河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

第46回理学療法士・作業療法士国家試験結果

2011-03-31 | 大学
今年の試験結果はとんでもないものだった。

合格率は全国平均で理学療法士が74.3%、作業療法士が71.0%で、例年の90%以上の合格率と比べると非常に厳しい結果になっている。
本学理学療法学科卒業生でも、ストレート受験組で2名の不合格者、卒業生全体で4名の不合格者が出てしまった。
全国平均と比べると遙かによい成績だが、100%合格を目指していただけに悲しい結果であった。

個人的に就職先を紹介した学生が1名不合格になっており、先方に早速お詫びの連絡をした。
「試験は水物」と許して頂いたが、心苦しかった。
落ちた学生も辛いが、教員も辛い。

来年は頑張って絶対に合格して欲しい。
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新年度に向けて

2011-03-31 | 大学
本日午前中、新年度の学長および教育開発・研究推進中核センターのメンバーが集まってこれからの活動方針について話し合いが持たれた。
いろいろな話が出たが、私なりに大まかに今後の方向性をまとめると以下のようなことだと理解した。

教育については、地方私学の置かれている現状を考えるとまず第一に取り組まなくてはならないのは学生確保である。
そのためには学生に対するきめ細かな対応が必須であり、チューター制度などをさらに充実させる必要がある。
カリキュラムに関しては厚生労働省指定規則変更に伴うカリ改訂は待ったなしであり、これを盛り込みつつ全学共通教育カリキュラムを作成し合理化簡素化を進める。
カリキュラム改革は教員の負担も軽減するものであると言うことがポイントである。

研究については、これまで整備してきた各種委員会等はそのまま継続し、将来的展望として大学院と各研究所を一体として運営する方向へ舵を切る。
本学は地方私学にしては珍しく、多くの大学院と4つの研究所を持っており、この資産を今後積極的に活用していく。
大学院教員は全員が研究所所属となり、研究所に経常費補助金が下りて恒常的に運営できる体制を確立する。

社会貢献については地域交流を中心に活動を行っていく。
オルガノン岡山での活動を今後どのようにしていくかが課題となっている。


私の主な役割としては教育開発・研究推進中核センター研究部門副部門長兼理事長室付学外連携推進室長として、最大の責務は研究所に経常費補助金が下りて恒常的に運営できる体制を確立するということかと理解している。
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日本リハ学会関連機器委員会の委員

2011-03-27 | 大学
日本リハビリテーション医学会理事の水落和也先生より日本リハ学会関連機器委員会の委員就任要請が届いた。
関連機器委員会の活動課題は
 1)福祉用具の選定に関する実態調査結果の分析報告
 2)福祉用具についての広報活動
 3)運動療法機器、作業療法機器についての広報活動
などであり、平成23年度はリハ関連機器の体系分類作業を主な活動に据えているとのことである。

この4月からは大学の役職を3つ兼務の予定で、これ以上仕事が増えるのはきついのだが引き受けることにした。
理由の一つは、東北関東圏では震災の影響で学会所属の先生方にもかなりの負荷が生じており、震災を受けなかった私が学会の委員を引き受けるのはある意味今回の被害に対する貢献にもなるだろうと言うことだ。
もともとリハ関連器機については私の研究テーマの一つでもあり、何らかの貢献が出来るのではないかと思う。
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卒業式も終わったというのに

2011-03-24 | 大学
卒業式も終わったというのに相変わらず忙しい。

昨日は大学院生室の不要機器処分で、古くなったコピー機を破棄した。
学生は春休みで誰もいないので、研究科長自らがコピー機の始末をした。
台車に載せたり下ろしたりする時に少し腰を痛めてしまった。
ちょうど今、ある雑誌からの依頼で「腰痛予防に必要なバイオメカニクスの基礎知識」という原稿を書いている最中なのだが、自分が腰痛になったのでは話にならない。
その後、研究科長・研究所長合同会議など会議が2つあった。
夜は、卒業したゼミ生を自宅に招待して食事会を行った。
本来ならもっと早くすれば良かったのだが、家庭の諸事情でできなかったのである。

今日は、来月から4年生になる学生に理学療法研究法演習というオムニバス科目(集中講義形式)の講義を行った。
例年冬休みまたは春休み期間中に「文献資料のまとめ方」および「発表用資料のまとめ方(抄読会)」というテーマで3年生を対象に講義を行っているものである。
もうすぐ学外実習に出ていくので文献の探し方、書き方など基本的なことを講義した。
その後、会議が3つ続いた。

何でこんな時期に会議が多いのかというと、様々な規定があり、何かある度に会議を開いて了承を受ける必要があるからだ。
新しい教員を採用するとか、新年度からカリキュラムを変更するなどの案件が今年は重なり、これでもかと言うほど会議がある。

今日の講義中も携帯に月末の会議の連絡が入り、新年度からの中核センターの新体制について打ち合わせ会議を行うとのことだった。
会議日は3月31日である。
結局、春休みもろくに休みのないまま終わってしまう。
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卒業式

2011-03-22 | 大学
自分のゼミ生が総代であったり、いろいろな表彰を受けていることを知り、ちょっとびっくりした。
優秀なゼミ生を受け持っていたのに、彼らの能力を十分には引き出してやれなかったのではないかと反省した。
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先を見通す能力

2011-03-21 | Private
おおよそ、私の経験からすると、人間が不安に駆られる原因は先が見通せないことから来るように思う。
情報があり、それを解釈する能力があれば、たいていの不安は最小化する。
これ以上悪くなることはないと覚悟を決めれば前向きな気持ちも生まれてくる。

今回の大地震で不安なのは、津波被害の甚大さもさることながら、原発事故の先が読めないことから来ている。
テレビではコードの関係からだろうが、悲惨な映像は映らないし、政府の発表も今ひとつはっきりしない。

そんな中、ネットで大前研一氏の解説を見た。


地震発生から1週間 福島原発事故の現状と今後(大前研一ライブ579)


原発事故はいったん急場を凌いでも今後何年も冷却し続けなければならないことがよく分かるし、最悪の場合でもチェルノブイリのようなことにはならないと言うことがわかった。

なぜ、テレビでこういう情報をきちんと解説しないのだろうか。
今の日本の民度からすれば、パニックを起こすことなく冷静に事態を受け止めると思う。

今こそ政治家には正確な情報に基づいたきちんとしたリーダーシップを発揮して欲しい。
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特別入試を震災被害現地で行う

2011-03-17 | 大学
入試が行われると、その都度理事長に報告を行うために本部でヒアリングが行われる。
先週末に大学院の入試があり、本日午後、ヒアリングが行われた。
今回は延岡の九州保健福祉大学ともテレビ会議システムで繋いで学部長・研究科長が全員そろった状態での会議であった。

ひとしきり報告が終わった後、理事長から今回の地震災害に対する報告があった。

それによると本学は震災被害を受けた学生に対して、現地で入試を行うとのことだった。
特待生扱いで授業料は全額免除とし、さらに住む家を高梁市が提供してくれるとのことであった。

高梁市はこれとは別に、地震で家を失った被災者のために市内で空き家になっている家を50個から100戸提供するとのことであった。

大学と自治体が連携して行う対策としてはこれはなかなかすばらしい取組ではないだろうか。
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学長通達

2011-03-17 | 大学
今朝の気温は高梁市で氷点下-1度であった。
車の窓はびっしりと凍り付いていた。
福島の避難所で死亡者が出たとの報道もある。
東北でこの寒さではあまりにも過酷だ。

本学の関連校である千葉科学大学も被災し、学長から正式に通達が出た。

本学も可能な限り支援を行っていくというものであるが、最後にこう締めくくられている。

甚大で悲惨な被害に対し、こころをいため、また不安に思つている方も多
いと思います。しかしながら、冷静に学業、日常業務を遂行してゆくこと
が、幸い被災しなかったものの義務と考えます。落ち着いて学業、日常業
務に精励してください。

今回の震災で改めて命のはかなさを思い知った。
しかしそうであるからこそ、人生は無駄にはできないとより強く感じた。

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大学危機管理で非常招集

2011-03-14 | 大学
東北地方太平洋沖地震による未曾有の被害状況が時々刻々と明らかになっている。

学長秘書から携帯電話に緊急連絡があり、対策会議を開くから集まれとのことだった。

岡山にいると何もない穏やかな日常だが、本学にも被災地出身の学部生、院生は少数ながらいるので、その安否確認がまず必要だ。
被災地の方面に実習に行っている学生や挨拶に行っている教員もいるかもしれない。
既にほとんどの情報は集まっていたが、その情報を一本化して集約する危機管理センターが本学には存在しない。
付け焼き刃で急遽危機管理の部署を作ることになった。

後は被災地に対する援助だが、本学は新見にある国際貢献大学校と提携しているので、本学のボランティアセンターで人・物・金に関わる援助資源を集約して国際貢献大学校を通じて援助を行うこととした。
既に先週末からボランティアセンターの学生が駅前に立って一般市民から義援金を募っているのだそうだ。

その他、今はちょうど人事異動と卒業の時期であり、送別会や壮行会、謝恩会などの宴会が行われることになっている。
単なる宴会をこの時期に行うのは社会的に問題があるので、少なくとも公式の行事については全部中止とは行かないが、何らかの配慮をすることになった。
ちなみに、役職者で構成される今週予定されていた送別会は、本来送られるべきだった学長の意見で中止となった。
既に集められた会費は義援金に回すことになるのかもしれない。

ニュースによればまだまだ孤立して苦悩している被災者がたくさんおられるので、我々ができる援助はしなくてはならないと思う。

ただ、会議の場で今日聞いた情報では、現在求められているのは組織だった援助であって、1人で現地に乗り込んでも迷惑なのだそうだ。
乗り込んだボランティアにも水や食料は必要なわけで、ただ闇雲に行ったのでは貴重な援助物資をボランティア自身が消費してしまうと言う笑えない状況に陥ってしまう。
災害ボランティアセンターが立ち上がるまで、決して現地に行くようなことはするなと言う指示が来ているそうだ。
そういう意味でも、システマティックに援助を行うと言うことは非常に大事である。
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大学院入試

2011-03-13 | 大学
午後、岡山駅前キャンパスで大学院の入試が行われた。
本来、通信制の入試だけなのだが、通学制大学院に関しても若干の定員枠が余っていたので追加入試が行われた。
通学制保健科学研究科に1名の出願があり、これで定員ぴったりの6名となる。
これで本年の入試もすべて終了である。
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第86回知能化医療システム研究会

2011-03-13 | 研究・講演
ナカシマメディカルの研究所であるR&Dセンター(岡山空港の近くにある)において知能化医療システム研究会が行われた。
午後は大学院の入試があるため午前中のみ参加した。

地震の影響で東大のグループはほとんど不参加だったが、研究会を主催されている東京大学大学院工学系研究科 光石 衛 教授は飛行機で岡山に出てこられた。

知能化医療システム研究会の最近の中心的な取り組みは人工関節用ロボットの開発に関わるもので、今日も新しい補助金が取れたと報告があった。
この補助金は『アジア基準認証推進事業補助金』というもので、これから約3年間で1億円がつくとのことだった。
ただし、今回の地震のこともあり、不要不急の予算は削ることもあるらしいので、なくなる可能性もある。
それでも、この補助金を使って今年中には薬事をクリアできるようなモデルを完成させたいとのことであった。

家でごろごろしていれば多少疲れはとれるかもしれないが、こうして研究会に参加するとおもしろい話題に事欠かない。
岡山も田舎ではあるがこうした最先端の研究もあるのだ。
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第86回 人工関節の機能高度化研究会

2011-03-12 | 研究・講演
久しぶりにナカシマメディカル 本社で行われた人工関節の機能高度化研究会に参加した。

最近は土日でも何かしら用事があるのでなかなか研究会にも参加できない。

本日は地震の影響で関東の先生方はほとんど参加されていなかった。
また、今日は国立大学の入試とも重なっており、さらに参加者が少なかった。
それでも京大の富田直秀教授は参加されていた。

私も暇なわけではないが、研究会などに積極的に参加することはいろいろな意味で有意義である。
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講演の感想

2011-03-12 | 研究・講演
昨日の市橋先生の講演タイトルは
『筋の機能と運動療法』
であった。

いくつかのテーマについてお話をされたが、Extensin Lagがあると歩行時に膝折れするのか?というトピックについて、手術で大腿四頭筋を切除した患者さんでも膝折れせずに歩けるので、ヒラメ筋のCKCでの脛骨を後方に引く作用が重要だとのコメントが印象に残った。
以前はハムストリングの作用が重要と考えていたが、実際にはスクワットなどでもハムストリングはあまり筋活動を示さないので、現在はヒラメ筋に注目されているのだとか。

私は少し考えが違う。
CKCでハムストリングがあまり筋活動を示していないからと言って作用していないと言うことにはならないと思う。
二関節筋の腱様作用で張力を発揮していることだってある。
やはりハムストリングの股関節伸展作用でCKCの状態で膝伸展というのもあると思う。

真実はハムストリングだけでもなくヒラメ筋だけでもなく、殿筋、ハムストリング、下腿三頭筋すべてがバランス良くCKCの状態で膝伸展を起こす働きをしているということなのではないだろうか。
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東北地方太平洋沖地震と講演会

2011-03-11 | 研究・講演
岡山に住んでいて全く体感できなかったが、本日午後2時46分ごろ、東北地方で強い地震が発生した。
報道では時々刻々とその被害のすさまじさが伝えられている。
日本の記録史上最大の地震らしい。

本日は、岡山赤十字病院で講演会が予定されており、興味があったので参加した。
講師は京都大学の市橋則明先生で、講演の冒頭で、たまたま今日は神戸に来ていたので岡山に来ることができたとのことであった。
地震発生以降、大阪より東では交通はすべて止まっているようだ。

岡山は相変わらず平和だが、テレビを見ると目を背けたくなるような津波の映像が繰り返し流されている。
情報が錯綜していて詳細は分からないが、これは大変な被害をもたらしているのではないだろうか。

明日はナカシマメディカルで研究会が予定されているが、関東から参加予定の先生はおそらく来られないだろうと思われる。
担当者からは予定通り開催するとメールが来たが、大変なことになった。
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高梁市を良くするには

2011-03-10 | 大学
昨日の学生支援GP第3者事業評価委員会の後の意見交換会で盛り上がった話がおもしろかったので記録しておく。
私が4月から学外連携室長になることを受けての話である。

本学のある高梁市には未だ一般には知られていない観光資源がいくつもある。
高梁市が全国的に有名になれば学生も増えるし活気が出てくるだろう。
その知られざる観光資源の一つは吹屋銅山でありもう一つは恐竜の化石である。

吹屋銅山は宣伝不足と言うことだが、恐竜の化石はまだ見つかっていない。
ただ、高梁市には日本でも珍しい古い地層があるらしいので、掘れば必ず見つかるだろうということらしい。

実はしばらく前に東大名誉教授で本学理事の和田先生が講演に来られた時に、後輩の東大教授から勧められて、高梁で化石を掘りに行かれたという話を聞いたことがある。
何でも民家の庭先で、掘ればいくらでも化石が出るのだそうだ。
そんな話は一般には全く伝わっていない。
地元の限られた人しか知らない情報である。
民家なので来られたら困るから隠しているのかもしれない。

そんな話を聞いたので、それにヒョウタンゴケを絡ませたらりっぱな町興しになるのではないかと私が横から割り込んだ。
ヒョウタンゴケというのはこれも本学理事の和田先生が持ち込まれた話である。
和田先生が理化学研究所の顧問をされていることから、理化学研究所で今注目されているヒョウタンゴケを使った研究を吉備国際大学でもやってみないかということになったのである。

これは一時期マスコミでも報道されたのだが、「ヒョウタンゴケが金を蓄積、資源回収に応用へ 理研など」として話題になった。

銅山には金などもあるらしく、吹屋銅山にヒョウタンゴケを栽培して金を回収したらこれはおもしろいことになる。

「吹屋銅山」「恐竜の化石」「ヒョウタンゴケ」と3つそろったら結構おもしろい展開になるのではないだろうか。
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