12日、県内は悲しい事故が相次ぎ、尊い命が奪われた。ご遺族の心中を思うと、やりきれない。
いちき串木野市で小1の男児2人が車にはねられ、1人が死亡、もう一人が重傷を負った交通事故。2人をはねた男(21)は運転中「CDを入れ替え、脇見をしていた」と供述しているという。現場は横断歩道。しかも登校時間だ。時間帯と場所を考えると、よりいっそう慎重な運転が求められるはずだ。
前を走っていた車が急に止まった。すると方向指示器が点灯、右へ曲がるようだ。もっと早く教えてくれたら、私や私の後に続く車もスムーズに流れたのに……。交差点の信号は既に赤だが、前の車に続けとばかりに強引に突っ込んでくる車も多い。こちらが進む信号はとっくに青なのに直進できない。狭い道を加速して走る車も目立つ。脇から飛び出しがあった時、止まれるのか。
車を運転する際は運転免許を取得した時の初心に帰り、漫然、慢心ではなく常に謙虚な心でハンドルを握りたい。子供の頃、登校途中の横断歩道には交通指導員や保護者らが立って見守ってくれた。今、全国や県内はどうなっているのだろう。
海上自衛隊鹿屋航空基地のヘリコプター事故もつらい。かつて私も4年間、鹿屋通信部で勤務。取材で何度も同基地を訪ねた。対潜哨戒機や救難航空機などの操縦士らが日夜、厳しい勤務、訓練に明け暮れている。豪雨で山が崩れ、住人が生き埋めになった取材。さらなる崩落が心配されたが、救助にあたっている自衛官、警察官、消防隊員と一緒だと不思議な安心感があった。当然、眼前の土砂が崩れたら私も自衛官らも生き埋めだった。「安定、安定というけれど、体張って仕事している人もいる」と公務員を目指すひとの専門学校のテレビCM。その通りだ。ヘリ事故の原因を徹底的に究明してほしい。
鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2015/2/16 毎日新聞鹿児島版掲載