河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

高速道路の無料化

2009-07-30 | 旅行記
今回掲載するのは、私が1995年にアメリカ留学から帰国して本学に赴任した頃、岡大整形外科学教室の同門会誌に寄稿した文章である。
総選挙が近づき、民主党が高速道路の無料化を掲げている折でもあり、掲載してみることにした。
ずいぶん早くから高速道路が無料になったらよいのにと考えていたのだが、いざそれが現実味を帯びてくると反対に不安が出てきた。
アメリカと違って日本の高速道路は車線が少ないし、異常に混むだろうと言うことと、財源の心配である。
将来の増税が引き替えに待っているのであれば、無料化もあまりありがたくない。


それでは、以下に昔のエッセイを掲載します。


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二つのハイウェー
 河村顕治
 日本は進んだ国だからもう外国から学ぶようなことはほとんどないと考えている人は意外に多い。しかし、一年間アメリカで暮らしてみてやはり日本は多くの面で欧米諸国を後追いしていると認めざるを得なかった。なかでもこれから述べる二つのハイウェーは今後の日本の将来を左右するほどの最大の問題点ではないかと思った。
 一つはもちろん高速道路である。アメリカでは基本的に高速道路は無料である。この背景には高速道路は車を利用する人だけでなく、物流を介して車に乗らない人にも大いに役立つものであるから、基本的には国民全体で支えるという考え方があるようだ。翻って日本の現状を考えると、たとえば瀬戸大橋が往復一万円というのはいかにも高すぎる。高速道路を無料にしてくれるのであれば消費税を多少上げても良いとさえ思う。先ごろ青森から鹿児島までダイレクトに高速道路で接続されたが、高速道路を利用しての物の移送費は巡り巡って消費者に転嫁されてくる。高速道路の利用料金を高く徴収することは国民全体の立場に立てば余分の間接税を徴収されているのと同じことではないだろうか。またアメリカではガソリンが安いこととあいまって車でのレジャーが盛んである。アメリカ滞在中の最も楽しかった思い出の一つが車でのナイアガラ、カナダ旅行であるが、三千キロも走ったのにさほど疲れも感じず、経済的にも信じられないほど安く旅行が楽しめた。しかし日本では道路は混むし高速道路は高いしで、遠方にドライブ旅行する気にはとてもなれない。もし高速道路が無料になったなら物価は確実に下がるだろうし、働き蜂日本人の余暇利用に貢献すること受け合いである。
 さて、もう一つのハイウェーは情報スーパーハイウェーである。ご存じのとおりアメリカはインターネット発祥の地である。情報スーパーハイウェー構想はクリントン政権の最重要政策の一つであり、ゴア副大統領は今世紀中に全米の全ての学校、図書館、病院を新しいネットワークに組み込むと表明している。インターネットはその核となるものである。  アメリカでもパソコンは現在やはり高価で誰でも利用しているわけではないし、小さな研究室ではコンピューターを持たないところすらある。しかし私はコンピューターを研究に使用している研究室に所属していたため、自分自身でその様子を多少見聞きしてきた。そこでは日常的にコンピューターのネットワークを利用して電子メール(Eメール)のやり取りが行われていた。アメリカの大学の学生及び研究者はほとんど全員が電子メールのアドレスを持っていると思ってまちがいない。主要な大学はそれぞれ独自のコンピューターネットワークを組んでおり、たとえば学生はレポートを教官に提出するのに電子メールを使っている。そのネットワークを全て統合したのがインターネットなのである。したがって、これを利用すれば研究者は自由自在に世界中の仲間と情報のやり取りができるのである。もちろん利用料などというものは存在しない。
 このネットワークの力を感じた出来事を一つ紹介しよう。あるとき我々の研究室で野球の投球動作の研究を行うことになった。大リーグからの委託研究で、もともと他の研究者が行っていたものを研究室ごと引き継いだのだった。結果は締切までには出さなくてはならないが締切はすぐそこに迫っている。このプロジェクトの責任者になった仲間はすぐにインターネットを利用して世界中の研究者に情報を求めた。驚いたことにすぐに反響があり、続々と貴重なアドバイスが電子メールで送られてきた。日本では電子メールというのはマニアのお遊びだと思っていたが、これは違う。本当に、研究のための有力なツールなのである。
 私はそのような環境の中で、アドレスはもらったものの通信をしようにも日本に電子メールを送る相手がいるわけでもなく、ただ見ていただけであったが、唯一頻繁に活用したサービスがあった。それは、自宅から図書館のネットワークにアクセスしての文献検索である。これは便利であった。一日二十四時間いつでも何時間使用してもただである。しかも、Medline の検索のみでなく目的の雑誌や本が図書館の何階のどの書架においてあるかまで自宅あるいは研究室にいながらにしてわかるのである。あとは、暇なときに図書館まで行って借りるなりコピーすればよいのであるから、時間のロスは最小限ですむ。図書館にない文献は日本と同じで他の図書館から取り寄せてもらえる。これも無料であった。アメリカではたいてい電話の通話料も市内は基本料金さえ払えば無料なので、文献検索にかかる費用は実質まったくのただである。
 その後、日本に帰ってきて初めてインターネットにアクセスする理由ができた。今度はアメリカに通信したい相手がいる。いっしょに研究を進めてきた仲間達だ。しかし、岡山に帰ってきていろいろ勉強してみたが、なかなかインターネットにアクセスできない。プロバイダーと呼ばれる民間の会社に高い使用料を払えばアクセスできるのは知っているが、アクセスポイントが東京や大阪にしかなく、入会費が数万円もするし月会費も高い。いろいろ検討した結果、もともと入会しているニフティーサーブを利用すればインターネット経由で電子メールのやりとりだけは安くできることがわかった。これなら市内通話料とわずかの利用料金だけでサービスが受けられそうだ。期待に胸膨らませて短い英文のメールを送信した。一夜明けて、ニフティーにアクセスしてみたが何も届いていない。そして二日目、やったついに成功、返事が届いていた。このときのうれしさは、経験した人にしかわかるまい。
 丁度そのころ、昔書いた坂道歩行の論文について、フランスの研究者から手紙が来ていた。坂道を歩くロボットを開発中なのでデータが欲しいということであった。最後に電子メールのアドレスを教えて欲しいとあった。さっそく彼にも返事を送信した。これには半日もしないうちに返信がきた。いろいろと質問があって、大変ではあったが英語で返事を書いて送信した。またすぐ応答があった。インターネットもかなり疲れるものだと言うことを知った。
 電子メールのメリットはいろいろあるが、結局情報のやり取りが正確に確実に早く行えれば良いわけで、郵便や電話やファックスの他にもう一つの選択枝ができたことは喜ばしい。これらの中で電子メールは、アメリカの様に環境さえ整えば、おそらく最も早く、正確でしかも最も安価な通信手段になるだろう。そのためにもアメリカ同様、研究者が好きなときに好きなだけ自由に通信ができるようになって欲しいと願っている。間違っても高速道路のようにハードは出来上がっても高くて頻繁に利用できないなどということにはなって欲しくない。そのような環境が出来れば、インターネットを利用して海外の仲間と共同研究をするのが今の私の夢である。日本にいながらにして留学したのと同じことができればすばらしい。幸い私の所属している吉備国際大学も遅まきながらインターネットに接続できるようになる見込みである。日本はまだまだ遅れているが、数年前には夢にも思わなかったようなことが可能になってきているので、この流れに取り残されないようにしていきたいと考えている。  
(昭和60年入局)1995年記述

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広報委員会

2009-07-30 | 大学
やっと前期試験も終了しほっとする間もなく、今日は午前中に学部の広報委員会が開かれた。
議題はホームページについてである。

今や大学の宣伝にホームページはかかせない。
特に見栄えだけがよいのではだめで、頻繁に更新することが重要である。

いろいろと話し合った末、各学科でブログを作って、その更新作業を大学院生をアルバイトで雇ってやらせたらどうだろうかと言うことになった。

アルバイトになるなら面倒な更新作業も苦にならないのではないだろうかと言うことである。
そのアルバイト学生に各教員が材料をメールで送り、ブログにアップしてもらう。
もし、材料が送られてこなければ、そのアルバイト学生から教員にメールで催促してもらって順番に何か記事を書いてもらうというアイデアである。

これなら何とかうまくいくのではないだろうか。


私のブログも何かアップして価値を高める工夫をしよう。
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熱中症に注意

2009-07-28 | 研究・講演
先日の岡山スポーツ医科学研究会で岡大医学部後輩の伊藤君が熱中症に関する発表を行っていた。

『推定湿球黒球温度を使った熱中症の発生状況の検討』
岡山大学大学院教育学研究科 伊藤武彦ほか

大学で学生がクラブ活動などで熱中症で倒れるのを防ごうという取り組みである。


たいてい普通の人は水分をしっかり取ってさえいれば熱中症にはならないと思っている。
帽子をかぶっていれば大丈夫とか、室内なら大丈夫とか漠然と考えている。
もっと真剣に考えている人でも、体温が熱くなってきたら要注意とか考えているくらいであろう。

しかしこれらは実態とは全く異なる。
水分を浴びるほど飲んで熱中症になることもあるし、むしろ熱中症で体温が下がることの方が多い。


参考のために私が経験したことのある熱中症の救急患者の話を書く。

その方は41歳のスポーツ愛好家で、休日に行われたバトミントン大会に参加した。
会場は大きな体育館。
時期は7月でむしむしと暑い時期。
熱中症の知識はあったので水やスポーツ飲料は多量に摂取した。

競技に熱中しているうちにふくらはぎのあたりが痙攣し始めた。
こむら返りかと思って液状の痛み止めを塗ったら軽快したので競技を続行した。

そのうち再びふくらはぎが痙攣し始め、次第に大腿から上半身へと痙攣が広がっていった。

慣れたトレーナーが会場にいて、これは熱中症だと判断して救急要請をして、救急車が来るまで熱いシャワーを全身にかけ、みんなで体をマッサージしたとのことであった。

病院に到着したとき、患者の状況は体が冷え切って手足はチアノーゼを起こしている。
しきりに寒い寒いと言う。
腿やふくらはぎが痙攣して痛いからさすってくれとしきりに訴える。
多量に発汗している。

点滴を開始したが、なかなか症状はおさまらない。
ついてきた友人全員で下肢をマッサージする。

点滴1本目が終わりかけた頃、やっと少し落ち着いてきた。


これは多量に水分を取ったために、それがあだとなり塩分やミネラルが失われて起こった熱痙攣である。
熱中症では重症になればむしろ皮膚が冷たくなる。

室内でも、水分を多量に取っていても熱中症は起こると言うことである。
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第33回岡山スポーツ医科学研究会

2009-07-26 | 研究・講演
昨日7月25日、岡山大学自然科学研究科棟において第33回岡山スポーツ医科学研究会が行われた。

開催に先立って役員会が行われたが、来年は川崎医療福祉大の矢野先生が担当幹事で、大学生も参加しやすいように前期試験の前の7月上旬か夏休み明けの10月頃に開催と決まった。
次回からはどこかのホテルの会場で研究会を行い、そのまま懇親会を行うスタイルに変わるらしい。
今の大学構内に比べて学生にとっては少し敷居が高くなるかもしれない。

一般演題の発表の後、特別講演が行われた。

『運動の心身への恩恵とその機構ー生活習慣病・介護予防の観点から』
九州大学健康科学センター教授 熊谷秋三 先生

運動疫学の話だけでなく、骨格筋のシグナル伝達経路に関する基礎研究のお話しもあり、非常に膨大な内容が詰まったおもしろい講演であった。

熊谷先生とは今回初対面である。
講演後、熊谷先生と少しだけお話しをさせて頂いたのだがおもしろいエピソードがあった。

「あと岡山大学医学部の先生では衛生学教室の津田先生を知っています。」

「彼なら私の同級生です。世間は狭いですね。」

「津田先生の水俣病の研究のことを知って私から連絡を取ったんです。彼は本当に勇気がありますね。すばらしい人です。」

「彼は私の結婚式に来て赤フンで裸踊りをしましたよ。」

「えっ、津田先生にはそんな面もあるんですか。」

「そうなんです。学生の頃から宴会専門でした。盛り上げるのが得意なんですよ。」

「・・・・・・・・・・・」
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研究指導

2009-07-21 | 研究・講演
今日の午後は大学院生の研究指導が3件続き、ほとんどそれで終わってしまった。
研究機器にもトラブルがあり、あれやこれやでばたばたと時間が過ぎていく。

研究指導のうち1件は、本学を卒業して現在通信制大学院2年生のA君だが、わざわざ名古屋から出かけてきて研究の進行状況を報告してくれた。
おおよそ研究指導をしていて、こちらの意図が院生に十分伝わらずやきもきさせられるのが普通なのだが、A君の場合は逆にこちらが期待していた以上の成果を上げつつある。
学生の頃のちゃらんぽらんぶりを知っているので本当に驚かせられる。
あのA君が多変量解析を使いこなしているなんて驚天動地である。

しかし、おふざけぶりは相変わらずで、帰り際に自分のことを
「通信制大学院のエリート、ホープ、希望の星!」
等と言いたい放題で帰って行った。

まあ何でもいいが頑張るのはよいことである。
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日本リハビリテーション医学会中国・四国地方会

2009-07-19 | 研究・講演
会場のアイテムえひめ(愛媛国際貿易センター)は実際に来て見ると松山駅からもかなり離れており、不便な場所だった。
岡山からだと東京の学会の方が近く感じる。

午前中の一般演題の後、昼食を挟んで総会があり、その後特別講演が二つ行われた。


◆特別講演1(13:50~15:20)

座 長:伊予病院 副院長 藤田 正明 先生
片麻痺への促通反復療法の理論と実際
― 効率的な神経路再建/強化を目指して ―
鹿児島大学大学院 医歯総合研究科 リハビリテーション医学
川平 和美 先生

◆休  憩(15:20~15:30)


◆特別講演2(15:30~17:00)

座 長:会長 木戸 保秀(松山リハビリテーション病院 院長)

悪性腫瘍(がん)のリハビリテーション
慶應義塾大学 医学部リハビリテーション医学教室 専任講師
辻 哲也 先生


どちらの講演も興味深く聴かせて頂いた。
川平先生の講演は、現在行っている電気刺激の研究の参考になりそうに思った。
辻先生の講演は、父を肺癌で失ったことからリアルに自分に近い問題として感じることができた。

参考:がんのリハビリテーション
http://www.cancer-reha.com/
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中国四国リハビリテーション医学研究会

2009-07-18 | 大学
第23回日本リハビリテーション医学会中国・四国地方会、第28回中国四国リハビリテーション医学研究会に参加するために松山へ行く。
今年は年末に臨床バイオメカニクス学会がやはり松山であり、これにも参加の予定である。
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オフィスアワー

2009-07-14 | 大学
最近オフィスアワーの実施について大学で話題になっている。

授業のコマのようにオフィスアワーの時間を設定してそれをホームページでも公開するというものである。
学生サービスの観点からすると良いようにも思うが、実際にはオフィスアワーというのは随時学生が訪ねてきて研究時間などが妨げられないようにするという狙いもあるようなので、学生が授業などで来られない時間に設定されると実質的には何もしないのと同じことになる。

今日は4限目の授業が終わって研究室に引き上げようとすると、女子学生が2人教壇のところまで追いかけてきて、少し話がしたいという。
どうも私のブログを見て私の出身地が愛媛だと言うことを知り、具体的にどこの市なのか聞きたいのだという。
結局2人とも私と同郷だと言うことが判明して盛り上がった。
何と1人は高校の後輩でもあった。
1年生の時から講義をしているのに3年生になった今まで知らなかった。

授業終了後ゼミをしていたら、今度は面談を約束していた1年生の学生がやってきた。
勉強のために私が授業で見せたパワーポイントのデータが欲しいのだという。
研究室に戻ってUSBメモリにデータをコピーしながら話をしていると、彼も私の出身地の隣の市の出身だと言うことが判明した。

以前は同郷の学生などいなかったのだが、知らない間に結構入学していたのだと認識を新たにした。


話を元に戻すと、オフィスアワーとして学生と面談できるのはやはり休憩時間とか放課後しか時間が取れない。
ゼミの学生とは研究の合間などに世間話もするが、一般の学生とゆっくり話をしたりするのはなかなか難しい。

学生も本当はもっと教員とざっくばらんな話をしたいのだろうが、お互い時間的にすれ違いが多くてなかなか難しい。

このブログにコメントでもつけてくれたら返事はするのだが、学生は意外に遠慮深くて、なかなか書き込みをしないようである。
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第21回日本運動器リハビリテーション学会 当日

2009-07-11 | 研究・講演
今回は楽をするために学会場のホテルに宿泊した。
朝寝も大丈夫である。

朝一番から特別講演が行われた。

特別講演 9:00 ~ 10:00 座長 国立障害者リハビリテーションセンター 岩谷  力
高木憲次先生の肢体不自由児療育─運動器リハビリテーションのルーツ─
東京大学大学院医学系研究科関節機能再建学講座 高取 吉雄

高木先生は日本におけるリハビリテーション(正確には肢体不自由児療育)の開祖として有名であり、教科書にも出てくる方である。
しかし、どのような仕事をされたのか、今日までほとんど知らなかった。
度重なる戦争による被害を被りながら、日本で肢体不自由児療育の火を灯し続けたことを初めて知った。
高木先生の業績はもっと周知すべきと思った。


今回この学会に参加するつもりになったのは二関節筋に関するシンポジウムがあったからである。

シンポジウム1:二関節筋 11:20 ~ 12:20
座長 国立障害者リハビリテーションセンター 赤居 正美
九州大学病院リハビリテーション部 高杉紳一郎
2 ─ S1 ─ 1 二関節筋の運動制御機能特性について
京都大学名誉教授 熊本 水頼
2 ─ S1 ─ 2 二関節筋存在下での筋活動レベルの制御
東京大学大学院教育学研究科身体教育学コース 野崎 大地
2 ─ S1 ─ 3 二関節筋力学体系を考慮した運動機器
沖電気工業株式会社システム機器事業本部 畠  直輝
2 ─ S1 ─ 4 二関節筋と単関節筋トレーニング方法の違いを運動器疾患に活かすには?
文京学院大学保健医療技術学部理学療法学科 福井  勉

今回初めて熊本水頼先生の講演を聴いた。
精力的な刺激あふれる講演であった。
改めて二関節筋にかかわる研究をしばらく続けてみようと思った。


学会も最後になって私の発表の順番が回ってきた。

CKC における大腿直筋のサイレント現象とハムストリングの膝伸展作用
吉備国際大学保健科学部 河村 顕治
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第21回日本運動器リハビリテーション学会

2009-07-10 | 研究・講演
学会のため東京に来ている。
今回は日帰りではないので体が楽だ。

しばし慌ただしい日常から離れることができる。
こういうときに新しいアイデアが浮かぶことが多い。

積極的に気分転換を図るつもりだ。
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ピチピチ全身スーツ

2009-07-08 | 研究・講演
最近画像をアップしていなかったので、今行っている全身スーツの動作解析の写真をアップする。

これはつきあいのあるダイヤ工業が開発した全身スーツで、着ると運動が楽になると言うものである。
本当にそんな効果があるのかどうか歩行時の関節モーメントなどを解析している。

モデルのゼミ生はこの全身スーツに「ピチピチ」というネーミングをした。
着るとそんな感じなのだそうだ。

私のゼミに来るとこんなこともやらされます。
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学生に教えられる

2009-07-07 | 大学
4限目の授業が終わった後、研究室に帰るとつけていたはずの部屋の電気が消えている。

しばらく休憩してからゼミのため実験室に行くと、学生が既に動作解析のためのキャリブレーションを済ませて待っていてくれた。

「先生、研究室の電気が消えていたのに気付きましたか?」
「それからエアコンも止めておいたんですけど気付きましたか?」

「先生、省エネ気をつけましょうね。僕たちの払った授業料で電気代を払うんですから。」


今回は一本取られた。
今後気をつけるようにしよう。


折しも本日は「七夕ライトダウン」の日で、午後8時には全館消灯となる。

先日配信された通知
 7月1日付で文部科学省より、我が国では、二酸化炭素を出来るだけ排出しない低炭素社会の実現に向け、環境問題の大切さを国民全体で再確認していくために7月7日を「クールアース・デー」と定め、学校や家庭に対して参加を呼びかける通知がありました。
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医師以外ができる医療行為とは

2009-07-07 | 研究・講演
先ほど送られてきた健康教室の内容を斜め読みしていたら、ちょっと興味を引く質問があった。

Q.養護教諭のできる医療行為の範囲は?

という質問である。
私も擦り傷の処置法を解説しながら、この疑問がすっきりしなかった。
私が教えている理学療法士にも多少関係することである。
これに対して、ベテランの弁護士の方が解説を書いておられた。

まず、以下のようなことを書いておられた。
「まず、「養護教諭のできる医療行為」と言う質問は、前提を誤解しています。なぜなら、養護教諭と言う資格には医療行為が許されてなく、医師法第17条の定めに違反するからです。」

とする一方で、2005年7月26日に厚生労働省より通達された以下の通達が紹介されている。
「医師法第17条、歯科医師法第17条および保健師助産婦看護師法第13条の解釈について」
http://www.hospital.or.jp/pdf/15_20050726_01.pdf

この中で以下に掲げた行為は「原則として医療行為ではないと考えられるもの」と定められており、つまり医師免許を持たない者でも行って問題がないことと認められている。

1  水銀体温計・電子体温計により腋下で体温を計測すること、及び耳式電子体温計により外耳道で体温を測定すること

2  自動血圧測定器により血圧を測定すること

3  新生児以外の者であって入院治療の必要がないものに対して、動脈血酸素飽和度を測定するため、パルスオキシメータを装着すること

4  軽微な切り傷、擦り傷、やけど等について、専門的な判断や技術を必要としない処置をすること(汚物で汚れたガーゼの交換を含む。)

5  一定の条件を満たし、医師等の医療職が本人や家族に了解を得た上での、・皮膚への軟膏の塗布(祷瘡の処置を除く。)、・皮膚への湿布の貼付、・点眼薬の点眼、・一包化された内用薬の内服(舌下錠の使用も含む)、・肛門からの坐薬挿入又は鼻腔粘膜への薬剤噴霧を介助すること。

6 爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも化膿や炎症がなく、かつ、糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に、その爪を爪切りで切ること 及び爪ヤスリでやすりがけすること

7 重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること

8 耳垢を除去すること(耳垢塞栓の除去を除く)

9 ストマ装具のパウチにたまった排泄物を捨てること。(肌に接着したパウチの取り替えを除く。)

10 自己導尿を補助するため、カテーテルの準備、体位の保持などを行うこと

11 市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いて浣腸すること


この4番によって擦り傷の応急処置を養護教諭が行ってもよいと考えられるのだが、この弁護士さんは下記のようにも記している。

「今回の整理はあくまでも医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等の解釈に関するものであり、事故が起きた場合の刑法、民法等の法律の規定による刑事上・民事上の責任は別途判断されるべきものである。」と記載されている通り、まだまだ完全に法的問題をクリヤーしたものではないことに注意しましょう。

要するにまだグレーゾーンなのである。
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健康教室2009年7月増刊号

2009-07-07 | 研究・講演
養護教諭を主な読者としている東山書房から健康教室2009年7月増刊号が出版された。
タイトルは
『養護教諭のための教育実践に役立つQ&A集III』
である。

この中で私は二つの原稿を書かせて頂いた。

Q:小学校での擦り傷等の救急処置で消毒薬を使用すべき?

Q:どんな場合に湿潤療法をするのが適当?

シンプルな質問だが、これに的確に答えを書くというのは意外に難しい。
ゴールデンウィークの休み中にうなりながら原稿を書いたのを思いだした。
それでも、実際に雑誌となって送られてくると単純に嬉しい。

日野原重明先生は90歳を超えても盛んに著書を著しておられるが、自分がこれまでに蓄えてきた経験を本や雑誌で公開するというのは喜びであり、それが長生きの秘訣なのではないだろうか。
昨日、NHKのお昼の番組に出演されていたがいまなお原稿書きで徹夜しても平気なのだそうだ。
日野原先生は小食でも有名だが、インタビューするアナウンサーは
「あなたは仕事に熱中していないからお腹がすくんです。私は診察したり、原稿を書いたりものすごく集中してやりますから全然空腹は感じません。」
と言われて苦笑していた。
歳を取ったらかくありたいものだと思う。
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中学入試説明会

2009-07-05 | Private
今日は予定のない珍しい日曜日だが、家内から何も予定がないなら子どものためにたまには努力しなさいと言われ、進学塾が開催した中学入試説明会に行ってきた。

岡山県下の学校を中心に関西の主要な進学校から担当者が来てくれて、1校あたり35分のプレゼンを行ってくれるという企画である。
午前10時から始まり、5分間の休憩を挟んで昼休みもなく7校の説明があった。
小学生向けの塾の椅子に坐って5時間以上も話を聞くのはつらかったが、各校優れたプレゼンターを派遣してくれて、飽きることなく最後まで話を聞くことができた。

県外からは愛光中学や西大和学園、灘中学からも講演があり、特に灘中学の講演は岡山初と言うことで一番最後に設定されていた。

もちろん近い将来自分の子どもが中学受験をするだろうと言うことで興味はあったのだが、それとは別に学校の受験生集めをどのようにしているのか、その手法に興味があった。
私自身も大学でオープンキャンパスなど受験生獲得のための企画を行っているからである。

それぞれの中学校は実に様々な魅力ある取り組みを行っている。

各校の内容を公開するのは問題になってはいけないので、総合的にまとめてみる。

まず第一には過去の実績の公開である。
東大・京大・国公立大学医学部の合格実績を強調する。
これは最近では週刊誌にもランキングが公開されるので秘密というわけではない。
上位校になるほど、受験校を指導するに当たって本人の意思を尊重しつつも豊富な情報を元に例えば将来歴史を研究したいのなら阪大よりは京大を狙うべきだというような助言をするようだった。

次に学生の能力を最大限に伸ばす独自のカリキュラムの工夫である。
実名を出しても差し支えないと思うが、灘中・灘高では担任団と言って1年次に担当した教員グループが6年間ずっと教え続けるのだそうだ。
そのメリットは学生の理解度を的確に判断して学習のスピードを微妙に調整できることらしい。
優秀な学生を集めてひたすら詰め込むと言うだけの学校ではないと言うことが分かった。

それから学生の将来像を描きやすくして学習のモチベーションを高める様々な体験教育の取り組みである。
歴史ある学校ほど各界に卒業生がいるため、そのコネを最大限に利用して見学会や在校生への講演会を盛んに行っているようだ。
中学生や高校生がいろいろな職業を想像するのは難しいから、世の中には様々な生き方があるというのを知るというのはとても大切なことだと思う。

その他、学校周辺の自然あふれる環境とか、良く整備された寮とかの施設設備の説明があった。

各学校ともとても話の上手なプレゼンターを派遣しており、こんな学校なら子どもを行かせたいなと思うような講演ばかりであった。


講演を聴いていて思ったのは、各校の様々な取り組みは全て大学の広報にも役立つと言うことである。

すなわち難関大学に合格者を出すという実績は、大学にあっては国家試験合格率100%とか有名な企業への就職実績ということになるだろう。

学生の能力を最大限に伸ばす独自のカリキュラムというのは大学においてもそのまま通じるところがあり、高価な教育研究機器を有して、教育能力の高い教員が数多く配置されているということに当たると思う。

様々な体験教育の取り組みというのは、大学生の場合将来の職業はある程度決まっているということもあるので、学外実習の充実と言うことになるだろうか。

要は卒業後の就職を保証して、それに向けての教育環境と合理的なカリキュラムを充実するという当たり前のことだと思う。

もう一つ、受験生や父兄の心をつかむ方策で、大事なことに気付かされた。
それは広報担当者の人柄である。
例えばその広報担当者がその学校の卒業生であったり現役の教員であったりして、その学校を誇りに思い在学生を大事にしているという姿勢はどんな言葉よりも説得力がある。
そう言った広報担当者を持った学校は百人力である。
私が経営者なら、そう言った広報担当者には給料を2倍払ってでも来て欲しいと思うだろう。

今日の講演で感心したのは公立の朝日高校の先生で、言葉の端々から自分の高校に対する誇りと学生への愛情が感じられた。
本人もおっしゃっていたが、いくら頑張っても公立高校なので給料は変わりようがない。
ただただ熱意だけで頑張っているという感じである。

灘中学の先生もすごい。
話を聞いてなるほどと思ったが、私立の灘中の教員は転勤がない。
一度就職したら定年まで勤め上げるしかない。
そうなるとじっくり腰を落ち着けて頑張ってみるかという心境になるらしい。
開成中学のように定員を増やせば東大合格者数が増えるのが分かっていても定員を増やさないのは、じっくりと学生を育てる教育ができなくなるからだそうだ。

やはり優れた学校には優れた人材がいるのだと改めて感じた次第である。
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