はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

大事な友・趣味

2011-05-12 17:30:02 | はがき随筆
 さつま狂句や川柳と向き合っているが、さっぱり上達せず、奥が深く悔しさが募ることも。でも続けられるのは脳のさび落としや刺激になり、ボケ防止になるという自覚があるからだ。
 昨年はたまたま、川柳で「照る日曇り日嵐もあって老い二人」、狂句で「俄客(にわかきゃ)き温(ぬ)っかビールい足(て)た氷(みず)」が月間賞に選ばれ感動を覚え、さらに新聞やテレビに投句を続け、採用にかかわらず継続を決意している。メモ帳と辞書を携え、忘却度が高いのでメモを心がけ、いったん句と取り組めば時がたつのも忘れる。今後も人生を豊かにする友・趣味を大事に生き続けたい。
  薩摩川内市 下市良幸 2011/5/12 毎日新聞鹿児島版掲載

自分を恥じた

2011-05-12 17:23:53 | はがき随筆
 娘さんへの思いをほほえましく感じながら、5日に掲載された伊地知咲子さんの「女の気持ち」を読んでいた。後半、娘さんが被災地へ応援に行くと聞いて伊地知さんは「寂しさが吹っ飛んだ」と。私は虚を衝かれたかのようにうろたえた。
 息子が福島へ派遣されると聞いた時、私は不安でいっぱいになった。そしてせめて息子が福島にいる間は原発に不測の事態が起こりませんようにと祈り続けた。
 なんという身勝手さ。私は自分の了見の狭さに深く恥じ入った。改めて伊地知さんの人柄に敬服させられました。
  出水市 清水昌子 2011/5/11 毎日新聞鹿児島県版掲載

天才に会う

2011-05-12 17:14:57 | はがき随筆
 山下清展が始まり妻と出掛ける。4時に起き愛犬遼太郎の運動をすませ7時前家を出る。待望の新幹線は心地よく運んでくれ、11時すぎ博多駅に到着、まず腹拵え。
 会う機会はきっとあると思いながら50年余りが過ぎてしまった山下清。代表作は貼り絵だが、油彩・水彩・ペン画・陶芸など僕たちの目を釘付けにする。貼り絵を見るのは初めてだが、重ねられる色紙の多種多様に驚く。さらに世に出る前の作品が保存されたことには感謝の気持ちが湧く。そして、感動の疲れかしら、それとも脱力感かしら、会場を出る時の率直な感慨です。
  志布志市 若宮庸成 2011/5/10 毎日新聞鹿児島版掲載