マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ラムダイアリー

2012-07-10 11:57:21 | 映画ー劇場鑑賞

ーラムダイアリーーTHE RUM DIARY

2011年 アメリカ

ブルース・ロビンソン監督 ハンター・S・トンプソン原作 ジョニー・デップ(ポール・ケンプ)アーロン・エッカート(サンダーソン)マイケル・リスポリ(ボブ・サーラ)アンバー・ハード(シュノー)リチャード・ジェンキンス(ロッターマン)ジョヴァンニ・リビシ(モバーグ)

 

【解説】

ジャーナリズム界の異端児と称された故ハンター・S・トンプソンの小説を基に、親友ジョニー・デップが製作、主演、企画をこなして映画化した伝記ドラマ。ニューヨークでの生活に疲れ、プエルトリコにやって来たジャーナリストが送る破天荒な日々を描く。監督・脚本は、『ウイズネイルと僕』のブルース・ロビンソン。ジョニーの恋の相手役を注目の新進女優アンバー・ハードが演じるほか、『サンキュー・スモーキング』のアーロン・エッカート、『扉をたたく人』のリチャード・ジェンキンスが脇を固める。

 

【あらすじ】

1960年、ニューヨークでの生活に疲労し切っていたジャーナリストのケンプ(ジョニー・デップ)は、地元紙に記事を執筆するためにプエルトリコへやって来る。個性的なジャーナリスト仲間に囲まれすぐに現地に溶け込んだ彼は、ある日アメリカ人企業家のサンダーソン(アーロン・エッカート)と知り合う。やがて彼の婚約者であるシュノー(アンバー・ハード)と出会ったケンプは、彼女に惹(ひ)かれていくが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ジョニー・デップの1998年の作品「ラスベガスをやっつけろ」の原作者ハンター・S・トンプソン。

日本ではあまり名前が知られていないけれど、アメリカのニュージャーナリズムの旗手と呼ばれた人で、特別にゴンゾー・ジャーナリズムとも言われます。

ジャーナリズムの客観性より、取材対象の中に身を置いて本質を伝えることを重視するジャーナリズムです。

 

「ラスベガス~」では、ジョニーがトンプソンがモデルのラウル・デュークを、自らの頭髪を剃り、ハゲ頭で演じました。

そのときから、ジョニーはトンプソンと親しくなり、尊敬していたようです。

トンプソンは、残念なことに2005年に自殺しています。

 

この作品は同名の自伝的小説を映画化したものです。

もちろん、ジョニー自身の肝いり(製作、主演、企画)で作られています。

 

1960年、23歳の若きケンプ(ジョニー・デップ)が、プエルトリコの地元新聞「サンファン・スター」の記者として働くために、経歴詐称までしてやってきたところから始まります。

 

当時のプエルトリコは、地元の人々の極貧と、アメリカ資本がリゾートとして狙う豊かな自然が両極端に存在して、混沌としていました。

 

変人の編集長のロッターマン(リチャード・ジェンキンス)の元、同僚のボブ(マイケル・リスポリ)やモバーグ(ジョヴァンニ・リビシ)という個性の濃い同僚と、一緒に汚いアパートで暮し始めました。

ケンプに与えられた仕事は「星占い」。

冷房もない暑い新聞社で仕事をして、オフはラム酒のがぶ飲み、闘鶏で賭けをしたり、はちゃめちゃな毎日。

 

ケンプとはちゃめちゃな同僚たち

 

ある日、海で美しい人魚と思うほどの美人と出会います。

シュノー(アンバー・ハード)というその女性は、しかし、実業家サンダーソン(アーロン・エッカート)の婚約者でした。

 

☆ネタバレ

シュノーへの思いを断ち切れないケンプは、サンダーソンの誘いを断りきれない。

彼の開発するリゾート地を宣伝するような記事を書いて、仲間になれと言うもの。

それは、地元民から見れば、自分の土地を盗まれるような開発。

 

記者仲間のいろんな困難に巻き込まれながらも、ケンプが下した決断は、後の彼の揺るぎない信念の基本となる決断でした。

でも、結局それは新聞社の倒産という結末で実現不可能となり、頓挫。

敗北感を胸にプエルトリコを去る結果となってしまいました。

 

「まだ文体が見つからない」と苦悩する若きトンプソンの姿を、ちょっと年齢には不足がありますが、ジョニーが心で演じていました。

 

青春の日の理想と現実。敗北感。

誰しも味わったことのある、苦い思い出でしょう。

それをふと思い出させてくれたこの作品。

その思いとは真逆なほど、底抜けに明るい南国の太陽と煌めく海。

そのギャップが、胸に沁みるいい作品だと思いました。

 

 

なんか、ジョニーのいい作品って、久しぶりじゃない?

嬉しいなあ。

 



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