ーだれもがクジラを愛してる。ーBIG MIRACLE
2012年 アメリカ
ケン・クワピス監督 ドリュー・バリモア(レイチェル・クレイマー)ジョン・クラシンスキー(アダム・カールソン)クリステン・ベル(ジル・ジェラード)ダーモット・マローニー(スコット・ボイヤー大佐)ヴィネッサ・ショウ(ケリー・マイヤーズ)ジョン・ピンガヤック(マリク)アマウォーク・スウィーニー(ネイサン)テッド・ダンソン(J・W・マグロウ)
【解説】
トーマス・ローズの原作を基に、『そんな彼なら捨てちゃえば?』のケン・クワピス監督が映画化した感動の物語。1988年、アラスカのバロー沖で分厚い氷の下で動けなくなっていたコククジラ3頭を、救出しようとする人々の奮闘を描き出す。アラスカ州バローで働くテレビリポーターを『恋するベーカリー』のジョン・クラシンスキーが演じ、その元恋人を『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのドリュー・バリモアが好演する。世界中がかたずをのんで見守った救助劇に引き込まれる。
【あらすじ】
1988年、アダム(ジョン・クラシンスキー)はアメリカ合衆国最北の街、アラスカ州バローにテレビリポーターとして派遣されていた。ある日、彼は3頭のクジラの親子が氷の下に閉じ込められているのを発見。そのニュースをテレビ局へ送ったところ、アダムの元恋人で、国際環境NGOグリーンピースの活動家レイチェル(ドリュー・バリモア)から電話が入る。(シネマトゥデイ)
【感想】
いつも、邦題の付け方に文句を言っている私ですが、これは邦題の方がだんぜんいいですね。
実話だそうです。
かなりすごいお話。
1988年、アメリカ合衆国最北の街、アラスカ州バローにテレビリポーターとして派遣されているアダム(ジョン・クラシンスキー)は、この最果ての地勤務も4年となり、そろそろロスに帰りたいという気持ちでいた。
仲良くなったイヌイットの少年の取材をしているときに、遠くの氷の中で潮を噴いているクジラたちを見つけた。
それは、外洋に出遅れて氷の天井に穴をあけてかろうじて生きている3頭のクジラの家族だった。
分厚く張りつめた氷原は外洋まで8キロもある。
さらにその氷原の先には、氷山が接岸し、壁となって立ちはだかっている。
イヌイットたちは、このクジラの命は長くないと、捕獲して食用にしようと考えていた。
このニュースをアダムが伝えると、お茶の間で話題となり、アダムの元カノでグリーンピースの活動家レイチェル(ドリュー・バリモア)の耳にも入り、クジラを救おうとバローに乗り込んで来た。
各マスコミも続々とやって来て、バローの町はお祭り騒ぎ。
瀕死のクジラの親子は世界中の人の心をとらえる大ニュースとなった。
こうなると、クジラ救出劇はイメージが良くなると、アラスカで石油事業を展開する企業や、州兵、さらには大統領官邸、引いてはソ連まで引っ張り出す大騒動に!!
あり得ないと思うけど、事実ですって。
普段はいがみ合っている環境保護の人と実業家が心を一つにクジラを救うということに努力して行く様子が感動的でした。
そして、なによりクジラがけなげで、思わず感情移入してしまいます。
必死に生きようとしている様子を、見てしまうと見捨てられないですよね。
各業界の本音と建前も細かく描かれていて、それも面白かったし、この出来事で人生が変わる人々の右往左往ぶりも面白かったです。
イヌイットの人たちの、伝統を重んじつつも、状況にあわせて価値観を変えて行く生き方もうまく描けていたと思いました。
事実なのに作り話のような大団円で、ほっとしました。
それにしても、大統領官邸の女性と、現場で頑張った大佐の結婚まで事実なんて、驚き!!
こういう映画にお約束の、事実の映像と映画の比較も面白かったです。
アダムとレイチェルももとのさやに納まって、ハッピーエンドでした。
めでたし、めでたし。