はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

花の日訪問

2008-06-05 23:46:12 | アカショウビンのつぶやき












 アメリカの、教会日曜学校から始まった「花の日」は、6月の第2日曜となっています。この日は本来、子どもたちが「神様の子ども」として祝福されるように祈る日として定められました。それがちょうど夏の花が咲き出す時期と重なって「花の日・子どもの日」となったのです。
 鹿屋キリスト教会では、この頃が入梅の時期と重なるため、1週繰り上げて6月第1日曜を「花の日・こどもの日礼拝」としています。
 この日は礼拝に参加する、お一人お一人がお花を持ち寄り、教会堂はお花でいっぱいになります。そのお花を持って、教会学校の子どもたちと一緒に今年も病院や老人保健施設を訪問しました。
 毎年この日を楽しみに待っていてくださる方もあり、お花とカードを渡し一緒に賛美歌を歌い、神様のお守りと祝福が豊かにあるように祈りお別れしました。

森の音

2008-06-05 15:45:40 | はがき随筆
 <……よかった>。まだ、自然林がいっぱい残っている。
 出水市街地から約10㌔の奥山を貫く林道・北薩1号線を車で走った。シイ、カシなどの群落の緑が空の青に溶け込み、はるかかなたに八代海を遠望させる。ススキに隠れる小鹿の白い毛の後ろ姿がかわいい。
 車を降りると風がほおに心地よく空気がうまい。耳を澄ますと風に混ざり「ギルル……」と、森の訴えるような声に似た音がする。近くの裸山のせいか、林道は、木材伐採用の造成でなければよいが、と不安になる。
 <また会おう>。挨拶をしたが、森の音が気になった。
   出水市 小村 忍(65) 2008/6/5 毎日新聞鹿児島版掲載