マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

星の旅人たち

2012-06-26 10:14:52 | 映画ー劇場鑑賞

ー星の旅人たちーTHE WAY

2010年 アメリカ/スペイン

エミリオ・エステヴェス監督・脚本 マーティン・シーン(トム)エミリオ・エステヴェス(ダニエル)デボラ・カーラ・アンガー(サラ)ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン(ヨスト)ジェームズ・ネスビット(ジャック)

 

【解説】

『ボビー』などで監督としても活躍する、エミリオ・エステヴェスによるヒューマン・ドラマ。スペイン北部のキリスト教巡礼地を回れずに急死した息子の遺志を継ぎ、彼の代わりに旅をする父親の姿を温かなタッチで見つめていく。エステヴェス監督の実父である『地獄の黙示録』などの名優マーティン・シーンが、旅を通じて溝が生じていた息子への思いをかみしめる主人公を好演。舞台となる、スペイン北部ガリシア地方の美しくも牧歌的な風景にも心を奪われてしまう。

 

【あらすじ】

息子のダニエル(エミリオ・エステヴェス)が、ピレネー山脈で嵐に遭遇して死んだと知らされたトム(マーティン・シーン)。キリスト教巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラを巡る旅を果たせなかった息子をとむらい、彼が何を考え巡礼に臨んだのかを知ろうとトムは決意。ダニエルの遺品と遺灰を背負い、800キロメートルの道を歩く旅に出る。その途中、夫のDVに苦しんだサラ(デボラ・カーラ・アンガー)や不調に陥った旅行ライターのジャック(ジェームズ・ネスビット)と出会い……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「旅倶楽部コマ通信」の小松さんがお薦めしてくださった「星の旅人たち」を見てきました。

これは、以前に見たコリーヌ・セロー監督のフランス映画「サン・ジャックへの道」と同じ、キリスト教の聖地、スペインのサンティアゴへの巡礼がテーマです。

 

今回は、スペインにルーツを持つアメリカ人のエミリオ・エステヴェスが脚本・監督をし、実の父のマーティン・シーンを主役に据えての作品です。

全然違うおもむきの作品に出来上がっていますが、心にしみるテーマは同じでした。

 

トム(マーティン・シーン)はカリフォルニアで眼科医院を営む裕福な医者。

オフには、友達とゴルフに興じる。

 

そんなトムにも悩みがあった。

妻を亡くしてから、一人息子のダニエル(エミリオ・エステヴェス)と疎遠になったこと。

ダニエルは優秀な研究者だったが、突然ドロップアウトして世界中を旅していた。

携帯も持たず

 

ある日、ゴルフを楽しんでいるトムのもとに、フランスの警察からダニエルの事故死の一報が入った。

すぐに現場に駆けつけるトム。

そこには、まぎれもないダニエルの遺体が!!

 

ダニエルはサンチャゴへの巡礼に向かった第一日目に、嵐に遭遇して亡くなったと言う。

遺されたバックパックを前に茫然とするトム。

 

ダニエルを火葬して、そ遺灰を持ち、ダニエルのバックパックを背負って巡礼の道を歩き出した。

サンティアゴまで800キロ。

 

☆ネタバレ

旅の途中で知り合ったヨスト(ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン)はデンマーク人でダイエットのため。

カナダ人のサラ(デボラ・カーラ・アンガー)は禁煙のため。

スランプに陥って書けなくなったライターのジャック(ジェームズ・ネスビット)は、巡礼者を取材して記事を書くために歩いていた。

この4人が、なんとなく一緒に歩くこととなって、トムの心境も変化して行く様子が綴られて行くロードムービーです。

 

サンティアゴまでの道のりは、自分と息子の関係をもう一度見直し、息子の死を受け入れるための大切な時間でした。

 

心に残った言葉は、「宗教と信仰の厚さは違う」と言うことでした。

妄信的に宗教を信じることより、人生や命の重さを思うことが信仰なんだと言っている気がしました。

人が人を想うことの大切さ。

それが、自分の心も癒し、亡くなった愛する人の人生も豊かなものにするのではないかなあ。

巡礼の道の厳しさは、それを思い続けることを自分に課す試練なのではないかなあ、などと、考えながら見ていました。

 

本当に心の底にある苦しみを、簡単に言葉にはできません。

でも、自分に問いながら歩き続けることで、答えも見つかるのではないでしょうか。

答えは、必ず自分の中にあるのですから。

 

途中、世界遺産の遺物がたくさん出てきます。

ガイドムービーとしてもいいのではないでしょうか?

音楽も、心情に添った歌詞が使われて、とてもいいです。

 

エミリオがときどき、画面の中に表れるのですが、父親を見ながらひっそりとたたずんで微笑んでいます。

やはり親子だなあ、ってすごく温かいものを感じました。

 

この作品のよさは、エミリオの脚本がいいというのは当然ですが、彼の父親思いがさらによい雰囲気を醸し出したことにもあると思いました。

 



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