迎えに行った病院で、93歳の義母は「あんたに会いたかった」と涙を流した。手を握り、心細かっただろう入院生活を思った。車椅子になった義母と介護タクシーで2カ所目の施設へ向かう。住み慣れた自宅近くの風景に「帰ってこれると思わんかった」と顔が輝いた。
ごめんね、おかあさん。自宅に戻れると思ったよネ。最初の施設は遠かったけど、今度は我が家から目と鼻の先だから安心してね。孫やひ孫と、自由に面会できる日まで元気でいてね。同居41年。逃げたい投げ出したい日々があった。でも、義母から学んだことも多かった。
宮崎県延岡市 品矢洋子(68) 2022.10.16 毎日新聞鹿児島版掲載
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