母の日、少し照れながらラッピングした花を渡してくれた婿殿。その優しさに感激した。早速、花瓶にその花を挿し卓上に飾ると華やかな雰囲気になる。だが、赤いカーネーションを見つめている彼は天国のお母様を思い出しているようにみえる。
我が母に勝るものはないように、心優しい彼のお母様を思うと切なくなる。新茶の香りに包まれ、婿殿と母の日のひとときを過ごす。「お母さん、健康に気を付けてください」。言葉を残して、彼は帰った。
私は卓上の赤いカーネーションを眺める。「ありがとう、また来てね」
鹿児島市 竹之内美知子 2014/6/20 毎日新聞鹿児島版掲載