年末年始に見たDVDをまとめて4本、紹介します。
ーレンタネコー
2011年 日本
監督=荻上直子 キャスト=市川実日子(サヨコ)草村礼子(吉岡)光石研(吉田)山田真歩(吉川)田中圭(吉沢)小林克也(謎の隣人)
【解説】
大の猫好きで知られる『かもめ食堂』や『トイレット』の荻上直子が監督を務め、猫を通して人と人のきずなを描く心温まる人間ドラマ。寂しい心を抱える人々に猫を貸し出して回る不思議な女性と猫たちが遭遇する、それぞれの事情を優しく見つめる。主人公を演じるのは『東京オアシス』などで独特の存在感を放つ市川実日子。彼女から猫をレンタルする面々を草村礼子や光石研ら実力派俳優が演じ、説得力のある物語作りに貢献している。
【あらすじ】
サヨコ(市川実日子)は、都会の片隅にある平屋の一軒家で数えきれないほどの猫たちと一緒に暮らしている。幼いころから人間よりも猫に好かれる子どもだった彼女の状況は今も変わらず、サヨコは占い師などの数ある肩書とは別にある仕事をやっていた。それは寂しい人に猫を貸し出す「レンタネコ」という一風変わった商売で……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「バーバー吉野」「かもめ食堂」と名作を見せてもらてって、期待しています、荻上直子監督。
いままで、不思議チャン的な脇役で活躍して来た市川実日子さんを主役に迎えての、癒し系「レンタネコ」、結構期待していたんですが。
おばあちゃんが残した庭付き一軒家にたくさんのネコと住むサヨコ(市川実日子)。
ネコばかりではなく、本当は人に寄って来てもらいたい。
今年の目標を「今年こそ結婚するぞ」に決めたけど、どうやったらいいかわからない様子。
「レンタネコ」屋をやっている。
このサヨコという女性、レンタネコやのほかに、株屋や占い師やCMの作曲家をやっていると言うけど、とにかく生活には困っていないらしい。
なんか、このあたりで現実感がないと言うか、そんな人に他人の心の中まで干渉して欲しくないわと言う気になってしまいましたが。
それでも、ネコが借りたいという人がいる。
「寂しい人にはネコを貸します」というのが売り文句ですが、そもそも寂しいと言われて手を上げるくらいの寂しさなら、軽いですよね。
本当は、このサヨコの人生が問題だと言う深読みもできますが、情報が少な過ぎて、彼女に感情移入できませんでした。
中学時代は保健室で寝てばかりいて、いじめられっ子だったのかなあ、と思わせるけど、断言はしていないし、おばあちゃんの死がトラウマか、両親の話が一言も出て来なかったので、そのへんに傷があるのか、ほんと分かりにくい話でした。
主人公の立ち位置がわからないので、それぞれのエピソードも薄っぺらく感じてしまいました。
いつそ、サヨコをファンタジーの人物にしてしまった方がよかったかもしれませんね。
それから、レンタネコ屋のお客さんの名前にみんな「吉」の字がつくんだけど、何か意味があるのかと思っていたけど、説明がありませんでした。
何だったのでしよう?
サヨコの服はどれもすごーくかわいかった!!
市川実日子は本当にステキな女優さんです。
荻上直子監督は「バーバー吉野」「かもめ食堂」のみずみずしさが失われていた感じで、とても残念だと思いました。
次に期待します。
ーロボットーENDHIRAN/THE ROBOT
2010年 インド
シャンカール監督 ラジニカーント アイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン ダニー・デンゾンパ
【解説】
最先端VFX、ド派手なアクション、マサラムービーならではの絢爛(けんらん)さを融合させたカオスな世界観が評判となり、世界興収100億円を超えるヒットをマークしたSFアクション。自身を無残に破棄した博士をうらむ超高性能ロボットが引き起こす暴走劇が繰り広げられていく。インド映画界のスーパースターとして日本でも知られる『ムトゥ踊るマハラジャ』のラジニカーントが、天才博士と狂気に支配されたロボットを一人二役で熱演する。監督は、『ジーンズ/世界は2人のために』などのシャンカール。
【あらすじ】
10年もの月日をかけて、バシー博士(ラジニカーント)は自分と同じ姿かたちをしたハイテク・ロボットのチッティ(ラジニカーント)を開発。さまざまなトラブルを巻き起こしながらも、人間社会の規律や習慣を学んでいくチッティだったが、次第に感情が芽生えるようになる。やがて、博士の恋人サナ(アイシュワリヤー・ラーイ)に心を奪われ、強引に彼女に気持ちを伝えようとするが、それが博士の逆鱗(げきりん)に触れて解体されてしまう。博士への激しい怒りと、サナへの絶ち切れぬ思いから、チッティは殺人マシンとなって復活を果たすが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
久々にインド映画。
しかも「踊るマハラジャ」の主演の人なんですね、ラジニカーントさん。
インドにスターはこの人しかいないのかしら?
でも、世界中でヒットしたというだけあって、すごく面白かったです。
予告編見たときから、見たいと思っていたんです!
バシー博士(ラジニカーント)は、恋人のサナ(アイシュワリヤー・ラーイ)のこともほったらかしで、ロボットの開発研究に没頭していた。
そして出来上がったのが、博士そっくりに作られたチッティ(ラジニカーント)。
人間そっくりに作って、軍隊に装備して、自国の戦死者を減らしたいというのが博士の希望だった。
ところが、ライバルの教授の難癖で軍隊に採用されなかった。
そこで博士はなおも改良を重ね、とうとうチッティは感情を持つロボットとなった。
チッティはサナのボディガードを言いつけられたが、美しいサナに恋をしてしまう。
さらに、火事の現場で人命救助をするんだけど、これがチッティが世間から非難されることにー。
お風呂に入っている女性を裸のまま助け出すというエピソードですが、これは、女性に恥をかかせたということらしい。
この女性は現場から走り出して、トラックにはねられて死んでしまいます。
私はここに監督のインド社会への風刺を感じましたが、どうでしょう。
この二つのことから、博士は非情にもチッティを壊して捨ててしまった。
自力でゴミ捨て場からはい出したチッティは博士を恨み、悪い教授の元へ。
悪い教授はチッティを何もかもを破壊し、人も殺してしまう悪魔ロボットにしてしまったー。
ここから、しっちゃかめっちゃかの破壊と殺戮シーンの連続です。
でも、ハッピーエンドなのでご安心を。
風邪が治るようにとお布団にくるまって、ぼーっと見ていたんですが、ぼぉーっと見るには最適な映画です。
お約束の踊りもあるし、美女も出てくるし、ストーリーもいいし、面白かったですよ。
ースープ~生まれ変わりの物語ー
2012年 日本
監督=大塚祐吉 原作=森田健 キャスト=生瀬勝久(渋谷健一)小西真奈美(綾瀬由美)刈谷友衣子(渋谷美加)野村周平(三上直行)広瀬アリス(美崎瞳)橋本愛(西村千秋)大後寿々花(矢野歩)伊藤歩(渋谷美加(16年後))古田新太(近藤一)松方弘樹(石田努)
【解説】
突然の事故で命を落としても娘を思い続ける父親の深い愛情を、ユーモアを交えて描いた人間ドラマ。森田健によるノンフィクション「生まれ変わりの村」をモチーフに、『横浜暗黒街』シリーズの大塚祐吉監督が心温まる家族のきずなの物語に仕立てた。娘に思いを伝えようとあの世で奮闘する不器用な父親を、個性派俳優・生瀬勝久が妙演。その上司役には『のんちゃんのり弁』の小西真奈美がふんするほか、『バルーンリレー』の刈谷友衣子、「劇団☆新感線」の古田新太ら多彩な顔ぶれが共演する。
【あらすじ】
妻と離婚して以来、娘との関係が悪化していた渋谷健一(生瀬勝久)は、ある日上司の綾瀬由美(小西真奈美)と共に落雷事故で亡くなる。あの世で目覚めた二人は、飲むと生まれ変わることができる「伝説のスープ」の存在を知るが、そのスープを飲むと前世の記憶は消えてしまうという。娘のことが気掛かりな健一は、記憶をなくさずに生まれ変わる方法を探ろうとするが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
イメージしていたのと少し違ったなあ。
あの世の描写が多くて、ちょっと乗り切れませんでした。
前世の記憶を持って生まれ変わったらどうなるか、というのは興味がありました。
後半描かれていた生まれ変わった後の話をしっかり描いてもらいたかったです。
父親と思春期の娘って、こんな感じでしょうね。
娘が、結婚までの人生や父親に対する思いなんかも描いて欲しかった。
あんなふうに別れた娘って、いろんな思いがあったと思う。
それにしても、幸せな結婚式がラストでよかったと思いました。
あの世のことは、どうでもいいなあ。
あまり興味がなかったです。
ーデンジャラス・ランーSAFE HOUSE
2012年 アメリカ
ダニエル・エスピノーサ監督 デンゼル・ワシントン(トビン・フロスト)ライアン・レイノルズ(マット・ウェストン)ヴェラ・ファーミガ(キャサリン・リンクレーター)ブレンダン・グリーソン(デヴィッド・バーロー)サム・シェパード(ハーラン・ホイットフォード)ルーベン・ブラデス(カルロス・ヴィラル)ノラ・アルネゼデール(アナ・モロー)ロバート・パトリック(ダニエル・キーファー)
【解説】
『トレーニングデイ』のデンゼル・ワシントンと、『グリーン・ランタン』のライアン・レイノルズが共演を果たしたアクション。かつて最強の名をほしいままにしてきた元CIAエージェントと、新米の現エージェントによるリスクの高い逃走劇を描き切る。『イージーマネー』のダニエル・エスピノーサが監督を務め、『マイレージ、マイライフ』のヴェラ・ファーミガらが共演。主人公らが命懸けで逃げまくる32時間ノンストップの危険な賭けの行方に、ひと時たりとも目が離せない。
【あらすじ】
36か国で指名手配中の元CIAの腕利きエージェントであるトビン(デンゼル・ワシントン)は、南アフリカのCIAのアジトに連れてこられる。彼が身柄を拘束されるやいなや、鉄壁の守りを誇るはずの隠れ家が何者かの攻撃を受ける。アジトの管理責任者である新人のマット(ライアン・レイノルズ)は、何とかトビンを連れて敵から逃れるが……。(シネマトゥイ)
【感想】
これは面白い。
娯楽映画の傑作ですね。
南アフリカで「SAFE HOUSE」と呼ばれるCIAの施設の管理人をしているマット(ライアン・レイノルズ)。
数年間この仕事をしているが、まだ客が訪れたことはない。
上司のバーロー(ブレンダン・グリーソン)に栄転を嘆願しているが、気のない返事だ。
恋人は仕事の関係でフランスへ戻ると言う。
そこへ連れて来られたのがトビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)、36か国で指名手配中の元CIAの腕利きエージェント。
南アフリカでMI6の工作員から機密事項の入ったファィルを手に入れて、中東系の組織に追われていたが、アメリカ大使館に飛び込んで逮捕された。
そして、マットのセイフハウスでゆっくり事情を聞くために連れて来られたのだ。
どこでこのことがわかったのか、組織の殺し屋たちがセイフハウスを襲撃した。
問答無用のむちゃくちゃな奴らだ。
マットとトビンは難を逃れ、二人で逃げることとなった。
マットはCIAの指令通り、違うセイフハウスに連れて行くが、そこではマットの命も狙われた。
このところ、CIAの内部の裏切りがテーマの映画が多い気がします。
仲間を見れば敵と思えでしょうか?
殺伐としていますねえ。
この作品も、誰が信用できるのか全くわかりません。
トビンって、いいやつなのかも…。
マットの頭の中は五里霧中でしょう。
ほんと、世の中真っ暗闇ですねえ。
裏切りの映画は好きではないけど、これは主演の二人のお陰か、かなり面白かったです。