はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

秋の研修会

2011-10-31 06:35:15 | アカショウビンのつぶやき




 毎日ペンクラブ鹿児島が主催する、秋の研修会が開催されます。

今回は、鹿屋市立図書館館長・立石冨男氏さんが
「随筆の楽しみ方、作り方」
をテーマに講演し、文章表現の方法や文章作成のコツを学びます。

日時 11月6日 午後1時開会
場所 鹿児島中央駅前のキャンセビル7階 勤労者交流センター
問い合わせ先は
 ペンクラブ事務局 本山さん
 電話 090-4519-3647

誰でも自由に参加できます。参加費はいりません。
気軽にお越し下さいね。

by アカショウビン

落ち葉

2011-10-31 06:27:14 | はがき随筆
 「お父さん、この柿の葉っぱ大変だわ」。「一葉落ちて天下の秋を知るという言葉があるじゃないか」。「くだらない。いつも掃除をするのは私だからね」。そう言えばこの柿の木は植えて20年か。長女が卒業記念に貰って来たものだ。桃、栗3年、柿8年というが、この大きさになれば毎年たわわに実る。なのに長女は待てども帰省する兆しはない。葉っぱが落ちると赤く熟す。見かねたヒヨドリ、メジロが我れ先にやって来る。
 今年もお裾分けは終わった。残りは君たちのものだ。急がずともいいよ。ゆっくり仲良くおいで。
  姶良市 山下恰 2011/10/30 毎日新聞鹿児島版掲載

マータイ氏に感謝

2011-10-31 06:19:39 | はがき随筆
 ケニアのノーベル平和賞受賞者のマータイ氏は「もったいないキャンペーン」を推進し71才で死去。マータイ氏は「リデュース、リユース。リサイクル」を尊敬し感謝した。「自然の恵み」の空気、飲み水、食べ物、すべてが「もったいない精神の最も大切な価値」と格言。マータイ氏のように偉大ではないが、リサイクル推進をしている。自治会で廃品の古紙新聞雑誌、ダンボール、空き缶を各戸より回収し、収益金は自治会へ納める。自治会は強い絆で結ばれている。もったいない精神をいかせば資源となる。マータイ氏に感謝。心より安らかに。
  姶良市 堀美代子 2011/10/29 毎日新聞鹿児島版掲載

女房

2011-10-31 06:13:49 | はがき随筆
 私と妻は順風や逆風の中で絆を深めてきた。このごろ、私が妻からしてもらっていることに思いを及ぼし、感謝するようになった。私が困難に遭遇した時いつも妻は「縁があって夫婦になったの。大丈夫、私がいるから」と励ましてくれた。
 旅行が好きな妻は一緒に出かけようと誘うが、私が時間を作れないので実現できない。罪滅ぼしではないが、二人でコンサートや映画、展覧会を見て感想を述べ合い心の旅を楽しんでいる。この先、世の中がどのように変わっていくか予想できないが、妻を尊重し、寄り添い支え合う夫婦でありたい。
  鹿児島市 吉松幸夫 2011/10/28 毎日新聞鹿児島版掲載

何かがきっと待っている♪

2011-10-30 21:44:11 | アカショウビンのつぶやき



 鹿屋市の文化祭が終わりました。

文化祭最後に演じられた、劇団「かんな」と市民の共演、
寸劇「何かがきっと待っている」を見てきました。

まず、大隅半島4市5町の職員による
「東日本大震災被災地復興支援チーム」の現地報告です。

寸劇の舞台はは「ひょっこりひょうたん島」
のモデルといわれる、岩手県大槌町。

大震災・大津波で瓦礫と化した町の復興のために、
ひょっこりひょうたん島のチャイムを復活させよう!
と町の人々が話し合っています。

そして、子どもたちが 元気に歌います。
「だけど ぼくらは くじけない
   泣くのはいやだ わらっちゃおう♪」



最後は、小学生のリコーダー隊も加わり、
観衆も一緒に歌いました。

「上を向いて歩こう」

アカショウビンも歌いましたよー
手拍子とりながら

おでかけ取材

2011-10-29 22:51:57 | アカショウビンのつぶやき


 今日は、毎日ペンクラブ鹿児島・姶良地区会員のラジオ取材でした。

地域FMのボランティアパーソナリティとしてかかわっている
ラジオ番組「心のメモ帖」の取材で、年に一度、霧島市に行きます。

はるばる鹿屋から、技術担当・O氏の車で出かけました。
今日は3人のペンクラブ会員が、
霧島市公民館で待っていてくださいました。


 O氏の編集技術はピカイチです。
少々かんでも、つまずいてもあとはおまかせ…
有り難い存在です。

折角、2時間弱かけて霧島市まで行くのですから、
1人2作品ずつ取材することにしています。

毎年お邪魔しているので、みなさん慣れたもの、
スムーズに取材はすすみます。
いつも会場の予約、会員への声かけと
すべてを担って下さるKさんが
最後までつきあって下さり助かりました。

この歳まで、ボランティアを続けるとは思ってもいませんでしたが、
後継者探しは大変です。
まあもう少し頑張りましょうか。

今日も楽しく取材させていただき皆さんに感謝です。

少々お疲れのアカショウビンでした

「熊手のかすがい」

2011-10-29 20:08:10 | 岩国エッセイサロンより
2011年10月29日 (土)

岩国市  会 員   吉岡 賢一

朝6時、ドーンと花火が上がる。小学校運動会決行。我がことのように色めき立つ。

手作りのいなり寿司や煮しめ、冷やした果物などをひっさげて決められた見物席へ急ぐ。プログラムと首っ引き。カメラ構えて右往左往。

やがてお昼。2人の孫を囲んで両親と双方のジジババがそろって大人が6人。お隣は子供1人に大人が7人。そのお隣も大人が9人。会話がはじける。「子はかすがい」とは両親をつなぐ役目をいうが、孫という名のかすがいは、ジジババに限らず親せき一同をも、熊手のような末広がりにつないでくれる。
  (2011.10.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載

熟した柿の実

2011-10-27 22:07:27 | はがき随筆


 庭に柿の木がある。秋風が吹き始めると葉が落ち実も落ちる。
青い実は割れて中をさらしているが、
熟した実は地面にベタッと赤い実を広げて落ちている。美味そうだ。
中には運良く、そのまま落ちている実もある。
 これをそーっと拾って、
へたの方から両手でそーっと割って熟した部分を口に入れる。
柔らかく甘い実が口いっぱいに広がる。
両手には、まだ皮にくっついた実が残っている。
また、そーっとなめるように食べる。今朝も、
ほうきを持ちながらの運の良い熟した実を食べた。
 明日もまた朝の楽しみを期待しよう。
  出水市 畠中大喜 2011/10/27 毎日新聞鹿児島版掲載

約束のハワイ

2011-10-27 21:58:11 | はがき随筆
 「ハワイは一番最後でいいよね」「そうそう、いつでも行けるからね」。書棚に並んだアルバムを眺めていたら妻との会話を思い出した。アルバムの内容は「怪しい探検隊(嫁いだ一人娘と私たち夫婦のこと)」の世界50カ国漫遊の記録である。小心者の「怖いもの見たさ」でイエメン・キューバ・ジンバブエ・チュニジアなどを10年ほどの間に駆け足で巡った。未知の世界へ足を踏み入れるドキドキ感がたまらなかったが、もう10年間途絶えたまま。果たして妻との約束は実現できるだろうか?
 急速に「好奇心」の衰えた自分に問いかける日々である。
  霧島市 久野茂樹 2011/10/26 毎日新聞鹿児島版掲載

赤と黄の競演

2011-10-27 21:51:01 | はがき随筆


 彼岸花の赤と黄色が競演している。
例年だと、赤が咲き終わったころ黄色が咲くのだが、
今年は赤がまだ頑張っている間に黄色が咲き出したのだ。
 道路の反対側の釣具屋さんの奥さんが、
店から出てきてカミさんに声をかけてきた。
 「ヒガンバナがよく咲いていますね。毎日楽しませてもらっています」
 「ありがとうございます。ヒガンバナも喜んでいます」
 道路の向こうとこっちで、カミさん同士が声を張り上げて話し合う。
こんな様子を、スーパー帰りの奥さんたちが、にこやかに眺めながら通り過ぎる。
  西之表市 武田静瞭 2011/10/25 毎日新聞鹿児島版掲載 写真は武田さん提供

「色あせぬ友の輝き」

2011-10-27 15:27:36 | 岩国エッセイサロンより




2011年10月27日 (木)

  岩国市  会員  吉岡 賢一

 この秋、五十数年ぶりに本格的な稲刈りに汗を流した。同級生の友の作業の手伝いなのだ。
 彼は農家の養子だが、繊維製品会社に勤めた後、文字通り定年後の六十の手習いで、約5千平方㍍に及ぶ米作りに挑んだ。
 その悪戦苦闘ぶりを同級生が集まる飲み会のたびに聞いていた。
 
 昨年までは「あまり無理をするなよ」と冷やかし半分で終わっていた。
 今年4月、そろそろ古稀を迎えるに至り、彼らと語らって「体力減退はお互い様。少しでも手を貸そうではないか」と手伝うことにした。

 私の場合、本格的な稲刈りは小6の時以来のこと。足手まといにならないようにすれば、枯れ木も山のにぎわいだ、それらしい仕事があるだろうと開き直ってもう1人と一緒に臨んだ。

 先月末、現場に着くと「これがあんたたちの仕事」とカマを渡された。
 コンバインがターンしやすいように田んぼの四隅を手で刈り取る。
 「こうやれば簡単だから」と3株か4株刈るのを教わった。手伝った2人の作業は夕方まで続き、16カ所も手で刈り終えた。
 「ありがとう、お陰で仕事が3倍はかどったよ」と彼の声は弾む。
 こちらは体調回復に3日はかかったが、あの笑顔ですべて帳消し。

 出会いから半世紀以上。愚痴も自慢も織り交ぜて、いまなおさりげなく寄り添える友は、稲穂に勝る黄金色の輝き。

         2011.10.27 朝日新聞「声」 テーマ「親友」 掲載 岩國エッセイサロンより転載

秋から冬へ

2011-10-27 14:01:33 | ペン&ぺん
 ──ススキの開花を観測しました。
 そんな一文を、鹿児島地方気象台のホームページで見つけました。日付は10月14日です。冷房も暖房も不必要。ススキを揺らす天然の秋風が心地よい季節ということでしょう。
 ススキの開花などは、生物季節観測というそうです。動植物の季節変化を観測し、その結果から巡る季節の進み具合を察するのが目的とのことです。
 ススキの場合、葉の根元、サヤの部分から出てきた穂の数が全体の2割ほどに達した段階が開花日。14日の開花は昨年より1日遅く、平年の9月25日よりも3週間ほど遅れています。秋が深まるのが今年は遅かったのでしょうか。
  ◇
 秋と言えば、スポーツの秋。今年も10月29日から全国高校ラグビーフットボール大会の県予選が始まります。合同3チームを含む24校18チームが出場し、年末から年明けにかけて東大阪市の近鉄花園ラグビー場で開かれる全国大会を目指し、熱戦を展開します。
 昨年の県予選では、大口高校が29年ぶりに決勝に進出し、決戦は鹿児島実業戦。破れはしたものの序盤は一時リード。私も会場にいて、大いに盛り上がりました。
 今年も大口高校はシード校の一角に入っています。今年は、どのチームが “台風の目„になるか注目されます。
   ◇
 ところで、深まる秋は近づく冬かもしれません。20日の朝刊に「冬の電力 九電ピンチ」の記事が掲載されていました。12月には玄海原発、川内原発の全6基が稼働停止するとみられ、来年1月には電力供給予備率がマイナスになると指摘した記事でした。
 冬の全国大会を目指す高校生たちの健闘を期待しつつ、こちらも寒さを忘れる節電の冬支度を考えてみますか。

  鹿児島支局長・馬原浩 2011/10/24 毎日新聞掲載

かるかん

2011-10-26 22:22:44 | はがき随筆
 郷土銘菓のかるかんが大好きだ。あんこの入っていない白いのが。店により味もそれぞれだが、山芋の配合が多いとしっとりもちもちした出来になるようだ。
 若いころ、ディーゼル車で通勤していたが、毎朝一緒になる女性がお菓子工場に勤めていて「山芋を触るので、手がかゆくなる」と両手をさすりながら話していたことがあった。
 子供時分には、箱入りの大きなかるかんを思う存分食べたいと思っていたっけ。
 時々、無性に食べたくなり、手のひらサイズの四角い5枚入りを買いに行く。
  鹿児島市 本山るみ子 2011/10/24 毎日新聞鹿児島版掲載

はがき随筆9月度入選

2011-10-26 21:50:55 | 受賞作品
 はがき随筆9月度の入選作品が決まりました。

▽鹿児島市薬師、種子田真理さん(59)の「異床同夢」(19日)
▽同市城山、竹之内美知子さん(77)の「真夜中の報告」(1日
▽屋久島町平内、山内淳子さん(53)の「涼風」(23日)

の3点です。

 季節の変わり目のせいか、夏の草花を愛でたり、初秋の菜園の稔りを楽しんだり、という季節感を表した文章が、9月は多かったようです。それぞれに心なごませる文章でしたが、難を言えば、もうひとひねり欲しいという印象をもちました。
 種子田真理さんの「異床同夢」は、交際中に、煙草を止めたご主人が吸いたがっている夢を見たことを話すと、ご主人も吸ってしまった夢を見たという不思議な経験が書かれています。霊の交感とまではいいませんが、夏目漱石が『漾虚集(ようきょしゅう)』でそのことを小説にしています。
 竹之内美知子さんの「真夜中の報告」は、ご主人の初盆に帰省した孫娘が、プロポーズしてくれた恋人の印象を話してくれた。お祖父ちゃんにどこか似ているという報告に、思わず胸がときめいた「お盆の夜」のことでした。これも『樣虚集』ですが、恋愛感情は遺伝するという小説があります。
 山岡淳子さんの「涼風」は、夏休み中の空っぽの教室で仕事をしていると、涼風が通り抜けた。これを「極楽風」というのかと感謝の気持ちがわいたという、瞬時の感覚をとらえて、それが巧みな文章になっています。こういう感覚には心を洗われるような懐かしさを感じます。
 入選作のほかに3編を紹介します。
 志布志市志布志町志布志、小村豊一郎さん(85)の「彼岸花」(24日)は、その時期になると固い土を割って必ず芽を出す彼岸花の不思議が描かれています。そこから、若山牧水の生家の彼岸花、それに墓参などを連想し、自然の神秘に思いを馳せた文章です。
 指宿市十二町、有村好一さん(62)の「FMかのや」(2日)は、故郷から内海を隔てた指宿に暮らしていて、FMかのやから聞こえて来る大隅の方言を懐かしんでいるという内容です。何時まで経っても「ふるさとの訛りなつかし」ですね。
 出水市大野原町、小村忍さん(68)の「伝説の大楠」(25日)は、恋を裂かれた二人が、それぞれの思いを楠の実に託して植え、大楠になったという伝説の紹介です。恋はかなえられないものだからこそ、このような伝説に憧れるのでしょうね。
  (鹿児島大学名誉教授・石田忠彦)

二水会

2011-10-26 21:41:51 | はがき随筆
民生委員、スタッフ数名、市社協の指導のもと月に1度第2水曜に行われる生き生きサロン「二水会(ふたみずかい)」があった。
 参加者30名、ラジオ体操、柔軟体操で体をほぐす。難しかったのは空ビール缶を10個立てた組が勝ちのゲーム。緊張の汗の中、皆熱心。最初はグーでジャンケンポン、白組がまず、グラッ、パタン。また、紅組も同じくダウン。どうしてもまっすぐには立てない。引き分け万歳!
 最後は読書の秋とて「山ん婆」物語を音読し、静かな静かな「里の秋」を合唱。お茶会では芋で作ったガネが美味。よき汗を流し感謝、感謝の日でした。
  阿久根市 松永修行 2011/10/23 毎日新聞鹿児島版掲載