はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

一年の感謝

2013-12-31 12:49:32 | アカショウビンのつぶやき

 
いよいよ八十に突入する、アカショウビンです。
まあ、この一年の速かったこと…。
何のかんのと言い訳ばかりでブログの更新もままならず…。
お出でくださった皆様には申し訳ありませんでした。

さあ、80代とはこんなものか?
と、気づかされることも多くなるでしょう。
現実に逆らわず、小さなことにも感謝して生きられたらいいな
と思います。

ここ数日暖かなお日和で
ほんの数枚残った、ブルーベリーや、やまぼうしの真っ赤な葉っぱが揺れてます。
フレディ達ももうすぐ、土に還るのでしょう。

子供たちの帰省を待つ大晦日も静かに暮れていきます。

新しい年も皆様にとってお幸せな一年でありますように、
お祈りします。

待つ

2013-12-31 12:40:12 | はがき随筆
 今年も風の無い日を選んでワラ灰を作り、火鉢に入れた。火鉢のほんのりとした暖かさと火鉢料理を楽しむのだ。
 「えっ、そう!」。この正月3人娘と婿3人全員そろうよ、と妻が言う。「よしっ」。更にワラ灰を作り、娘たちの火鉢3杯にもワラ灰を積め込んだ。
 そして火鉢料理の準備に取りかかる。まずケタ打たせ漁のクマエビを入手。次に竹林で炭を作るHさんに木炭と竹の子を予約。「シイタケにソバモチに……。永島産ミズイカのスルメには驚くぞ。あとなんが良か?」
 あれこれ考えながら、娘たちが現れるのを待っている。
  出水市 中島征士 2013/12/31 毎日新聞鹿児島版掲載

うん、和むね

2013-12-30 11:47:53 | はがき随筆
 暮れになり、近くに4棟新築された。洋風が多い中に、1棟だけ瓦ぶきの和風家屋。洋風は若い人かな。和風はお年寄りの家だろうと思っていたが、外国人の住まいであった。庭は手作りでぼつぼつ、趣味であろう。「素晴らしいですね」とあいさつしたところ、「うん、和むね」という返事。 30代だろう。流暢ではないが、ぽわーと心が温まる言葉だった。若い時、趣味は庭園と話した覚えがある。その実力といえば、垣根を裸同然にし、失笑を買った。庭園というのは性分から不似合いだ。庭園巡りならどうだろうか。
  姶良市 山下恰 2013/12/30 毎日新聞鹿児島版掲載

からたち日記

2013-12-30 11:41:46 | はがき随筆
私が3、4歳の頃、父の田舎に行く度、祖父のリクエストで「お富さん」を歌っていたらしい。自分ではよく覚えていない。島倉千代子さんが逝去され、ふと思い出した。
 5歳の時、叔母と田舎道を歩きながら「からたち日記」を口ずさんだら、生真面目な叔母に「そんな歌、幼稚園で習ったの?」と叱られた。歌謡曲を歌っちゃダメと言われたことがなかったので驚いたことと、あぜ道の風景が鮮やかによみがえる。
 その叔母も今は病院暮らし。話もうまく通じない。あの日の事はもう彼女の記憶にないだろう。私だけの思い出になった。
  鹿児島市 種子田真理 2013/12/29 毎日新聞鹿児島版掲載

晩秋の九重

2013-12-28 14:03:53 | はがき随筆
 慌ただしさの中に気がつくと、イチョウの葉が黄ばんでいる。ふと、九重の高原と紅葉を見たくなった。
 11月初旬のやまなみハイウエイや瀬の本高原の眺めは、目を見張らせた。白い穂のススキが群生する、なだらかで広々とした丘は、空との境目が見分けられない先まで続いている。
 旅館への間道沿いの紅葉はまさに値千金。カエデ、ハゼ、クヌギなどの葉がいろとりどりに染まっていた。その木々の下の夢のようなトンネルを通る。
 妻と見た、九重連山のふもとの、高原と紅葉の美しさは私の胸を感動で染めてくれた。
  出水市 小村忍 2013/12/28 毎日新聞鹿児島版掲載

午年に駆ける

2013-12-28 11:01:57 | ペン&ぺん


 師走に入り、京都市で「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長が、また北九州市で市漁協組合長が撃たれ、亡くなった。共に銃の扱いに慣れた者の犯行らしい。日本の銃社会もここまで来たのか。
 鹿児島では7月、姶良市の女性が借金を断った男により殺害された。県警は粘り強い捜査で容疑者を逮捕、容疑者は強盗殺人の罪で起訴された。
 17日には鹿児島市三和町で女性が頭部を強打され、21日夜亡くなった。県警は鹿児島中央署に捜査本部を設け、殺人事件として全力で捜査にあたっている。でも世界に冠たる日本警察の捜査力。犯人は早く自主すべきだ。痛ましい事件が県内で起きたが期待の持てる明るい話題もある。
 来春の第86回選抜高校野球(日本高野連、毎日新聞社主催)の「21世紀枠」九州地区候補校に、奄美市にある県立大島高校(屋村優一郎校長)が選ばれた。全国9校の中の1校だ。この中から最終的に3校が決まる。
 本社から届いた候補校の表彰盾を贈るため、県高野連の佃省三理事長と一緒に大島高を訪ねると、終業式後に伝達式を開いていただいた。私が歌やユーモアを交えて祝辞を述べると、生徒たちが瞬時にドッと笑ったくれた。仕事柄、高校やイベントであいさつを頼まれるがポカ~ンされることが多い。校外の奉仕活動や文武両道も評価されただけにさすが、生徒たちの理解力は速かった。甲子園に行けたならと大いに期待している。さて最終的に県内からはどこが選ばれるか、1月24日の発表が楽しみ。
 今年は今回が最後です。ご愛読ありがとうございました。皆さんもつらいこと、腹の立つこと、うれしいことなどそれぞれあったことでしょう。来年のえとは午。天馬のように駆け抜ければと思います。どうぞ良いお年を。2014年もよろしくお願いします。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2013/12/27 毎日新聞鹿児島版掲載

古里の思い

2013-12-28 10:54:06 | はがき随筆
 この秋、中央駅前ストリート美術館に参加した。絵は心が安らぐ、原風景が描けたらと絵筆を握っている。このイベントでじ~っと私の絵を見つめていた1人の少女と出会った。原発事故により鹿児島で暮らしているが、「この絵を見ていると癒し、郷愁を感じます。でもこの地で生きてゆく」と話していた。
 私の想像もつかないほどのつらい経験をしたんだと思うと「マコテ グラシキシカどんキバイヤンセ」と励ました。古里を失った少女の望郷への念が深く心にきざまれ、絵の技術はないが見る人の心を揺り動かす原風景を描き続けられたらと思った。
  さつま町 小向一成 2013/12/27 毎日新聞鹿児島版掲載

クリスマス祝会

2013-12-26 20:11:01 | アカショウビンのつぶやき
キリスト教会ではクリスマスイブに教会に集まり、
イエス様のお誕生をみんなで楽しくお祝いします。

「よかにせらーず」のギター演奏。

日曜学校の子供たちは紙芝居

日曜学校OB、拓くんは高三の、マジシャンです。

幼稚園の先生方は、手話を交えて楽しい讃美をしました。

ハンドベルリンガーズは讃美歌やバッハのカンタータを演奏しました。

鹿屋市のただひとつのゴスペルグループ
「鹿屋プレイズシンガーズ」の皆さんが毎年、美しいハーモニーを披露して下さいます。

ポインセチア

2013-12-26 19:40:57 | はがき随筆


 花屋さんの前を通ると、シクラメンと競うようにこの鉢が目立ってきました。
 最近は赤色だけでなく、ピンク、白色とあり、深い緑の葉とのコントラストは満足させるのだと思われます。
 それに、葉に金粉のようなのはどうしてできたのだろうか?
 まさか金粉をふりかけたのではあるまい。
 クリスマスに飾られるのは、ポインセチアがキリストの血の受難を思い出されるといわれるが、さて小生は買うべきか、それとも断念すべきか。
 イブまでに決めたいと思う。
  鹿児島市 下内幸一 2013/12/26 毎日新聞鹿児島版掲載

はがき随筆

2013-12-26 19:33:51 | はがき随筆
 今年も師走に入った。年間カレンダーの5月28日が○で囲んである。初めて「はがき随筆」の投稿した記念日である。姉から「1回書いてみたら、ボケ防止になる」と背を押された。
 ボケたくない一心で原稿とのにらめっこが始まった。投稿者の素晴らしい文にちゅうちょする中、妻が「今月は書いたの」と苦手な執筆が生活の一部になった。たまに投稿が掲載されたら、叔父、姉、義妹が真っ先に論評してくれる。ありがたくうれしい。
 妻が編集長、叔父たちが評論家の下、来年もはがき随筆に挑戦とただ今、執筆中である。
  出水市 宮路量温 2013/12/25 毎日新聞鹿児島版掲載

初舞台

2013-12-26 19:27:59 | はがき随筆
 コーラスの同好会に加入して丸4年。春からは「かのや第九演奏会」にも誘われ、初参加。約130人の合唱団員に増え、11月からは毎週末の練習に励んできた。先日はオーケストラとの合同練習とあって、生演奏に心なしか興奮気味。楽譜とにらめっこで練習あるのみ。自宅ではひたすらCDを聴きながら楽譜のドイツ語に挑戦するも、曲に合わせての発音に悩まされ、入団したことを悔やんだ。
 練習のかいあって歌詞も口からついて出るまでにこぎつけられた。本番目前、秒読み態勢に入った。後は初舞台での失敗のないことを祈るのみとなった。
  鹿屋市 中鶴裕子 2013/12/24 毎日新聞鹿児島版掲載

言い訳

2013-12-26 19:22:09 | はがき随筆
 我が家で勉強をしていた小学2年生の男孫が早口で何か言った。よく分からず聞き返すと、「言わない」とのたもう。「ばあちゃんは時々耳が聞こえなくなるから、もう一度言って」と頼むと「言い訳は聞きません」ときっぱり。言い訳と思っていなかったので、さすがにショック。どうやら常日ごろ兄や姉に言われていることを、ばあちゃん相手に行ってみたかったのかなと思った。考えてみると私の場合、相手がいないので口には出さなくても、気持ちが言い訳をしているのです。今日は自分にスイッチをカチッと入れて、大掃除をしなくてはと反省。
  霧島市 口町円子 2013/12/23 毎日新聞鹿児島版掲載

Merry Christmas!

2013-12-26 14:01:43 | アカショウビンのつぶやき

Merry Christmas
鹿屋キリスト教会のクリスマス礼拝です。
毎年恒例の、モーツアルトのグローリアを高らかに讃美しました。
そして牧師のクリスマスメッセージ
「暗闇を照らす光」
ひとりひとりが暖かい光となって、混沌とした世相の中に
一筋の光が輝きますようにと祈りました。


いつもクリスマス礼拝のあと、全員で記念撮影をします。
写真班の妙子さんは、苦労しましたが、何とか全員のお顔が見えたようです。

「父親ってそうなん」

2013-12-26 13:50:39 | アカショウビンのつぶやき
2013年12月26日 (木)

山陽小野田市  会 員   河村 仁美

 今年の漢字が決定し、今年の10大ニュースが新聞に掲載される時期になってきた。我が家のニュースはもちろん娘の結婚だ。それも1年の聞に2人続けて。主人に「今年は実りのある1年だったね」と言うと「失うものの多かった1年だった」の返答にびっくり。娘を持つ父親ってみんなそうなのかなあ。

 我が家は普通は母親がやることを主人がやってくれた。免許がない私の代わりにアッシー君を務め、嫁ぐ前には晩ご飯を作りながらマンツーマンで料理を教えた。子育て卒業で楽になったと喜ぶより、娘が出て行った感が強いのも無理がないかな。
  (2013.12.26 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「遠ざかる昭和」

2013-12-24 11:39:29 | 岩国エッセイサロンより
2013年12月24日 (火)

岩国市  会 員   山下 治子



「次の休みに連れてきていいかな」。真ん中の息子が珍しく断りを入れてきた。やっとその気になったねと夫と目が合う。どんな人と聞くと「干支が一緒、ちょっと年がね」と口ごもる。瞬間「その人って……」と不安が口をついて出た。  

夫より4歳年上の私は、それが理由で昔、夫の母親に結婚を反対されたが、その上をいく年の差婚。血は争えないと妙に納得した。
 ところが「式は彼女の成人式が済んでからでないと。孫ができたら、お母ン頼むね」と肩をたたかれた。我が家に平成生まれのお嫁さんだって……。孫みたいだわ。

  (2013.12.24 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載