く中、全国どこの私立大学においても生き残りをかけた大学改革の動きは盛んである。
学生は減る一方なのに大学はどんどん増えている。
文部科学省は大学設置の基準を緩くする一方で、大学のクオリティーチェックを始めたのである。
2002年の学校教育法改正に伴い、2004年度以降わが国の大学は、文部科学大臣の認証を受けた評価機関による評価を7年以内の周期で受けることが義務づけられた(認証評価制度)。これを受けて、大学基準協会が2004年度に機関別認証評価機関としての認証を受け、わが国ではじめての認証評価を行うとともにその結果を公表するようになった。
吉備国際大学においても生き残りのために大学をあげて報告書を作成し、大学基準協会の認証評価を受けたのである。

その結果、何とか認証を受けることはできたのだが、多くの改善勧告と指摘事項を受けることになったのである。
その中の一つが、保健科学研究科につけられた
「設置後10年を経過して研究機器の老朽化が問題である。」
と言う指摘だったのである。

吉備国際大学では次の基準協会の評価を受けるのに備えて、新学長の下、教育・研究改革推進中核センターという組織を立ち上げ、私は何故か研究部門の副部門長に任命されてしまった。
これが3年前の出来事である。

それからが大変だった。
基準協会の指摘もあり、研究機器の更新をしなくてはならないが、大学の一部学科で定員割れが起こっているような状況で大学全体の予算も厳しいものがあり、法人本部が予算を新規につけてくれるわけがない。
今回は細胞培養などの基礎実験室の整備なども問題になっている。
もともと3次元動作解析システムの更新すらできないのにどうやって保健科学研究科全体の研究機器・実験室の整備ができるというのか。

会議を開いていろいろ検討した結果、これらの問題を一気に解決する方法として、文科省が行っている補助金の申請をするしかないと言うことになった。
いろいろ検討して一番可能性がありそうなのが、文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業(オープン・リサーチ・センター整備事業)に応募するというものだった。
この補助金は、研究所などの建物を建てる予算も補助の対象になる上、研究機器、研究年間予算など全て対象として5年間半額が補助される仕組みになっていた。
これなら、基礎の実験室も整備できるし、3次元動作解析システムなども新規に導入できるし、地域の健康増進の拠点としても使うことができる。

戦略として大学院保健科学研究科=保健福祉研究所=オープンリサーチセンターという形を取ることにした。
保健福祉研究所というのは吉備国際大学に設置はされているものの規定と年間220万円の予算があるだけで、建物としての実態のない組織であった。これを、補助金申請の母体と位置づけたのである。


問題解決の戦略は決まったが、それからが苦難の連続であった。
結局私一人で申請書を書かなくてはならなかったからである。
容易に想像できると思うが、いろいろな立場の人がいろいろな意見を言ってくれるが、実際に作業を手伝ってくれる人はほとんどいないからである。
中核センターの研究部門副部門長という辞令をよくわからぬまま受け取ってしまったがために、この大変な作業を行わなくてはならなくなったのである。

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私と歩行分析 10

2008-02-02 | 私と歩行分析
その後歩行分析に関しては鳴かず飛ばずという状況であったが、平成15年4月に畠中先生、中俣先生が鈴鹿医療科学大学へ転出していった。こうなると誰もエリートを使う人がいなくなり、オープンキャンパスの時に設置した部屋を見てもらうだけになってしまった。

ちょうどこの頃、東大のベンチャー企業から3DマッスルシミュレータARMOがリリースされ、私はすぐにこれを購入した。
それまで名古屋の労災リハ工学センターの元田先生、鈴木先生に筋張力シミュレーションをお願いしていたのが自力でできるようになると思ってのことである。
3DマッスルシミュレータARMOは3次元動作解析装置で計測したデータをDIFFという臨床歩行分析研究会が提唱するフォーマットに書き出して、それを読み込むだけで筋張力の計算ができ、アニメーションで動画が見られるという画期的なソフトだった。

こうなるとエリートで何とかデータを計測する必要性が出てきた。

そうこうしているうちに、兵庫リハセンターでエリートの計測をしていたPTの人が、吉備国際大学には同じエリートがあるからとして大学院修士課程に入学してきた。
ますますエリートを使わなくてはならない状況になってきた。

それで意を決して、苦労を承知でエリートを使い始めたのだが、やはりうまく計測ができるときとだめなときがあり、なぜうまく計測できないのかという原因がさっぱり分からないと言う状況が続いた。
これではせっかくこのエリートを目的に本学大学院に来てくれた人に申し訳ない。
大学院修士課程は2年間であるから何とか計測して修論を完成させなければならない。

最初は関連校の岡山理科大学のVICONを使わせてもらったりしてデータを取った。
次に同じエリートが入っている岡山県南部健康作りセンターに行ってデータを取らせてもらおうとした。
ところが、岡山県南部健康作りセンターのエリートも壊れていたのである。

この頃になるとそれまでイタリアからエリートを輸入販売していた商社丸紅系の業者もエリートの取り扱いをやめており、別の業者がエリートの販売権を引き継いでいた。
しかし、もう業者はまったく頼りにできないような状況だった。
エリートに関しては本体の老朽化と、ソフトが全くバージョンアップせずに不具合を残したままであると言うことと、サポートすべき業者がさじを投げたと言うことで完全に終わっていた。

ちょうどその様な時に、ブラジルのサンパウロで国際学会があり、私も参加した。
平成17年4月のことである。
この学会にイタリアBTS社も機器展示を出しており、新しい3次元動作解析システムを展示していた。
そこで分かったのはエリートシステムは欠陥商品であり、BTS社はエリートをバージョンアップすることなく新規に全く別のシステムを作っていると言うことであった。
その時、展示していたBTS社の人は、日本の市場が失われかけている事を非常に憂えていて、必ず特別価格で新しいシステムを提供すると約束したが、日本に帰ってイタリアと連絡を取って提示された金額は全然安くなかった。
当時からユーロは円に対して随分高くなっており、イタリアで安いと思う金額も日本円に直すと全然安くなかったのである。

このようなことがあって、新しい3次元動作解析システムをいかにして導入するかと言うことが問題になってきたのである。

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