今回の自民党総裁選の「本命」と言われる小泉進次郎が立候補の会見をしました。あのポエム進次郎にしては意外にしっかりとした会見で、恐らく「見直した」という声も上がっているだろうと思います。また具体的に「裏金議員の公認問題」とか「選択的夫婦別姓の推進」とか、それなりに踏み込んだ内容も話をしていて、これは裏で「チーム小泉」が頑張っているんだろうなと思わせるものがありました。その証拠に喋っている時は間違えないようにずっとプロンプタを読んでいました。自分で考えたことではないんだろうと思います。
進次郎を後ろで振り付けをしているのが誰か知りませんが、キーになっているのは「改革派」であることと「父親譲りの熱血」でしょう。これでもかというくらい、この2つを演出していました。そのために自民党の岩盤支持層である保守派が嫌うことを敢えて言っているという印象で、自民党の議員や党員よりも世論受けを狙った内容という感じです。このあたりは先に立候補会見をした石破茂、河野太郎という同じく国民人気が高い2人が党内を意識して話しているのを見て、敢えて差別化を図っていくという戦略かなと思いました。
ただいろいろ言っていた中で一番の肝は恐らく「早期の総選挙」です。それ以外の公約など総理になってしまえば後からどうとでもなります。それより何より大事なのは選挙に勝つことで、それが自民党の議員が「選挙の顔」として進次郎に一番求めていることなのですから、進次郎もそこをハッキリとさせて議員票を獲得しようという腹づもりなのだと思います。そしてまた総選挙で勝つことが進次郎にとっても総理総裁としての支持基盤固めになりますから、そのあたりの戦略がしっかりと貫かれている会見だったなと感じました。
かなり後ろに優秀なブレーンがいることがわかる進次郎の会見でした。石破や河野、そして茂木が余計なことを言って炎上したりしているのを見ると、自分が頭が良いと思っていて周りの言うことを聞かない人間よりも、素直に人の言うことを聞いて優秀な操り人形でいられる進次郎の方がマシに思えます。もっとも操っている人間がかなり優秀であることが大事ですし、そもそもいつまで進次郎が素直に操り人形のままでいれるかもわかりません。足利義昭も織田信長に叛旗を翻して将軍の座を追われました。進次郎にとっての信長は菅義偉かなと思いますが、果たしてどうなることでしょうか。