ローマで開催されているイタリア国際。マスターズ1000の大きな大会ですが、何より全仏オープン直前の前哨戦としての意味合いが強い大会でもあります。錦織は順調に準決勝まで勝ち進み、王者ジョコビッチに大接戦の末に敗れました。スコアは錦織から6-2、4-6、6-7。総獲得ポイントはわずか1差という本当に互角の勝負でしたが、それを勝ち切れるかどうかが世界1位との差でしょう。それほどジョコビッチは強いのです。
とは言え、錦織の実力が確実に上がってきていることを感じさせる試合内容でもありました。先週のマドリードでも今週のローマでも、ジョコビッチと長いラリーになれば錦織の方がより多くポイントを取れています。打ち合いになれば錦織に主導権があるのです。これはものすごいことです。世界で一番ストローク戦で強いのはジョコビッチです。それは彼のディフェンス力がずば抜けているからですが、そのジョコビッチ相手にクレーコートで打ち勝てる錦織はこれからのストロークキングでしょう。
逆にショートポイントは錦織が完全に不利でした。錦織には一発でポイントを取ることができるショットがありません。せいぜいリターンでのカウンターショットくらいです。どうしても長いラリー戦に持ち込まないと勝てないので、体力的にも精神的にも楽ができずどんどん削られていってしまいます。3セットマッチなら何とかもっても、全仏は5セットマッチ。果たしてずっと今のテニスで2週間を戦い抜けるのか不安です。
全仏での優勝候補ナンバー1はダントツでジョコビッチです。彼以外の優勝候補となると、マレー、ナダル、バブリンカ、フェデラーということになるでしょうが、錦織がこの一角に食い込んでくるのはもちろん、彼らを上回っている可能性すらもあります。今の錦織ならジョコビッチ以外には十分勝てるチャンスがあると見ていいでしょう。だから注目は全仏のドローです。ジョコビッチ、できたらナダルとも反対のハーフに入って、決勝まで当たらないこと。トップ4ならフェデラーの山に入ること。これが最善のドローです。
それでも決勝でジョコビッチに勝てるかというと、今回の対戦を見てわかるようにかなり厳しいのですが、可能性はゼロではありません。最善のドローなら10%くらい、さらに途中でジョコビッチが敗れるような波乱が起きれば30%くらいまでは可能性が高くなると思います。グランドスラム制覇は実力だけではなく運も味方してくれないと難しいです。ナダル出現以前の全仏というのは、しばしば思わぬ伏兵が優勝していた大会でした。それは実力と勢いと運が揃うと起きる奇跡です。そろそろ錦織にもそういう巡りあわせが起きると嬉しいのですが。
とは言え、錦織の実力が確実に上がってきていることを感じさせる試合内容でもありました。先週のマドリードでも今週のローマでも、ジョコビッチと長いラリーになれば錦織の方がより多くポイントを取れています。打ち合いになれば錦織に主導権があるのです。これはものすごいことです。世界で一番ストローク戦で強いのはジョコビッチです。それは彼のディフェンス力がずば抜けているからですが、そのジョコビッチ相手にクレーコートで打ち勝てる錦織はこれからのストロークキングでしょう。
逆にショートポイントは錦織が完全に不利でした。錦織には一発でポイントを取ることができるショットがありません。せいぜいリターンでのカウンターショットくらいです。どうしても長いラリー戦に持ち込まないと勝てないので、体力的にも精神的にも楽ができずどんどん削られていってしまいます。3セットマッチなら何とかもっても、全仏は5セットマッチ。果たしてずっと今のテニスで2週間を戦い抜けるのか不安です。
全仏での優勝候補ナンバー1はダントツでジョコビッチです。彼以外の優勝候補となると、マレー、ナダル、バブリンカ、フェデラーということになるでしょうが、錦織がこの一角に食い込んでくるのはもちろん、彼らを上回っている可能性すらもあります。今の錦織ならジョコビッチ以外には十分勝てるチャンスがあると見ていいでしょう。だから注目は全仏のドローです。ジョコビッチ、できたらナダルとも反対のハーフに入って、決勝まで当たらないこと。トップ4ならフェデラーの山に入ること。これが最善のドローです。
それでも決勝でジョコビッチに勝てるかというと、今回の対戦を見てわかるようにかなり厳しいのですが、可能性はゼロではありません。最善のドローなら10%くらい、さらに途中でジョコビッチが敗れるような波乱が起きれば30%くらいまでは可能性が高くなると思います。グランドスラム制覇は実力だけではなく運も味方してくれないと難しいです。ナダル出現以前の全仏というのは、しばしば思わぬ伏兵が優勝していた大会でした。それは実力と勢いと運が揃うと起きる奇跡です。そろそろ錦織にもそういう巡りあわせが起きると嬉しいのですが。