はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

台風は…

2011-05-29 19:50:25 | アカショウビンのつぶやき












 台風2号は低気圧に変わり、被害もなく過ぎて行った。
雨台風と言われたにもかかわらず、当地は大した雨も降らず、お昼過ぎには太陽が顔を出しほっと一安心。

 庭の被害もなし、ようやく開き始めたフェイジョア、小さな実を付けたばかりのキウイ、強風にいたぶられた百合も、ブラックベリーも無事だった。

 雨戸は、友人が開けに来て下さったが、風邪が治りきらず、まだ体力が戻らないアカショウビンには、植木鉢の片付けが一仕事です。無理せずぼちぼちやりましょう。

しかし、雨の被害が予想される地域の皆さん、特に東北地方の被害が大きくなりませんようにと祈ります。

by アカショウビン

わずか1年で

2011-05-29 19:12:44 | 女の気持ち/男の気持ち
 ボランティア活動を通じて知りあった「ひきこもり支援センター」の代表者から、ラーメン屋で働きたいという20代の若者を預かってほしいとの依頼があった。
 その彼は小学3年から不登校になり、中学もまったく通わず、インターネットの世界で生きてきたと言う。
 本人、父親、代表者、私の4人で面談した。青い顔にか細い肩と小さな手。質問にも下を向いたまま小声でボソボソと話し、体も心もあまりにも華奢で「ガラス細工」でできたような青年だった。
 週3日、3時間の見習いから始めることにしたが、絶対に続かないと思った。
 家内とパートさん4人に事情を話した。不安の声も上がったが、しからない、無理をさせない、褒めて自信を持たせる、ことを確認し合った。
 ラーメン屋の仕事はハードだ。体調不良でしばしば休んだが、辞めるとは言わなかった。半年が過ぎ、ウエーターと皿洗いができるようになったのを機に、わずかだが小遣いを手渡すことにした。
 思いがけない変化が起きた。自分の存在が認められた。戦力になれたとの自覚が生まれたのか、休まず明るく積極的になったのである。
 丸一年を迎えた朝、尋ねた。
 「店は楽しいか」
 「はい、楽しいです。僕はお店が大好きです」
 大きく力強い声だった。
 たった1年で……。胸が熱くなった。
  北九州市戸畑区 ラーメン店店主 長浜 寛治 2011/5/28 毎日新聞の気持ち欄掲載

いやがった万札

2011-05-29 19:06:51 | はがき随筆
 化粧品を買いに行った時のこと。新商品のナイトクリームを紹介された。すんなり買える額でもないのに、いかにも迷っているふりをする。そこを見通しているものがいた。<どうせ買うはずはない>と見破った万札は財布にしがみついて出て来ない。
 結局、いつものクリームになった。そこで紀香さんも愛用という試供品をいただく。ナイト美容液パックだった。翌朝、肌の感触が全然違う。パックに一目ぼれ。だが、喜ぶには早い。
 “美肌は1日にして成らず”果たして福沢諭吉さん、納得してくれるかな。
  鹿児島市 竹之内美知子 2011/5/29 毎日新聞鹿児島版掲載

幸せを頂く

2011-05-29 19:01:25 | はがき随筆
 「朝のとっておきコーナーです。毎月最終土曜日は毎日新聞鹿児島版に掲載されますはがき随筆入選作……」。MBCラジオパーソナリティー二見いすずさんの透明な声のナレーションに続き朗読、緊張したインタビューが始まります。
 14文字の1行1行、投稿者の思いを大切に情感あふれる朗読で文章は際立つ。インタビューは安らいだ気分で落ち着かせてくれ、会話が弾み緊張が解けます。
 枕元の録音CDは入選の感激を呼び起こし朝の目覚まし時計となって私をすがすがしい寝起きへと誘ってくれます。
  鹿児島市 鵜家育男 2011/5/28 毎日新聞鹿児島版掲載

足を知る

2011-05-29 18:56:04 | はがき随筆
 「満足」を辞書で調べると、①十分であること②これ以上の望みがなく、満ち足りていることの意味が記されているが、3月11日の大震災を境に、すみに追いやられてしまった満足がある。
 その代わりに「足を知る」のことわざが人生の指針として、生活の基本となるのではないだろうか?
 ちまたでは、自分ひとりだけの座右の銘が人気であるそうですが、ここはまず夏場の電力不足を解消するためにも、電気は無限ではなく有限であり「不足を知る」を肝に銘ずるべきである。
  鹿児島市 下内幸一 2011/5/27 毎日新聞鹿児島版掲載

台風が近づいています

2011-05-29 00:27:27 | アカショウビンのつぶやき
台風2号が近づいています。
次第に速度が上がりましたが、まだまだ強い勢力のまま北上しています。

夕方、友人が雨戸を閉めに来て下さいました。
老朽化した我が家の古雨戸は、いくらガタピシやっても私の手には負えません。
 
台風接近の度に、庭の見回りと雨戸を閉めに来て下さる友人に感謝しています。
台風が去っても、閉めた雨戸を開けることもできないアカショウビンですから、明日はもう一度来て頂くことになります。

多くの方々に助けられている日々を心から感謝しています。

日本中に大雨をもたらし日本列島沿いに進む予報です。被害が大きくなりませんようにとただ祈ります。

byアカショウビン