自民党総裁選は結局9人が乱立することになりました。意欲を示したのは12人でしたが、3人減っても多いことには変わりありません。今日から民放各局で討論企画をしていますが、この中に入っていることで「箔がつく」わけです。もちろんベテランの石破や茂木は今さら箔をつける意味はあまりないですが、小林などは今回の総裁選に出たことで2ランクくらい格が上がった感じがします。彼にとっては狙い通りでしょう。
討論を見ていると小泉進次郎の発言の不安定さが予想通り目立ちます。石破や高市、林、茂木あたりはさすがに自分の主張をわかりやすく端的に喋っていますが、河野太郎は相変わらず自分勝手な傲慢語りが目立ちますし、もちろん進次郎はいつでも安定の進次郎です。太郎と進次郎は本当に「お坊ちゃん議員」コンビだなと感じます。神奈川にはこの手の「七光り」のお坊ちゃんがスクスクと育つ土壌があるのでしょう。
進次郎のような「都会育ちのスマートなお坊ちゃん」は僕の周りにも結構いますが、その実力や、ある種の鈍感さの割に意外と人に好かれたりします。「育ちが良い」人独特の安心感や素直さが魅力であり、社会に出れば親譲りの人脈とともに武器となる取り柄です。逆に地方の貧乏な家庭で生まれ育ち、苦労して成り上がった人間は、能力があるが故に屈折や鬱屈を抱えていて警戒心が強く、周りからも警戒されてしまいます。もちろんみんなそうだと言うわけではないですが、そういう傾向があるように感じます。
進次郎が他の候補者に比べて能力的に劣ることはほとんどの人がわかっています。それでいて進次郎が最有力だと言われるのは、政治家は人に好かれることが商売の肝だからです。何より一番それを肌身で感じているのが国会議員ですし、彼らは今回の総裁は自分が選挙で勝つための道具だと割り切っているので、国民から一番好かれている人間を担ぎたいのです。つまるところ、主義主張や政策や能力ではなく「好き嫌い」で投票する我々国民が進次郎を総理にするのです、多分。