はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

2014-06-28 16:14:06 | はがき随筆


 夫の友人からたくさんの梅をいただいた。深夜まで奥さまと選別されたという梅は、赤く熟し、孫たちの大好きな砂糖煮に最適だった。感謝しつつ、翌日早朝から台所のこんろと、庭に練炭をおこし2カ所で煮始めた。家の中も外も甘酸っぱい空気に包まれた。
 そんな中、「梅の木が彼にまわってきたのか」と夫がぽつり。それは、彼が学生時代、農作業が大変な両親に、畑に梅の木を植えることを勧めたのだという。定年後、郷里に帰り、親の介護をしながら田畑と向き合い、農業に汗を流されるお二人の姿は、とても尊くまぶしい。
  出水市 塩田きぬ子 2014/6/28 毎日新聞鹿児島版掲載

平和への願い

2014-06-28 15:58:46 | はがき随筆
 鹿児島版の支局長評論「ペン&ペン」で鹿児島観光について、特攻基地の知覧、鹿屋が紹介されていた。私も娘婿が初めて訪れた折、出水海軍航空隊基地跡を案内した。桜並木に囲まれて特攻公園として整備されている。支局長の母上様も話されているように、私の両親の兄弟も戦地で永眠した。平和を語り継ぐには出水の特攻基地も忘れてはならない。「二度と戦争をしてはいかん」。娘婿に慰霊碑文の「雲こそ わが墓標 落暉よ 碑銘をかざれ」を説明した。娘婿は防空壕の中も見たいと入っていった。平和を語れる一人にとその背に願った。