マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

2012-03-05 11:57:25 | 映画ー劇場鑑賞

ーものすごくうるさくて、ありえないほど近いーEXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE

2011年 アメリカ

スティーヴン・ダルドリー監督 トム・ハンクス(トーマス・シェル)サンドラ・ブロック(リンダ・シェル)トーマス・ホーン(オスカー・シェル)マックス・フォン・シドー(賃借人)ヴァイオラ・デイヴィス(アビー・ブラック)ジョン・グッドマン(スタン)ジェフリー・ライト(ウィリアム・ブラック)ゾー・コードウェル(オスカーの祖母)

 

【解説】

大好きな父親を911のアメリカ同時多発テロで亡くした少年が、父親の残した鍵の謎を探るべくニューヨーク中を奔走する姿を描く感動ドラマ。ジョナサン・サフラン・フォアのベストセラー小説を、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックという二人のアカデミー賞受賞俳優の共演で映画化。『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』の名匠、スティーヴン・ダルドリーが監督を務める。鍵穴探しの旅で父の死を乗り越え、力強く成長する少年には、映画初出演のトーマス・ホーンを抜てき。ダルドリー監督の繊細な演出と俳優陣の演技が感動を呼ぶ。

 

【あらすじ】

911の同時多発テロで、大切な父(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)。ある日、父の部屋に入ったオスカーは、見たことのない1本の鍵を見つける。その鍵に父からのメッセージが託されているかもしれないと考えたオスカーは、この広いニューヨークで鍵の謎を解くため旅に出る。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

2001年の9.11のあの衝撃は、今も恐怖と共に甦ってきます。

あの日、私はいつものようにニュースステーションをなにげなく見ていました。

ビルを飛行機の翼が切り裂き、なにが起こったのかわからないニュースキャスターと視聴者たち。

「これは、映画のプロモーションかなにかなのかなあ」とのんびり考えている人もいたことでしょう。

 

続いて、もう1機がビルに突っ込んで墜落。

ここでようやく、ただ事ではない、リアルタイムの出来事なんだと気が付いて、パニックに陥ったのでした。

 

さらに、あちこちで火が噴き出して、とうとう崩れていく巨大なビル。

あの中には、出勤してきたばかりのたくさんの人たちと、救出に向かった人たちがー!!

 

悪夢のような史上最悪のテロ事件でした。

 

この作品はあのビルで、夫であり、父であり、息子である人を亡くした家族の物語です。

たまたまあの日、仕事関係であのビルを訪れていた男性。

 

ニューヨークに住んでいるオスカー(トーマス・ホーン)は、両親(トム・ハンクス・サンドラ・ブロック)と暮していた。

向かいのビルにはおばあさんも住んでいました。

 

オスカーはとても繊細な子供で、アスペルガー症候群の検査を受けたけれど、結果は「不確実」というものでした。

でも、お父さんは彼のよき理解者で、いろんな課題を与えて、彼の探究心を伸ばそうとしていました。

そんな父が、オスカーは大好きで、誇りに思っていました。

 

あの最初の飛行機がWTCのビルに突っ込んだというニュースを受けて、学校は休校となり、オスカーは自宅に帰ってきました。

母も仕事で家を留守にしていて、留守電が点滅していました。

聞くと、父からの伝言がはいっていました。

「僕は無事だよ」

 

☆ネタバレ

父のお葬式が行われたが、棺の中は空っぽだった。

オスカーは「嘘っぱちだ」と憤る。

不機嫌で母にも心を開かなくなった。

あの日、母が不在だったことが不満だった。

父の電話に出られなかった母。

母の落ち度ではないことはよくわかっているのに、苛立つオスカー。

 

父のクローゼットを探しているとき、古い花瓶が隠してあって、それを落として割ってしまった。

中から出てきたのは「Black」と書かれた袋に入った鍵だった。

 

これこそが、父と自分をつなぐ鍵だと確信したオスカーは、持ち主探しを始める。

ニューヨークにいるブラック姓の人を1軒1軒訪ね歩くのだ。

アポなし訪問。

ニューヨークではそれはとても危険なことだ。

しかも、9.11以来、オスカーはテロが怖くて公共機関にも乗れなかった。

一人、恐怖と闘いながら、週末にブラックさんを訪ねる冒険の旅。

 

途中から、おばあさんの家に間借りしている言葉をしゃべれない老人(マックス・フォン・シドー)も加わる。

彼は、第二次世界大戦中ドイツで爆撃にあってそのショックで口がきけなくなり、アメリカで家族を持つが、あるとき蒸発してしまったオスカーの祖父だった。

 

☆ネタバレのネタバレ

結局、鍵の持ち主は父親とは関係ないところでみつかり、感謝はされるけど、父の死を自分なりに受け入れたいというオスカーの願いはかなえられません。

心に秘めた辛い告白も、聞いてもらっても癒されないのです。

パニックに陥るオスカー。

でも、ここで、母の大きな愛に触れるのです。

母は、オスカーの大冒険を黙って見守り、耐えて、フォローもしていました。

 

一度は「パパじゃなくて、ママなら良かったのに」とかんしゃくを起こしたオスカーだけど、本当にママには感謝です。

母は強い!!

サンドラ・ブロックが、「しあわせの隠れ場所」とは違う、静かな母を好演していました。

サンドラでなきゃ、という感じがしました!!

 

サンドラ・ブロック

 

また、アスペルガーっぽいこの難しい少年を演じたトーマス君もすごかったです。

ずっと怖い顔をしての演技、大変だったでしょう。

 

そして、亡くなってしまってもすごい存在感のパパ、トム・ハンクス。

これもいいキャストでした。

 

助演男優賞は獲り損ねたけど、いぶし銀のような間借り人マックス・フォン・シドー。

年を取っても苦しみから逃れられない老人を繊細に演じていました。

 

マックス・フォン・シドー

 

突然の事故によって、大切な人を失った後の、喪失感からの再生。

悲しいテーマを感動に変えてくれる作品でした。

ハンカチを用意してご覧下さい。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。